虚無交換日記

神戸大学将棋部の住人たちによるブログ

一軍戦総括

2015-11-27 14:41:20 | hiro
 主将です。前回の続きで一軍戦総括から入りたいと思います。ちなみに主将期間はまだ続くので、引退文はまだ書きません 笑
 特に神大将棋部員でこれからもっと強くなりたいという人に読んでほしいと思います。
 まず、私自身のところから。成績は4勝0敗、特に立命館戦の勝利は大きかったと思います。ここまで仕事してこなかったのでそろそろ勝たないといけないとは思っていたのでよかったと思います。余談ですが、部長も5勝0敗、彼もそろそろ勝たないと・・・と言っていたので勝ててよかったです。
また、オーダーも最善を尽くせたと思います。結果論としてこうしておけばというのはありましたが、過程を考えると最善のオーダーであったと思います。
 ここまで良かった点ばかり書いていますが、大きい反省点が2つ残りました。1つ目は一軍戦直前まで絶不調が続いていたこと。アマ名人戦でひどい逆転負け2つで予選落ちしたことから始まったであろう不調は深刻なものでした。踏み込むべきところで踏み込めず、ポカで駒をただ取りされて負ける。部内戦でも散々な結果で、一時期は自分の出場すら危ぶんだレベルでした。幸いにして一軍戦直前の朝日アマ関西予選あたりからまともな将棋を指せるようになったのですが、部員には多大な心配をかけてしまったと思います。特にO君、Sさんには、絶対勝たなければならないというプレッシャーをいつも以上に感じさせてしまい、申し訳なく思っています。
 2つ目は2日目の体調不良です。本来フル出場するべき私が、一軍戦当日に発熱し、出場しないというのはあってはならないことです。部長やK君にはオーダー面でもかなり負担をかけてしまい申し訳なかったです。

 さて、個人の反省が長くなりましたがここからはチームとしての一軍戦総括です。
 なぜこうまで阪大に勝てないのか?私は純粋に将棋に取り組む時間、ここ一番での実力発揮度の差だと思っています。阪大は部室があり、毎日でも部室で将棋を指すことができます。また30-60の部内リーグ戦その他「部活だけで強くなれる」環境が整っています。一方神大は部活できるのは火水だけ。活動時間が少ないため必然的に対局メインとなります。
 では、定跡研究などその他の部分はどうするか?残念ながら各自の取り組みに任せるしかありません。しかし、現状一部の部員は序盤もきっちり勉強できていますが、その他の部員は序盤に穴があることがあります。一軍戦に出場するレベルの人でもそういうことがあるのは問題でしょう。終盤力に自信があるというのは大変すばらしいのですが、全国でもトップクラスにレベルの高い関西のA級を戦う上で、序盤で形成を損ねるのは命取りになりかねません。そのあたりは各自意識しておいてください。(余談ですが、私は昔から終盤型と言われ続けて今に至ります。そんな私に序盤知識で負けてるようでは、よっぽどの長所がない限りこれから大会で活躍するのは難しいでしょう。)
 また、神大生は大会に出なさすぎます。この間朝日アマ関西予選に出場したのも神大は3人でした。ちなみに阪大は2桁出場しています。大会に出ることで実践的な時間の使い方、形勢が悪いとき相手にとって嫌らしい迫り方といったものが身に付きます。また、ここ一番での勝負強さは大会に出場することでしか身に付かないでしょう。今回の一軍戦で何名かは自覚したようですが、これからは部員みんなで大会に参加しましょう。

 私は理事として第2代表決定戦も観戦していましたが、阪大VS立命館は結果からはわからないほどの大熱戦でした。終盤の入り口では7局中5局ほど阪大の優勢という時間帯もあったように思います。この熱戦の裏には、阪大勢の用意周到な事前研究、さらに自分が勝つ!という強い気持ちがあったように思います(阪大の次期主将は、全国入賞経験のある相手に対して「自分が勝たなければチームは負け」と言って互角以上の戦いを演じていました。神大で立命館のエース格と対戦したときにこう思える選手がどれほどいるでしょうか・・・)
 もちろんこうした状況でも、実力を見せつけ勝ちきった立命館大学はさすがです。しかし、格上と思われる相手と戦う上で、阪大のこの姿勢は見習うべきものでしょう。


