goo blog サービス終了のお知らせ 

旧・神戸大学将棋部ブログ

神戸大学将棋部のブログでしたが、goo blogサービス終了に伴いnoteに移行しました。

鼓動を鳴らせ(4年間振り返り)

2025-04-20 10:52:31 | やぎ
ご無沙汰しております、青柳です。新年度となってしまって久しい(初任給も出てしまった)ですが、書くと宣言したからには書かねばならぬ。ということで、今更ながら4年間を振り返ります。

長いようで短かった4年間でした。振り返るとやっぱり4年間楽しかった、やりきったという思いで胸がいっぱいになります。幸せ者ですね。
これも沢山の人の御助力のおかげです。感謝です。

さて、ここからは
①先輩方へ
②後輩へ
③蛇足(老婆心)
④蛇足その2(一軍戦記)
の4部建てでお送り致します。

①先輩方へ

大変お世話になりました。お陰様で思いもよらない経験をすることができ、コロナ禍もあったものの非常に充実した大学生活になりました。
勝手に目標にしていたのは、T氏、Y氏と続いていた終盤党の系譜を受け継ぐことでしたが、力及ばず。詰めチャレ6段で2年足踏みして、はや卒業とは…。詐欺師、ゴリラの後を継げる有望な後輩の出現を祈るばかりです。(今の主将がダウト攻めの覇者なので既に受け継がれているような気も…)
自分はなんか誤魔化して勝つのが精一杯でした。まぁ、一軍戦で勝つのが一番偉いですからね(?)

T和さんには、お酒との付き合い方を教えてもらいました。その節はS原さん、T居さんとともに大変なご迷惑をおかけしました。あとは詰めチャレ2000に乗って赤レートや!と喜んでいた私のもとに2500を見せてくれたことでしょうか。人間がここまでいけるのなら自分もまだまだやれるはずだという思いで、それからの3年間終盤力の強化に励むことができました。(もっと序中盤に手をかければ良かった気も…)
結果、入部時からは詰めチャレのレートを400程度伸ばせました。が、2300止まり…。残念。
やっぱり2500は人力tasだったんですね。

入部当時の4回生にはとてもお世話になりました。一軍戦への熱量、将棋への向き合い方、何だかんだ居心地のいい部活…。某終盤ゴリラの方には限界旅行の心得を度々教えてもらったり、格安宿マップをもらったり。N本さんには法的三段論法についても教わったり(お陰で無事に卒業できました)、棋書や教科書を譲ってもらったり。K谷さんには三間飛車でボコボコにしばいて頂くとともに将来を心配して頂きました。後述のN織さんと氏の2人だけが戦法をまともなものにした方がいいよと口を酸っぱくして忠告してくれました。心優しき三間飛車党。今となっては、聞き入れておけばよかったと反省しています(後述)。

一番長い付き合いとなった1つ上の先輩方には本当にもう…お世話になったというか迷惑をかけたというか…。ほんとにありがとうございました。
須らく大変お世話になりましたが、特に言及するとなれば、やはりN織さんでしょう。が、氏との思い出を綴るには余白も時間も少なすぎますので簡潔に。何だかんだ一番お世話になりました。よく部と未熟な私を導いて下さりました。部の方向性について議論したこと、雑にオケオールしたこと、ひたすら将棋でしばかれ、逃げ回ったこと…全てが私の財産です。良き4年間だったと振り返られるのは、少なからず貴方のお陰です。本当にありがとうございました。またご飯連れてって下さい。


後輩へ
頼りない主将でしたが、お付き合い頂きありがとうございました。みんなとともに最後にA級で2期も戦えたこと、そして残留できたことは大きな誇りです。どうかこれからも神戸大学将棋部が広く門戸を開き、棋力に関係なく、すべての部員にとって居心地の良い場所でありますように…。

今は2年生となっておられる方々におかれましては、前田くんがキャラ濃すぎて噛めば噛むほど味がするSくんの発掘が遅れてしまったことだけが心残りです。
佐藤君には是非部員日記書いて欲しい。期待。
他の皆も一番将棋に打ち込める時期だと思うので、のんびり、されど着実に力をつけて行って欲しい。

3回生となられる方々は…まぁ言うこと無いかな。安心感がある。強いて言うとすれば、細々と部活に顔を出して欲しいし、是非幹部全員レギュラーの座を掴んで欲しい。
広報、幹事。特に君達の勇姿が見たいぞ。

今期4回生となられる皆は、是非有終の美を飾って欲しい。学業、進路…大変だと思うけどぼちぼち進めていってね。くれぐれも健康第一。間違っても胃腸炎で入社式をキャンセルするようなことは無いように。最後の一軍戦は何とかして見に行くので、秋はスーパールーキーなんて入る余地が無い程の老人の力を是非見せつけて欲しい。

願ってばかりになってしまった…。まぁ伊勢神宮に投げ銭しといたからセーフやな(?)

