私達が泊まった場所は、大変わかりにくいところにあって、
さんざん迷った挙句、道を尋ねた何人目かの人が「わかりにくいから先導してあげるよ」という天使な人で、ようやくたどり着いた。
2日目の夕方、コテージに戻る時に、 『MENEHUNE FISH POND(メネフネ フィッシュポンド)』という小さな看板があり、それは宿を通り越した先にあるようだった。
メネフネというのは、ハワイに古くから伝わる妖精の名前だ。
軽い気持ちで、行ってみるか、ということになり、そのまま車を走らせた。
道は舗装されているが、山道のようにまがりくねって細々と続いており、私はドキドキしてきた。
なんだろう、なにかが私を緊張させる。
しばらく走っても、そのメネフネフィッシュポンドらしきものはない。わたしの緊張は高まって、むしょうに戻りたくなったその時、
「オー、マイガーッシ!!」
と夫が叫んだので私は飛び上がらんばかりに驚いた。
「後ろの車が道路をはずれてクラッシュした!」
振り向くと、たった1台だけいた後続の車が、完璧に路肩に落ちて斜めになっていた。
幸い、両側はススキのような草が一面に広がっているだけだったが、道路のほうが30cmほど高くなっているので、タイヤが落ちると自力では上がれない。
「心臓発作か何かだったら大変だ!」
夫はすぐにUターンして、その車に近づいた。
地元の人らしき50歳半ばほどの男性が、ドアをあけて外に出ようとしていた。怪我もなさそうで、たぶん少し酔っていたのかもしれない。
ただまっすぐな道で、路肩に落ちる原因なんか何もないのだ。
彼は車屋をしている友達を呼んで、引き上げてもらうから大丈夫だと言う。
私達がいても何もできないので、男性の無事だけ確認して、来た道を戻った。フィッシュポンドなんか、どうでもよくなった。
少し走ると、いかにも旅行客風の人たちが乗った車が、立ち往生していた。
突然車が動かなくなったという。ロードサービスを頼んで、待っているところらしい。
数分前にここを通ったばかりだ。
しばらく進むと、小さな小さなサインと、3人も立てば一杯になるほどの展望スペースがあって、そこがメネフネ フィッシュポンドだった。
来る時には見過ごしていた。
車のスピードを落としながら、後ろを振り返ると・・・・・・
ゾワァアァァ~~~
全身の毛穴が引き締まるような、そしてそれが波になって何回も押し寄せるような。
はるか眼下には、なんともいえない景色が広がっていた。
幅の広いゆったりとした川に、自然のものか、古い部族が作ったか、樹木で池のように仕切られた大きなスペースがあり(このことをフィッシュポンドというのだろう)
その川は、うっそうと茂る木々に守られて、ずっと奥まで静かに続いている。
夫も何か感じたのだろう、止まるかどうか聞かずにスピードをあげた。
カウアイ島全体に、オアフ島よりもピリリと来る気配がある。
それは、観光地化された場所にはそれほど感じない気配だが、少し離れると途端にピリリと来る。
そしてこのメネフネフィッシュポンドと、その先に続く道の奥には、紛れもなく「拒む」感じがあった。
変な言い方だけれど、「来て欲しくない」という何かの意思を感じた、というのがピッタリくる。
訪れた時間帯もあっただろう。
まだ空は明るいが、夜の7時になろうとしていた。あっというまに夜になってしまう時間。
そして、初日に私達を先導してくれた男性は、「この先に用事があるから、どうせついでだし」と言って、私達を宿まで案内すると、そのままこの道へ消えていった。
夜の8時を過ぎていたというのに。
道を聞こうと思って、お店の集まった場所に車を停めたら、私達の車の真ん前に彼は立っていた。
夜も更けてくるし、だんだん車内の雰囲気も悪くなってくるし、私は『カミサマでも天使でも何でもいいから、いい加減私達を宿に連れていって!おねがい』と心の中で叫んだ、その後だった。
彼は人間の形をした、きっと何か違うものにちがいない・・・・・・
というのは不思議好きな私の想像で、カウアイ島の人たちは、おしなべてとっても親切だ。
あの道の先にも、きっと住宅地があったりするんだろう。
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さんざん迷った挙句、道を尋ねた何人目かの人が「わかりにくいから先導してあげるよ」という天使な人で、ようやくたどり着いた。