 長々と書いてしまいましたが一軍戦を終えて主将が思ったことです。最後になりましたがSさん、Yさんはおそらく最後になるであろう一軍戦お疲れ様でした。Sさんは厳しいあたりの連続、Yさんはオーダーの関係上出場機会が少なくなってしまい申し訳なかったです。一軍戦を一緒に戦うのは最後ですが、部活や他の大会、さらには学生選手権の団体戦などまたよろしくお願いします。
 以上で一軍戦の総括を終わります。読みにくい文章を長々と失礼しました。
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一軍戦 part1

2015-11-27 00:26:57 | hiro
 主将です。いろいろ忙しく、遅くなってしまいましたが一軍戦の振り返りです。総括は次回に回し、今回はオーダーに関わった立場として振り返ってみようと思います。

1日目 

1局目vs大阪大学
×名和ー高木
×奥田ー平尾
○山根ー玉柏
○池 -坪井
○皿田ー藤井
×平川ー田代
×橋本ー香月

 上記のとおり3-4負け。オーダーはまあまあ、期待値4-3かとか言ってただけにそれぞれショックも大きかったようです。


2局目vs京都大学
×横山ー草間
○名和ー林
×奥田ー杉野
×番匠ー西浦
○山根―宮越
○池 -河合
×皿田ー金谷

 またしても3-4負け。オーダーはほぼ完璧で、戦力差を相当埋められたと思うのですが・・・。2連敗スタートでさらに暗い雰囲気でした。

3局目vs立命館
×名和―星田
×奥田ー櫻井
○山根ー新貝
○池 ―銭本
○熊本ー山本
×皿田ー長森
×橋本ー阿部

 何と3連続の3-4負け。勝った人はいずれも実績で上回る難敵を倒しましたが後が続かず。オーダー的には部長も書いていた通り立命戦は少しオーダーの作り方を変えました。その結果の3-4は健闘したと思うべきか、惨敗と思うか・・・。意見の分かれるところでしょう。


2日目

4局目vs同志社
 手元にオーダーがなく、具体的なあたりは書けません・・・。ただ熊本ー村上以外はすべて勝ちの6-1でした。相手エース橋本氏を倒した奥田はさすがでした。また、一軍戦デビューの1、2回生もしっかり勝ってくれていてよかったと思います。
 なお、主将は体調不良のため休憩していました。すみません・・・。

5局目vs大阪経済法科大学

横山ー吉田
名和ー千種
藤井ー向
奥田ー山家
山根ー西口
池 -池辺
皿田ー高橋

 まさかの7-0勝ち。部長が試合前に「大経法は危ないから全力で!」といっていましたが、お互いの主力がぶつかる読み通りのオーダー。うまく力勝負に持ち込めました。オーダーをまともに考えられず、大部分を負担させてしまった部長には大変申し訳なかったです。しかし、こんな体調の主将を相手のエース級にぶつけるとは部長もひどいことをしてくれたものです(笑)


 以上チームは2勝3敗、総勝敗は22勝13敗でした。部長も彼なりの意見を述べていましたが、なぜ阪大に勝てないのか、僕も自分なりの考えを書こうと思います。

 時間も遅いので、続きはまた後日書きます。
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なぜこうも阪大に勝てないのか

2015-11-10 00:52:14 | IKE
ギャル棋だと思った?残念、真面目な更新でしたー!
昨日の一軍戦初日に少し思うところがあったので、結果報告がてらダラダラ述べたいと思います。長文です。

表題の通りです。なぜ神大は阪大に勝てないのか。
確か僕が入学して初の一軍戦で神大がA級復帰したので、以来ずっと争ってきた訳です。その間に多くの先輩方が卒業され、多くの後輩達を迎え、僕は3回生になりました。神大、阪大ともにメンバーを入れ換えながらも、互いのレギュラー陣の総合力は常に拮抗していました(と思う)。
競い合うこと二年半。対峙すること5回。