N森へ
4年間何かにつけて振り回したけどよく付き合ってくれたこととか、切磋琢磨して棋力を伸ばしてきたこととか、序盤を外注したこととか、一軍戦で苦楽を共にしてきたこととか…。思い出を語りだしたらいくらでも書けるやろうけども、ここでは1つだけ。

ちゃんと卒業しろよ!!!
もう1年頑張って!



③蛇足(老婆心)
ここからは一軍戦指してて思ったこととか後輩に伝えきれなかった気がする由無し事を書き綴ります。あくまで私の主観ですし、ただの感想です。ただ、こんな棋力でも一軍戦に出れるよってこととその中でこんな事考えてたよってことは残しておいた方がいいと思った次第です。
さて、私の棋力です。
入部時:ウォーズ10切れ・10秒二段、3切れ三段、クエスト2切れ四段、詰めチャレ1900
卒業時:ウォーズ10切れ三段、3切れ・10秒四段、クエスト2切れ五段、詰めチャレ2300


嬉野流(奇襲戦法)の光と影
まずは影から。
上記の棋力を見れば分かるように、ある程度で頭打ちになる可能性が高いです。ある意味では奇襲戦法を指すことの宿命です。自分の土俵に引きずり込んで戦うということは即ち、地力や応用力といった将棋を指す上で骨子となる力が身につかない(蓋然性が高い)ことを意味します。そもそも奇襲戦法は地力があって終盤勝負にしたい人が序盤を模索した末に、或いは切れるカードの1つして持つものであって、メインにすべきものでは無いです。
また、戦法それ自体に無理があることも多く、評価値を気にしながらもそれを無視して実践的な手を積み重ねる、不利を承知で勝負に出る、戦型によっては何も出来ない中で粘り続けるしかない等の不利益を被る可能性を呑む必要があります。特に30-60という長い持ち時間の将棋では。 
さらにいえば、力戦らしく他では見たことのない形になりやすい(これはメリット)故に、手筋本や次の一手、終盤の寄せ、凌ぎを勉強しても生きない展開になりやすいです。

では、光とは?
勝てます。一芸に特化したようなもんですし。想像の倍勝てると思って下さい。但し、倍止まりです。他の戦法が棋力の向上とともに比例的、指数関数的に勝てる見込みが上がっていくとしても、奇襲戦法は想像の倍で頭打ちです。
あとは楽しいです。序盤から神経使いますが、使うだけの価値はあります。細い攻めをつなげる、不利な局面を粘り続けて綾を求める、1手勝ち1手負けの局面で攻防手を探す、詰みそうで詰まない玉さばき…。王道の戦法では(相手の対応が外れないことが多いために)本来はもっと力をつけてからでないと経験できないような戦型、終盤勝負が早い段階から経験できるのは将棋を続ける上でも大きなモチベーションになり得ます。

なお、この辺りのお話は京大将棋部ブログのこれが詳しいです。

結論
本気で将棋を極めるとか、20,30年の長いスパンで将棋と向き合っていくための礎をつくりたいとかでないのなら戦法は自由でいいと思います。ただ、いきなり奇襲戦法だけに注力するよりは、並行してその奇襲戦法の天敵(嬉野流なら三間飛車とか)の練習もしていく方が望ましいかと。まぁ個人の自由ですが。
とはいえ、奇襲戦法であってもある程度までいくと序盤もしっかり考えて構築していかないと行けないし、求められる終盤力は天井知らずだし、攻め合い1手勝ちも、鬼の粘りも、抑え込みも出来るようにならないと勝負できなくなってくるし…。そこまで楽して勝てるものでも無いです。残念…。


序盤、中盤、終盤のはなし
私は終盤最優先でした。理由は、格上相手でも見落としなどで混戦になれば千載一遇のチャンスが来うる訳で、そのときに確実に勝てるように、勝てる確率を上げたかったから。あとはどうしても序盤を覚えられなかったという悲しい裏事情も。
終盤→序盤で将棋の形を作ってから先の長い中盤力を強化していくのがいいんじゃないかと個人的には思います。


時間の使い方が下手でも大丈夫
私ですね。基本自分の時間が先に切れて秒読みに入るし、10分以上差をつけられることもしばしばでした。が、それでたちどころに不利になる…という訳でもないです。時間差があると、時間を残している相手側はその分考えることが増えます。今ある優位(持ち時間の差)を手放してまで深く読むべきか、時間攻めをすべきか、時間が残っているうちに仕掛けるべきか…。ここで想定外があったり、時間攻めを意識している中でこちらが上手く切り返せたりすると相手は焦ることになります(よね?多分)。そもそもこちらが先に秒読みに突入してしまえば、あと使われるのはほとんどが相手の持ち時間になりますから。
勿論、時間を残して難解な局面、決めきるべき局面に注ぎ込めた方がいいんですがね…。ただ、時間を意識するあまり序中盤の難所で落手を指してしまうのが1番辛いので、時間差がついてしまうことをそんなに気にしなくてもいいよっていうことです。


