テレビCMから流れてくる音楽で、こんなにも”おやッ!”と思わせられたことはあっただろうか!
妻O木君が出てる、リクルートのCMのことです。
こりゃあ、シドニー・ベシエの「インディアン・サマー」じゃありませんか!思わず耳を疑ってしまいました。
シドニー・ベシエ(Sidney Bechet)と言っても馴染みの無い人が多いでしょうが、オールド・ジャズのファンなら知らぬ人は居ないでしょう。私の好きなジャズ・ミュージシャンの一人です。(ジャズ界の大滝秀治。似てる!)
昔のジャズ楽団の編成では、クラリネットが欠かせませんでしたが、彼は同奏者ではジョニー・ドッズ、ジミー・ヌーンと並ぶ存在で、さらに彼の存在をユニークなものにしていたのは、珍しいソプラノ・サックスとの二刀流だったことでした。
前記二者は多くのジャズ奏者がそうであったように、ニューヨーク大恐慌を境に、第一線から消えて行ったのに対し、フランスを中心に欧州を拠点にしていたためか、59年に亡くなるまで活躍していました。その長いキャリアの中には名演、珍盤に事欠きません。
「Indian Summer」(40年)は、私が大学3年の時聴いて以来大好きです(多分、ジャズでは五指に入る!)が、あまりベシエが激情に(個人的にこの点がやや玉に傷なのです)走らず、朗々とソプラノを吹いているのがいいです。イントロのピアノはテディ・ウイルソン!と思いきや、そっくりなソニー・ホワイト。(騙された!)
oClarence Williams Blue Five「Texas Moanor Blues」(24年)
ベシエのレコード歴は古く、初録は23年のことです。翌年この曲他でサッチモことルイ・アームストロングと共演しています。サッチモという人はベシエに劣らず、激情を大音量でぶつける人ですが、これは両者の対抗意識がいい具合に抑えられ、微妙な熱さを感じさせる両者の持ち味がよく出た共演であります。(それにしても配信されているものの音質のいいこと)
o「Blues Of Bechet」(41年)
これぞ、ジャズ史上に残る珍盤。ベシエ自身のクラとソプラノの夢の競演です。というのはここで演っているのは、全てベシエ一人なのです。(多重録音)
o「Tropical Moon Rhumba」(39年)
これは、ジャズのみならずラテン音楽史上でも貴重な音源。カリブ海のハイチは長くフランス領だったことで、同国とカリビアン音楽の混合により、何ともエキゾチックかつ欧州的な優雅な魅力の音楽が生まれました。これを混血でない純黒人ばかり(何故か同国は白人との混血はほとんど居ない)が演っているというのが実に不思議です。(騙されない!写真を見た)ベシエは中国人の血もあるクレオール(黒人とフランス人の混血)なので、こういう音楽を好んでいたのでしょうか、そのモチーフを借りた戦前のラテンジャズです。
oBechet=Spanier Big Four「Sqeeze Me」(40年)
ここで共演しているマグシー・スパニアはサッチモに影響を受けた白人コルネット奏者ですが、私はサッチモより好きです。節度を弁えているから…
この双頭コンビによるセッションは全部傑作です。くつろぎ、適度の情熱、スリル…ことにベシエのクラ、ソプラノの持ち替え、スパニアのオープン、ミュートの吹き替えが静と動、陰と陽の微妙なタペストリーを作り出しています。
o「Petite Fleur」(可愛い花。52年)
ベシエのオリジナル。彼の名前は知らなくとも、この曲は聴いたことある…という人も多いハズ。世界的にもヒットし、日本ではザ・ピーナッツのデビュー・シングルになりました。ベシエらしい、エキゾチックかつ陰影に富んだ魅力にあふれています。
それにしても、ヴィブラートの利いたベシエのソプラノ、久しぶりに聴きましたが、ムーラダーラ・チャクラの辺りがくすぐられて来やしませんか?