結果――0勝5敗。

失礼な言い方になるかもしれませんが、さすがにこのスコアは異常です。なにしろ神大はこの間に一度、リーグ2位の京大を下していますが、その時ですら3位の阪大に2-5で大敗。結果としてその黒星が響き、神大は京阪神三つ巴の勝ち数争いに敗れたのでした。
終わってみれば35局戦い13勝22敗。毎度毎度「今期こそ勝つ」と気炎を上げては信じられない負け方で敗北。万年4位の称号もいい加減、板についてきました。
これだけ負け癖が付くと、もう阪大には一生勝てないんじゃないか……そんな絶望すら脳裏に去来します。
でも今期、なぜ勝てなかったのか、その理由がなんとなく掴めた気がしました。
あとで話しますが、これはあくまで個人的な所感です。運と言ってしまえばそれまででしょう。このブログは神大勢も阪大勢も見てると思いますが、事実の真偽はともかく、そうかIKEはそんなこと思ってるのかー程度に軽く受け流して頂けると幸いです。

話の順序が乱れますが、ここで昨日の報告を。詳細はどうせ主将がまとめて書くだろうし、ここでは手短にいきます。

初戦、阪大に3-4。そろそろ勝たんとな~というムードだっただけに、戦後メンバーの表情はいつにも増して暗かった。
2戦目、京大に3-4。期待の1回生ナワ君が元奨を撃破する活躍を見せるも星が噛み合わず惜敗。
3戦目、立命に3-4。クマが誰一人予想だにしなかった大金星を挙げるも一歩及ばず惨敗。

結果は全て3-4という、これ以上ないほど後味の悪い初日でした。
個人としては3戦3勝でしたが、中には拾った勝利もあり内容も誉められたものではありません。これまで僕が戦犯だった時に全勝だった先輩や同期の気持ちが、やっとわかりました。勝負は指運、誰も責められはしない。責めるけど(笑)
さて、この3戦目、立命戦の直前のことです。189手の泥試合を終えたばかりで死に体の僕に、主将が次戦オーダーについての意見を求めてきました。
主将「どう思う?もう目つぶって○○君(←神大の4~5番手格の名前)で▲▲君(←立命の人。言うまでもなく鬼強い)を取りに行く位でないと、どの道勝てんと思うんやけど」
僕「ん…… おー、そやな~」←わかってない
そうしてオーダーは予想通りに当たり、まあ結果は及ばなかった訳ですが……今になってふと、このやり取りを思い出しました。どうもこの何気ない会話の中に長年の命題の答えが潜んでいるような気がしてならないのです。
『○○君で▲▲君を取りに行く位でないと勝てんやろ』
もしかすると、阪大と戦う時の我々には、この姿勢が欠けていたのではないかと。
立命や京大は元から保有する火力が違い過ぎるため、いかに上手いオーダーを組もうとある程度は各々が実力差をひっくり返さなければ勝てません。でも、阪大はほぼ互角。むしろ個人戦績は勝ってる位。そこにひっくり返さなければならない個人の実力差はなく、相性を加味して安全に4枚取るオーダー勝負ということになります。
でも……それが甘さに繋がっていたとしたら。各々の「自分が勝つ」という意識が阪大に比べてほんの僅かに劣っていたとしたら。
例えばの話、神大はオーダー交換すると真っ先に「分の良い当たりがいち、に、さん……4枚以上。順当にいけば勝てそう」とか考えます。阪大は、きっとそうじゃない。相性も過去の戦績も関係ない。何も言わなくても全員が「勝たなければいけない○○君」になれる。普段からそういうチーム作りをしている。
結果は明らかで、毎回、分の良い当たりだったはずの4枚の一角が崩壊して神大は敗れています。敗因は個々の油断でも、それを生むのはチームとしての地力の差。僕含め大会に出不精なメンバーが多いのも、勝負弱さの遠因になっているのかもしれません。

以上が僕の結論です。
とりあえず、まだ一軍戦は終わってません。来週は、全力で4位を取りに行きます。最初から7-0、7-0で完封する位のつもりでいかないと残留も危ういと思って、各々気を引き締めていきましょう。
お疲れ様でした。
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朝日アマ関西予選