④蛇足その2(一軍戦記)
一軍戦を軸に4年間を振り返ります。

1年
秋 個人1-2 A級6位、降級

コロナの影響で一軍戦は秋のみの開催。新人戦は予選オンライン+フィッシャールールだったので1局時間切らして勝ち、予選2連勝でベスト16。個人戦は戦法を明らかにするのもなぁ…と思い、不出場。

初の一軍戦は厳しかったですね。
対居飛車に絞って特訓して(N本さんその節はありがとうございました)なんとか仕上げた嬉野流がどこまで通用するのか。
初日の京大、原氏では2日目に備えて嬉野流を指すなと某織先輩に限定されたので、角換わり右玉とかして攻め潰された覚えが。
2日目は関大戦、西川氏では銀角交換で駒得するも勢い突いとけで突いた歩を全部回収されて拠点にされ、攻め手がなくなりジリ貧に。仕方がないので78金68金79玉と固めてから76歩と自玉頭から反発して粘り勝つもチーム3-4負け。
最終戦は近大、平野氏。居飛車党と聞いていたのに蓋を開けてみれば見事な三間飛車。完敗。後で聞くと、嬉野流相手には三間飛車をするとのこと。うーん…。チームも3-4負け。途中4-3の目があったらしい(?)

ここから長く続くB級戦記が始まるんですな

2年
春 個人4-1(不戦勝2)、B級2位、入替戦負け
秋 個人2-1、B級4位

春個人は金尾さんに吹っ飛ばされたし、秋は近大の中村君にタコ負けした覚えが。

春一軍戦は期待のルーキーが多数入部したため、彼らを馬車馬のように起用するという戦略(?)。覇気で龍谷大に勝つなど、順調だったものの勝てば優勝の一番で公立大に3-4負け。戦犯は私です。石は投げないで下さい。相居飛車から優勢になるも桂頭攻めから速度を逆転され負け。角のラインを早めに止めておくべきでした。そんなこんなで2位となり、入替戦へ。相手は同志社。格上が3枚と大中氏がいたため、格上3枚の中から1枚抜くのが至上命題でしたが…。そこは仕事人青柳。公立大での汚名をすすがんと格上の一角井上氏相手に秘術を尽くして逆転、詰みに討ち取り、最速の勝ち名乗り。が、後続続かず…。悪夢の3-4負けで来期もB級に。

秋は私が悪いです。さすがに石を投げてもらっても大丈夫です。初日に体調崩して遅刻した挙げ句、勝負どころの和歌山戦で勝負あたりを落としたの本当に申し訳無い。が、実力差で負けたので何とも言えない。しかし汚名をすすぐことには定評のある青柳。2日目の大一番、勝てば入替戦に望みのつながる龍谷大戦では格上の宮下氏相手に勝利し、援護を待つ。が、無援護。2-5負けでA級復帰の夢はまたしても絶たれることに…。しかし袖飛車対嬉野流になったの面白かったし、外注した序盤が生きたので同期だったN森に足向けて寝られんね。感謝。


3年 
春 個人2-3(不戦勝1)、B級2位、入替戦負け
秋 個人2-1、B級優勝、A級昇格

個人戦は秋は大西透君に勝てて嬉しかったですね。終盤戦〜次の試合直前までギャラリーの人や京大の人にボロクソ言われてたので普通にキツかったですが。頼むから本人おらんとこでやってくれ。
で、春は記憶に無いなぁと思ったら初戦で公立大の王道戦法使いを自称する塚本君に嬉野流読まれてるやろな…せや!という精神で袖飛車をした挙句一方的に殴られるという悲しい結果に終わってました。

一軍戦春はさらに新戦力、バーサーカー福井コンビをお迎え。さすがにA級上がりたかった。が、勝負どころの同志社に勝負どころ全部取られて負け。私は大中氏相手に奮戦するも地力が違いすぎて一瞬で捲られてしまいました。映す価値なし。ということで、入替戦には不出場で皆さんを見守っていましたが…N森の大きな1勝はあったものの3-4負け。皆奮闘していましたが、やはりアベレージ軍団神戸ではオーダーで刺せない入替戦は分が悪かった…。
そこで、秋は優勝ただ1つを狙いに行こうということに。

