虚無交換日記

神戸大学将棋部の住人たちによるブログ

令和元年個人戦振り返りpart2

2019-05-25 00:13:23 | F
3回生の古田です。前回の振り返り記事に引き続いて、本戦の将棋を振り返ろうと思います。
本戦に進出した時点でベスト32であるので、本戦では3回勝ってベスト4まで行けば学名の代表権を得ることができます。
本戦初戦vs千野(大商大) 先手番
前回も書いたように今まで散々練習を指してきた相手です。今回は事前準備をしてきました。

狙いの角道不突きの形に誘導しました。しかし、図から3手前の△64歩が予定外で形としては研究型から外れたため、自分を信じて突き進むことに決めました。
図から、▲45銀△同銀▲同桂△42角▲24歩△56歩▲同歩△24角▲同飛△同歩▲63角と進み、次の図へ。

ここで△51飛は▲41角成〜▲53桂で攻めが繋がります。本譜は△56飛。これが嫌な手で悩みました。
対して第一感の▲57歩は△52金▲81角成△同玉▲56歩の時に相手玉は遠い上、こちらは歩切れ、△57歩などの嫌な筋や△51歩の底歩も利くためまずいと判断して▲41角成と取りました。感想戦でもここは両対局者の意見が一致するところでした。
▲41角成以下、△57歩▲68金△58銀▲59歩△69銀▲同金△29飛と進行。

ここでは▲46金と攻め駒を責めるのが明快でした。実戦は▲68金打と埋めましたが△48金と絡みつかれ、ソフト的には優勢でも、人間的には大変な勝負になりました。
ちょっと進めて次の図

ここで本譜は相手が△72金と逃げましたが、▲63銀△59金▲同金△同龍▲72銀不成(詰めろ)から比較的分かりやすい一手勝ちコースに。
△72金は感想戦で相手が悔やんでいた手で、代えて△59金と後手玉の安全度を活かして攻め合われていたら大変でした。対局中の自分の読みは▲同金△同龍▲69金打△同龍▲同金△58歩成に、▲同金△同飛成▲68金で相手が銀を持っていないため余せる、という読みでした。しかしこの読み筋、実はおかしくて手順の最後▲68金に打つ金がそもそも無く、実戦ならば跳び上がっているところでしたね...
ソフト検討したところ、一応△59金の変化も先手が2000点以上の優勢というものでしたが、その手順はかなり際どい一手勝ちであの手順を選べるかと言われると、かなり怪しく何が起こってもおかしくなかったです。
感想戦ではこちらが負けている変化も多い将棋でしたが、なんとか優勢を維持して勝ちきることができました。
本戦2回戦vs木村(孝)(立命館) 後手番
相手はプロを4連破した学生最強クラスの相手です。
戦型は事前に「角換わりだけはやめておけ」という情報を得て迷っていましたが、後手を引いたことと、僕自身も何だかんだ得意戦法だから負けても後悔しないだろうという想いも込めて、角換わり腰掛け銀を選びました。
今年春に院進された神大の元エース名和さんと意見を交わしたこともある局面へ。

ここから本譜▲24歩△同歩▲同角△同銀▲同飛と進めるのがこの形のおなじみの筋。対局中も予想していましたが、この条件下では▲同飛の瞬間に△59角と返して後手良し(600〜800ほど)だったようです。もっとも、それも簡単ではなく、後手玉がむき出しなのでかなり選びづらい変化ですね。
実戦は普通に△23歩を打ち、相手玉の周りに手をつけて図へ。

▲35歩がきつくてここでは先手が模様良しといえそうです。以下、△47歩▲38金△66歩▲35歩△22角▲44銀△43銀▲77銀と進みましたが、打った角が封じ込められる展開は△47歩とも相性が悪く、良くありませんでした。先手も▲77銀はソフト的には微妙だそうですが非常に実戦的な手で、対局中は形勢はともかく後手持って相当勝ちにくい展開になったなあと思っていました。
以下、47の歩を後悔して△48歩成となり捨てましたが、これが悪手。当然許してくれずに33の地点を攻められ、敗勢になり次図。

図から△29とと首を差し出すように飛車を取ったものの、▲42成銀△同玉▲44桂から詰めろの連続で迫られ寄せられてしまいました。
しかし実は図の局面が最後のチャンスで、△同金と取れば意外にも難しくソフト的には互角近くに戻っていました。▲34歩にも▲25桂にも金をかわしておけば相手の攻めがすぐには続かないため、こちらも相手の飛車こそ取れないものの長い将棋になったようです。それでも相当勝ち辛い将棋ですが、諦めずにこうやるべきでした。
ということで今回はベスト16で敗退することになりました。負けたのはもちろん悔しいのですが強豪と指すことで課題も見え、いい経験になったとは思います。
次は一軍戦が控えているので気を引き締めて頑張ろうと思います。
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