2015-11-03 18:59:51 | NY

 

 こんばんは。一回生の名和です。朝日アマ関西予選に出場してきたので、その振り返りをしようと思います。

 今回の予選は、1勝通過2敗失格というものです。買っておいた昼食が無駄にならないように、なんとか予選は通過したいと思っていました。くじ引きの結果、予選1局目は、阪大のI田さんとの対局になりました。戦型は自分が先手で、相手の43戦法となり、打った5六角が働くかどうかが焦点となりました。

 そして上図をむかえました。ここで指した7六角が思ったよりも受けにくく、手ごたえを感じました。後手の駒組みに問題があったのかもしれません。以下は飛車を成り込み、玉の固さを生かして押し切りました。

 予選を抜けるとくじ引きで5つのグループに分かれ、トーナメントを行います。日々善行を積んだ甲斐あり、トーナメント一回戦はシードでした。そして二回戦ではK瀬さんとの対局になりました。自分が後手となり、戦型は相手の森下システムとなりました。

 

  先手が6八角と上がってから3筋の歩を交換したので、先後が入れ替わっています。ここで8四歩型を生かすために、9三桂とはねました。善悪はよくわかりませんが、後手としては満足だと思っていました。数手進み、右図のようになりました。ここから7七歩同桂7六歩となり、先手が受けにくい形になりました。先手はやや後手の攻めを呼び込み過ぎたようです。以下は何とか攻め切り、勝つことができました。

 三回戦では、Sさんとの対局となりました。これに勝つと2日目に残ることができます。自分が先手となり、再び相手の43戦法となりました。予選1局目と同じ戦型だと思って指していると、玉側の端歩を除き、上図の7六角の局面まで進んだのには、さすがに驚きました。予選1局目と同じように飛車を成り込み優位を築き、あとは着地だけとなって迎えた下図。

ここで5四歩なら同龍は7一銀以下詰みで、一手一手の寄りでした。 しかし実戦では手順前後で7一銀と指してしまい、6三玉で大事件の発生です。5四が抜けていることに全く気付いていませんでした。この後は、相手のミスにより、トン死で終局。図の局面でまだ五分ほど残していたので、しっかり考えるべきでした。ともあれ、2日目に残れたのでよかったです。

 2日目は準決勝から始まります。対戦相手は、O田さんでした。相手はアマ強豪であり、なんとかいい勝負に持ち込めたらと思い、対局に臨みました。自分が先手となり、戦型は相手の袖飛車風の向かい飛車となりました。先輩からそのような戦型になるかもしれないと言われていたのにもかかわらず、対策を何も考えていなかったことに後悔しても後の祭りでした。しょうがないので、玉頭は手堅く収め、久しぶりに棒銀を登板させることにしました。

ここで1五銀としましたが、その後この銀があまり働かず、形勢を損ねてしまいました。ここでは3四歩のほうがよかったです。同銀には2二歩があります。これならいい勝負だったと思います。そこから少し進んで右図となりました。直前に相手にミスがあり、形勢はほとんど互角になっています。ここで両取りに3一飛と打ちましたが、1二角が両取りを受けつつ先手玉をにらむ攻防の角となり、再び形勢を損ねてしまいました。序盤に時間を使いすぎたことがここにきて響いてしまいました。3一ではなく2二に飛車を下しておけば、1二角には2七飛成とできるので、先手も十分勝負になったと思います。また、6五歩から5五銀と駒を中央に使っていく手もあったと思います。どちらにせよ、1二角を味よく打たせてはダメな局面でした。以下は先手の攻めを切らされ、手堅くまとめられました。

 今回の大会を振り返ると、思ったより勝てたというのが正直な感想です。しかし、最後の対局には悔いが残ります。準備不足から時間が無くなり、チャンスを逃すという展開にしてしまったからです。準備をそれなりに行い、時間配分には気を付けなければならないことを痛感しました。

 今週の日曜日には、一軍戦があります。今のメンバーで団体戦を戦うのはおそらく最後になるので、しっかり準備して、団体としても、個人としてもいい結果になるよう頑張ろうと思います。

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