秋は…優勝できました!!やっとA級帰れるぞ!!
私はというと、桃山学院戦で完敗。勝負に臨む気力が無くなってしまい、優勝がかかる最終局の関大戦を先輩に投げよう任せようとしていたところ、NOと言わない男N森が記憶に残る限りでは唯一と言えるほど強硬に私の出場を主張。その結果出場が決まったものの、誰が来ても勝てる気がしなかったので格上を引け!格上を引け!!と祈っていたところ、1番の格上、上田さんを引けて満足。これで負けても怒られない…。
あとは力を出し切るだけ、とばかりに無心で戦っていると…まさかの勝利。望外。ありがとうN森。怪しい垂れ歩や嘘みたいな受け、成立しなさそうな歩突きなど嘘を通し続けた結果なので、これもある意味集大成。

N織さん達の引退に華を添えられたし…。ま、終わりよければ全てよしということで。


4年
春 個人1-2、A級6位、入替戦勝ち
秋 個人2-5、A級5位

個人戦は春は就活に追われて不出場、秋は同志社のルーキーに吹っ飛ばされて初戦敗退。私らしい最後に。

一軍戦春は新鋭S君の活躍も大きく、京都、関大を破り最下位を回避。入替戦へ。入替戦でも盤石に勝ち、A級残留。私は何もしていない。公務員試験と民間の最終面接など就活ダダ被りだったのでほとんど将棋を指せていなかったし、初日は就活のイベントと被ったし…。2日目のみ出して頂くも、関大戦では終盤怪しくするも2択を外し負け、阪大戦は居飛車の税金を払い忘れ負け。最後の近大戦で勝ちきれて本当に良かった。

秋は…まぁ、やりきったとだけ。心置き無く引退できました。













よし…なんとか書けた…。社会人時間なさすぎて、加筆修正終わらんかった。

卒業したのに投稿するのはさすがに老害すぎるし、どうしようかと思ってたら丁度ブログも移転するみたいなのでしれっとこちらに置いておきます。

ここまで見てくれてありがとうございました。また会う日があればどうぞ宜しく。それでは。



力戦奮闘(24秋一軍戦振り返り・後半)

2025-01-09 02:59:12 | やぎ
1勝3敗に終わった初日の反省から、絶対に角道を開けないことを決意。そして、対居飛車の序中盤の精査に注力。
一軍戦初日までは対振り飛車を入念に準備していたが、初日使えなかったことでそれは一旦脇に置いておくことに。
どうなる、一軍戦二日目。



2日目。会場は大経大。素晴らしい立地により、家から2時間弱で無事に到着。そんなに素晴らしく無かった。
直前での日程変更などハプニングもあったが、0回戦は勝ち。



5回戦 大阪経済大学 山田氏

去年ぶり2度目の対局。戦型は嬉野流対中飛車になるも、相手が強すぎて将棋にならず。瞬殺された。去年も見たな。


投了図

朝から悪夢のような現実がそこに待っていた。
が、これで引退する訳にはいかないので、気合を入れ直した。



6回戦 近畿大学 朝倉氏

朝倉氏とはここまで2度対戦し、2敗。当たる可能性のある中では一番指しづらい相手であり、
その状況で一番の勝負当たりになるのも勘弁してほしいところだった。主将...どうして...

朝倉氏は序盤中盤終盤総じてレベルが高くまとまっている印象で、優位を築かれたまま終盤に入ってしまうと、逆転を起こすのは至難の業(2敗)。しかし、氏は手堅く指すことも切れ味鋭く1手勝ちを狙うこともできるが故に、中盤の終わり〜終盤の入り口の手の広い局面で勝負できれば、氏の視野の広さ、読みの深さ故に奈落に引きずり込むことも可能ではないか、可能であってくれと考えていた。

そして、対局開始と同時に新たな相棒、 Monster Energy 君を好位置に据え、対局開始。

私の後手番で、戦型は鳥刺し対ノーマル四間飛車に。速攻を目指すも、悪形に見えるが最善の手を指され、一気に知らない局面に。
そこで長考に沈むとともに、カフェインの摂取による生理作用のため、持ち時間を使い切るギリギリで離席。

その局面が下図。



仕掛けは失敗気味だったが、捌き合いから抑え込みに方針を転換してまずまず指せていた(と信じたい)。
ここでは相手の飛角を抑え込むために65歩と伸ばすか65銀と出るか考えていた。
65銀は指した後の継続手が見えなかったが、65歩なら、66歩と伸ばす手や飛車の転換、右桂の活用など、指したい手が盛り沢山だったこと、どちらにせよ相手の応手が読み切れなかったことで65歩を選択。

着席から流れるように着手。

そこでのお相手の応手が...



55銀打!