クンダリーニがどうこうなるかは…未来はあの本に書かれているんだって…
妻O木君が出てる、リクルートのCMのことです。
こりゃあ、シドニー・ベシエの「インディアン・サマー」じゃありませんか!思わず耳を疑ってしまいました。
シドニー・ベシエ(Sidney Bechet)と言っても馴染みの無い人が多いでしょうが、オールド・ジャズのファンなら知らぬ人は居ないでしょう。私の好きなジャズ・ミュージシャンの一人です。(ジャズ界の大滝秀治。似てる!)
昔のジャズ楽団の編成では、クラリネットが欠かせませんでしたが、彼は同奏者ではジョニー・ドッズ、ジミー・ヌーンと並ぶ存在で、さらに彼の存在をユニークなものにしていたのは、珍しいソプラノ・サックスとの二刀流だったことでした。
前記二者は多くのジャズ奏者がそうであったように、ニューヨーク大恐慌を境に、第一線から消えて行ったのに対し、フランスを中心に欧州を拠点にしていたためか、59年に亡くなるまで活躍していました。その長いキャリアの中には名演、珍盤に事欠きません。
「Indian Summer」(40年)は、私が大学3年の時聴いて以来大好きです(多分、ジャズでは五指に入る!)が、あまりベシエが激情に(個人的にこの点がやや玉に傷なのです)走らず、朗々とソプラノを吹いているのがいいです。イントロのピアノはテディ・ウイルソン!と思いきや、そっくりなソニー・ホワイト。(騙された!)
oClarence Williams Blue Five「Texas Moanor Blues」(24年)
ベシエのレコード歴は古く、初録は23年のことです。翌年この曲他でサッチモことルイ・アームストロングと共演しています。サッチモという人はベシエに劣らず、激情を大音量でぶつける人ですが、これは両者の対抗意識がいい具合に抑えられ、微妙な熱さを感じさせる両者の持ち味がよく出た共演であります。(それにしても配信されているものの音質のいいこと)
o「Blues Of Bechet」(41年)
これぞ、ジャズ史上に残る珍盤。ベシエ自身のクラとソプラノの夢の競演です。というのはここで演っているのは、全てベシエ一人なのです。(多重録音)
o「Tropical Moon Rhumba」(39年)
これは、ジャズのみならずラテン音楽史上でも貴重な音源。カリブ海のハイチは長くフランス領だったことで、同国とカリビアン音楽の混合により、何ともエキゾチックかつ欧州的な優雅な魅力の音楽が生まれました。これを混血でない純黒人ばかり(何故か同国は白人との混血はほとんど居ない)が演っているというのが実に不思議です。(騙されない!写真を見た)ベシエは中国人の血もあるクレオール(黒人とフランス人の混血)なので、こういう音楽を好んでいたのでしょうか、そのモチーフを借りた戦前のラテンジャズです。
oBechet=Spanier Big Four「Sqeeze Me」(40年)
ここで共演しているマグシー・スパニアはサッチモに影響を受けた白人コルネット奏者ですが、私はサッチモより好きです。節度を弁えているから…
この双頭コンビによるセッションは全部傑作です。くつろぎ、適度の情熱、スリル…ことにベシエのクラ、ソプラノの持ち替え、スパニアのオープン、ミュートの吹き替えが静と動、陰と陽の微妙なタペストリーを作り出しています。
o「Petite Fleur」(可愛い花。52年)
ベシエのオリジナル。彼の名前は知らなくとも、この曲は聴いたことある…という人も多いハズ。世界的にもヒットし、日本ではザ・ピーナッツのデビュー・シングルになりました。ベシエらしい、エキゾチックかつ陰影に富んだ魅力にあふれています。
それにしても、ヴィブラートの利いたベシエのソプラノ、久しぶりに聴きましたが、ムーラダーラ・チャクラの辺りがくすぐられて来やしませんか?
クンダリーニがどうこうなるかは…未来はあの本に書かれているんだって…