2日目の夕方、コテージに戻る時に、 『MENEHUNE FISH POND(メネフネ フィッシュポンド)』という小さな看板があり、それは宿を通り越した先にあるようだった。
メネフネというのは、ハワイに古くから伝わる妖精の名前だ。
軽い気持ちで、行ってみるか、ということになり、そのまま車を走らせた。
道は舗装されているが、山道のようにまがりくねって細々と続いており、私はドキドキしてきた。
なんだろう、なにかが私を緊張させる。
しばらく走っても、そのメネフネフィッシュポンドらしきものはない。わたしの緊張は高まって、むしょうに戻りたくなったその時、
「オー、マイガーッシ!!」
と夫が叫んだので私は飛び上がらんばかりに驚いた。
「後ろの車が道路をはずれてクラッシュした!」
振り向くと、たった1台だけいた後続の車が、完璧に路肩に落ちて斜めになっていた。
幸い、両側はススキのような草が一面に広がっているだけだったが、道路のほうが30cmほど高くなっているので、タイヤが落ちると自力では上がれない。
「心臓発作か何かだったら大変だ!」
夫はすぐにUターンして、その車に近づいた。
地元の人らしき50歳半ばほどの男性が、ドアをあけて外に出ようとしていた。怪我もなさそうで、たぶん少し酔っていたのかもしれない。
ただまっすぐな道で、路肩に落ちる原因なんか何もないのだ。
彼は車屋をしている友達を呼んで、引き上げてもらうから大丈夫だと言う。
私達がいても何もできないので、男性の無事だけ確認して、来た道を戻った。フィッシュポンドなんか、どうでもよくなった。
少し走ると、いかにも旅行客風の人たちが乗った車が、立ち往生していた。
突然車が動かなくなったという。ロードサービスを頼んで、待っているところらしい。
数分前にここを通ったばかりだ。
しばらく進むと、小さな小さなサインと、3人も立てば一杯になるほどの展望スペースがあって、そこがメネフネ フィッシュポンドだった。
来る時には見過ごしていた。
車のスピードを落としながら、後ろを振り返ると・・・・・・
ゾワァアァァ~~~
全身の毛穴が引き締まるような、そしてそれが波になって何回も押し寄せるような。
はるか眼下には、なんともいえない景色が広がっていた。
幅の広いゆったりとした川に、自然のものか、古い部族が作ったか、樹木で池のように仕切られた大きなスペースがあり(このことをフィッシュポンドというのだろう)
その川は、うっそうと茂る木々に守られて、ずっと奥まで静かに続いている。
夫も何か感じたのだろう、止まるかどうか聞かずにスピードをあげた。
カウアイ島全体に、オアフ島よりもピリリと来る気配がある。
それは、観光地化された場所にはそれほど感じない気配だが、少し離れると途端にピリリと来る。
そしてこのメネフネフィッシュポンドと、その先に続く道の奥には、紛れもなく「拒む」感じがあった。
変な言い方だけれど、「来て欲しくない」という何かの意思を感じた、というのがピッタリくる。
訪れた時間帯もあっただろう。
まだ空は明るいが、夜の7時になろうとしていた。あっというまに夜になってしまう時間。
そして、初日に私達を先導してくれた男性は、「この先に用事があるから、どうせついでだし」と言って、私達を宿まで案内すると、そのままこの道へ消えていった。
夜の8時を過ぎていたというのに。
道を聞こうと思って、お店の集まった場所に車を停めたら、私達の車の真ん前に彼は立っていた。
夜も更けてくるし、だんだん車内の雰囲気も悪くなってくるし、私は『カミサマでも天使でも何でもいいから、いい加減私達を宿に連れていって!おねがい』と心の中で叫んだ、その後だった。
彼は人間の形をした、きっと何か違うものにちがいない・・・・・・
というのは不思議好きな私の想像で、カウアイ島の人たちは、おしなべてとっても親切だ。
あの道の先にも、きっと住宅地があったりするんだろう。
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オアフ島の、昔からの聖域(ヘイアウ)に近づいたような感じ、いやそれ以上かなあ。
夜はあまり自然の中に出歩かないほうがいいかもねー。
自然が多く歴史のある土地柄だけに
足を踏み入れてはいけない神聖な土地も
多いのだろうね。。。