単純ながら厳しい一着で、将棋が終わる音がした。なぜ勝負どころで離席してしまうんだい。
というかほぼノータイムで着手されたので勝負所でもなかったかもしれない。

65歩には代えて65銀(最善手)とすべきで、56銀からの抑え込みや、中央を抑えたことに満足して52金右などで陣形整備に行く手を見せて互角ながら居飛車満足の展開だったように思う。お相手がその展開を嫌うなら55角と出る手があるが、それには54銀と引き、千日手を見せておいて後手番の居飛車としては不満のない展開だったようだ。

本譜の55銀には取るしかなく(65の歩を取られるとまとめきれない)、そこで同角と出られ、抑え込み失敗が明白に。以下、銀角交換で駒得にはなるものの、飛車交換を強要され、陣形差から自信の持てない展開になってしまった。
実際、飛車交換の時点で1000点弱相手に振れる形勢だったようだ。



飛車交換のあと飛車を先着せずにノータイムで55同歩と銀を取ってくれたので、あやをつけるターンが来たと考え、勝負手連発フェイズに突入。

手始めに45角と打つ。敵陣の金を睨みつつ自陣の桂馬に紐をつけ、さらに玉頭をも睨んでおり、すこぶる攻防に効いていそうである。なお実際のところは不明

そこで79歩打と歩を使って受けてくれたので、さらに69飛車打と畳みかける。自陣の62の金に紐をつけつつ2枚替えや、駒が入ると48、39への打ち込みから頓死を狙うという意思表示。

そこでさらに68歩打と徹底して受けに回られた。飛車を捕まえられれば相手としては明快に勝ちにできるからであろうか。

そこで46角と飛び出し、82への飛車の打ち込みを防ぐとともに将来的なコビン攻めを見せる。自陣でニートしていた角が働き出しており、居飛車としては勝負が通った感があり、元気が出る展開に。

以下、2枚替えにも成功し、ペースを握れたと思った局面が下図。



お相手に見落としがあったようで、ここから数手で急転直下勝ちに。局面も模様良くなってた(評価値も互角まで戻っていた)ので良し。ちなみにこのあとは銀を自陣に引きつけるように指しつつ攻め合って1手勝ちが狙えるらしい。なるほど…。

チームも4-3で勝ち。勝利打点をあげられて良かった。多分初の勝利打点。しかし、皆すごいし、同期(?)の安定感えぐい。すごい。来年も居るなら神戸も安泰なのに…。



7回戦 大阪大学 上子氏

勝った方が第二代表決定戦に進出できる大一番。
これを最終戦にするかどうかは自分たち次第だと、主将決意のオーダー。
阪大は主力を複数名欠いているとの事前情報もあり、こちらの言い分が通った形に。
結果、両校に4-3勝ちの目がある当たりになった。主将、さすがです

いざ、決戦。

Q. 負ければ引退試合となるこの一戦のお相手は...?

A. エースの一角、上子氏これはダイソン。圧倒的吸引力。厳しいって。

上子氏はめちゃくちゃ強いとだけ弊部の血気盛んな福井コンビから聞いていたが、一軍戦初日の結果を見ると想像以上に強すぎたので、逆に気持ちがフラットになり、これが引退試合だし、悔いの残らない将棋にしようとだけ考えた。勝とうとは考えられなかった。これが敗因の1つなのかもしれない。

...もう結果は見えてるけど、もうちょっとだけ続きます。

私の後手番で、戦型は鳥刺し対三間飛車に。
後手番であること、早い仕掛けが成立しにくい形であったこと、そもそも自分に攻めのセンスが皆無であることから、細い攻めを通す展開にはしたくなかった。何故この戦法を使っているのか。そこで事前の用意をかなぐり捨て、ほとんど試さなかった変化へ。

こちらの争点を作る動きに最も強く反発してきたため、さらに反発。盤面の半分が焦土になりそうな展開で自信はなかったが、千日手になりそうな筋を見つけたので、そちらに誘導。厳密には千日手成立するかは微妙だと対局時は考えていたが、千日手を拒否するなら大決戦をして、中盤を飛ばして最速で終盤へ行くしか無い状況であるため、千日手に乗ってくるのではと思っていた。

そして無事千日手に。ここまで43手。消費時間20分弱。



時間差は3分ほど、双方10分少々の所から先手番で対局開始。

戦型はまたも鳥刺し対三間飛車に。知ってた。
1手速い分、3筋の突き捨てが通り、歩を手持ちにした上で既視感のある形に合流。



2度目の千日手を狙った。具体的には、お相手が△54銀と位を支えに来てくれれば、▲24歩の突き捨てを入れ、飛車を5筋に回り、飛車のにらめっこをしようという構想。

千日手にしたかった。心の底から2度目の千日手による引き分けを願っていた。しかし、願いは届かなかった。

...祈りが足りなかったのだろう。

相手は振り飛車らしく5筋を軽くし、こちらは中央に拠点と厚みを築きにかかる。そして双方銀を引き、陣形をまとめにかかり、第2ラウンドへ。



ここから、▲54歩△55歩打▲26飛△33銀引▲46歩と華々しい空中戦へ。

数手進み、下図。



お相手の54飛に対して、65銀で両取り!と銀を繰り出すも、普通に53角と引かれて失敗。1手先も読めないのか...。

そこから手順に飛車をぶつけられるも、交換を断固拒否して、居飛車の抑え込みvs振り飛車の捌きの構図に。

抑え込みは一つのミスが命取りになる戦型であるにもかかわらず、私は絶対に勝負所で間違える残念な棋力の持ち主なので、実戦で、それも勝負の一番でやりたくは無く、模様は良くとも自信の持てない展開になってしまった。

そして下図。



角の成りこみを見せられており、丁寧に受けるか、攻めあうかで方針が分かれる場面。
ここから、▲24歩△同歩を入れてから▲57銀と引き、間違いが起こらないように丁寧に進めた。
以下、△52飛▲66銀△31角▲44歩と進め、△32金を強要。この辺りまで、我ながら上手く指せてるなと思っていた。

そして、▲24同角と歩切れを解消しながら角を世に出したところで、お相手の64歩。



ここではこちらが800点ほどよく、76銀と一旦銀を引き、46角から55の歩を狙いじっくりと指していけばよかったようだ。しかし、ここでは既に秒読みに入っていた私。持ち時間10分少々じゃ足りなかった...

何を血迷ったのか、53歩!? 

読み筋では、飛車で取ると64銀と歩を回収しながら銀が出れてよし。角で取ると...銀が54に出れると思っていたんでしょうか。
...どちらにせよ出れないですね。勿論1500点ほど溶かす大悪手で、将棋を終わらせる1手でして、同飛車とされた瞬間に気づきました。

64銀には23飛で華麗に銀角両取りがかかるやん!! 
将棋終わってまうがな!!!

...それでも。

まだ、投げるわけには、タダで転んでやる訳には行かなかった。この阪大戦は良くて4-3の目があるが、自分以外の勝負どころ4つを全て取り切るのが前提。そんな虫のいい話を信じるのは勝負が完全についてからでいい。

ということで、33歩成として誤魔化しにかかります。望外なことに最善だったようで、+800から1000点ほど溶かしたものの、まだ将棋の範疇に、互角~微不利にとどめることができました。しかし、以下、△同飛車▲同角成△同桂▲76銀と進み、抑え込み失敗が明白に。圧倒的な実力差のもと、死んでいた飛車と要の角を交換。

後の結果は火を見るよりも明らかですよね。

それでも。

オーダーで刺して、そして端で勝ち続けてA級残留を決めてくれた主将、めちゃくちゃ強くなった同期、将棋でも運営でも頼りになる後輩たちのおかげで、最後の最後に、第二代表進出をかけた大一番を戦えているわけです。

そりゃあ勝負を諦められるはずがなく。絶対に楽には勝たせてやらん、その一心で指し続けました。

そして殆ど一直線に進み、最初の勝負所を迎えます。



ここでは26飛車とまわり、27の角の働きを弱めつつ、4筋に歩が利かない形にすれば不利ながらまだ戦えたようです。本譜は素直に▲45桂△同角成▲同飛車△同桂と進み、目標にされそうな飛車を捌けたと無理やり主張し、自玉を要塞化して徹底抗戦の構え。対局中はじりじりと離されていく展開で厳しいと感じていましたが、実際のところは丁寧に辛抱できていたようで...

そして、千載一遇のチャンスが転がり込みます。秒読みの中、お相手にミスがあり、45の桂馬を拾えたところ。ここでは34飛車打!



があり、指せていれば1000点ほど先手に振れる形勢だったようです。34飛車打には同飛車しかなく、そこで同角と取ると、なんと角が61の金をにらむ形となり、攻守が入れ替わるのです。相手は4、5筋に歩が利かない形ですし、合い駒するのも金をかわすのも冴えない。こうなると自玉を要塞化していた甲斐もあり、居飛車が攻め合い勝ちを見込めそうで、指しやすかったでしょう。

しかし、本譜ではこんなお洒落な手は1mmも見えず、56角~58桂打と専守防衛へ舵を切り、局面を分かりやすくしてしまいました。

そして最後の勝負所がやってきます。



一手の猶予があるとみて銀を取りに行ったところ、角取りをかけられて泡を吹いているこの局面。一手先も読めてないやないか。

ここでも34飛車と打ち、死にかけの角に最後の働きをさせるのが急所でした。同龍と取ると龍を消されるだけでなく、角が先程と同じく、61の金に効いてくるので取れないし、角の方を払っても32飛車成とした形が角取りや63銀の打ち込みを見ており、一気に一手勝ちor一手負けコースとなり、難解な終盤になります。そして△56歩▲32飛車成に手を戻すと▲56同桂と桂馬も跳ねだせる展開になるため、正確に指されれば余されているでしょうが、実戦的には相当な勝負にできそうで、粘り甲斐が出てきます。

ので、最善は42龍と引き、金に紐をつける手ですが、ここで45角と出る手が成立します。同龍とすると32の金をとりつつ龍をつくれてもう一勝負、角を取らずに飛車の方を相手するとそこで72角成と切り飛ばして守備駒を1枚はがせるので実戦的には相当難しくできそうです。

しかし、勿論そんな勝負手が見えるはずもなく。既に非勢を意識しており、また秒読みで全く手が見えずに指したのは、45飛車打。似て非なるもので、坂道を転がり落ちるように敗勢に。

それでも粘り続けて迎えた最終盤。最後の勝負手、16角打。



攻防に効いていていることを祈って指したこの手が最善だったようで、瀬戸際で踏みとどまっている形勢(-900点)に。とはいえ、ここまでくると相当な指しづらさを感じていました。

角打ちに対して本譜は52歩と受けられ、頭が真っ白に。手堅い。

しかし、44の銀の活用、32の香車の遮断、68の桂馬の活用などを残しており、16角は確かに攻めに効いていました。

では、防御ではどう指すのか。

答えは、49金寄!



勿論上図の局面で即金を寄る訳ではないですが、攻め合いの中、どこかで49金とすれば、角の紐をつけながら再度手番が握れ、さらに玉の懐も広げられる非常に価値の高い一手となります。

ただでさえ薄い玉から金駒を遠ざけるのは味が悪そうで自分には指せませんでしたが、16角と打ったからには当然の一手だったようで、感想戦で上子君からも指摘されました。なるほど、見えてる世界が違ったんですな。

本譜では、攻防ともに手が見えず、とりあえず玉形を引き締めようと、69金と寄せたのが(直接の)敗着となりました。当然の88銀の手裏剣が痛すぎて、以下あやをつけようとするも全く届かず。完敗。結局相手玉に手はつきませんでした。

結果、167手で投了。千日手と併せると210手。たくさん指しました。えらい。



この将棋を指している最中はただただ楽しかったです。指したかった戦型で、途中まで夢も見れて、実力差から劣勢になってはいるが、まだ指せている。これから阪大を引っ張っていくであろう強豪相手に自分の主張を通した上で将棋になっている。角道も開けられない、実力も足りない、でも3年ぶりの関西A級で、第二代表への挑戦権を賭けた最終局で、チームの(一応)レギュラーとして、戦えている。何も分からん局面で60秒考えて必死に手を捻り出している間、本当に楽しかったです。負けが見えてからも満足感とやりきったという思いだけが残りました。

ちなみに今は悔しいです。ほんと勝負弱くて申し訳ない。

そしてチームも3-4負け...。あんなに頑張っていた主将が勝負どころで負けての敗戦。
自分に実力があれば彼に背負わせることもなかったと考えると本当に申し訳無い。戦型が上手く噛み合ってしまったのでチャンスはありました。それこそ自分は格上に一発入れるしか能がないんだから、何が何でも勝ちを掴み取るべきでした。悔しさからか、棋譜に起こしたあとは1度も振り返られていません。今回振り返りを書くにあたってやっと、一月半ぶりに棋譜を見たし、初めて解析にかけた位です。



何はともあれ、最後に貴重な経験ができて本当に楽しかったです。
これもひとえに神戸大学将棋部の、お世話になった先輩方、何かと振り回した同期、とても頼りになる後輩たちのおかげです。

ありがとうございました。
















これは全くの余談ですが、阪大戦の対局中は3-3で自分が最後に残っていることには全く気がつきませんでした。そんなに囲まれなかったし。…実力差と局面見れば一目瞭然だったからかな。






これは本当の本当に余談なんですが、阪大側のTwitter実況に、根性でつくり上げた自陣を要塞と書いてもらえて嬉しかったです。(そのため、本稿でも要塞という呼称を採用しています笑)





4年間お世話になりました。機会があれば、四年間の振り返りもしようと思います。



それでは。

晩節 (24秋一軍戦振り返り・前半)

2025-01-01 01:56:49 | やぎ
汚すような立派な戦歴をしていないから、どう転んでも有終の美を飾れるという暴論を引っ提げて挑む、
最後(じゃなかったら大事件)の団体戦。大会1週間前に飛び込んできたビッグニュース、
〜嶋田、大会来れないってよ〜。部内に走る激震。そして………



ーーー 一軍戦が、来る ーーー



こんばんは。いつの間にか卒業と社会進出が間近に迫っている、4年の青柳です。
最後の一軍戦に(何故か)7局も出場することができたので、真面目に振り返ろうと思います。
非常に長くなってしまっていますが、全局とも、必要に迫られるまでは角道は開けていないのでご安心ください。

初日。会場は龍谷大学。同じ関西なのに片道3時間は固い、謎の場所。0回戦負けは全力で回避するも、
想定よりも到着がギリギリになり、同期(広義)のNから心配されてしまった。
反省。

1回戦 龍谷大学 荒瀬氏
主将から格上に当てるから覚悟の準備をしておけと厳命されていたので、覚悟していたつもりでしたが、
まさか初戦からえらいとこ来たなというのが正直な感想。とはいえ、やることは変わらないので、いつも通り頑張ります。


 
本局の敗着


私の後手番で嬉野流対雁木になり、攻めどころが見えない(いつも通り)ので、
天王山を取りにフラフラと角道を開けてみたら、一瞬で飛車損になりました。

な…何を言ってるのか分からねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…。

時間かけて何を読んでいたんでしょうか。映す価値は無いので、以下ダイジェストでお送りします。



33桂 疑問手


 
45銀 悪手


 
56歩打 悪手


以下、45歩(銀損)、同桂、56銀右、57歩、48金、56飛車(飛銀交換)、同銀、同角と進み、
なすすべなく負け。駒損も玉形差も大差であり、非常にしばかれがいがありました。

チームも中森、田中のみ勝ちで2-5負け。同期(?)と主将の安定感えぐい。
前主将はこの有様だというのに…。いつも通りですね。

荒瀬君はとてもいい人で、感想戦で非常に気を使ってくれました。本局からの分岐局面にて、こうなると
ちょっと難しくなってる、流れはおかしくなってると言ってくれたんですが、その局面は2000点弱(敗勢)
ありました。流れでどうこう出来る数値ではないですね。その前が3000点超えてる(ド必敗)ので確かにそう
言い換えることはできますが。…なるほど。徳が高いですね。



2回戦 京都大学 南波氏
えらいとこ引いたな(2戦連続2度目)。頑張りがいがあるなぁ…。

私の後手番で嬉野流対居飛車急戦調に。



敗着。なぜ角道を開けてしまったのか。


急戦も持久戦も見せられながら隙なく駒組みされて手が見えず。さっきもこの流れみたな
天王山を取り、模様を張って対応しようとしたら、構想、指し手、戦法全てに対して、そんなん成立しますのん?
と京(みやこ)らしく、はんなりと問われ、い、いや…できる…と思っているんですけど…と半泣きで頑張り続けた
結果、訳がわからない大模様(下図)を張ることに。




早めにごめんなさいしておくべきでした。それでも手をひねり出し続けて下図。




ここでの74銀が最初の悪手らしく、ここまで悪手疑問手はない(?)というのは、とても頑張ったといえるのでは
ないでしょうか。とはいえ、この局面の前に相手から仕掛ける筋があり、それを受けきれる気はしませんでしたが。




そしてここからは一転、悪手疑問手のオンパレードに。どうして。

最初の悪手から数手進んで下図。おそらく珍しい南波君の明確な疑問手、76銀。


疑問手 


ここでは、いろいろな手が考えられるところです。そこで私が選択したのが、下図。


悪手


疑問手に悪手を返して将棋が終わりました。何をしているのか。
76銀には58歩に代えて48銀と打ち込み、無理やり飛車の成り込みを図るのが均衡を保つ唯一の手段だったようです。
飛車が使えなくなるとジリ貧になりますからね。本譜みたいに。

以下、手を尽くすも南波君の中住まいが遠く、敗勢になり、下図。


2000点ほど悪い


ここが最後の勝負所で、死力を尽くすなら24玉などで入玉を狙うべきでした。桂馬二枚では入玉を止めるのが
難しい(はず)ですし、110手を超え、秒読みの中で中段玉を正確に寄せ切るのは如何に南波君といえども簡単
ではない…はずです。多分。おそらく。…きっと。

しかし、本譜は手が見えずに中途半端に攻め合いを選択した結果、36桂を先着され、入玉の望みを絶たれ、
万事休す。負け。

そして、チームも0-7負け。春の借りを何倍にもして返されてしまいました。利息は要らないと言っていたんですけどね…。



3回戦 立命館大学 南出氏
なんと、初日不在のメンバーが複数人いたため、出ざるを得ない状況に。3度目の一軍戦A級での立命館戦へ。

私の先手番で相居飛車(3戦連続3度目)となり、嬉野流対ゆったり構える中住まいに。急戦の態度を保留しながら
着々と陣形を整備され、じっくりと待たれたため、陣形が薄く、動くしか無い嬉野流から手を作ることに。
そこで、取れる歩を全部いただき、歩得対手得の対決の構図に。



よくばりな飛車君だね



この辺りまでしか記憶にない


しかし、歩得はしたものの手の作り方が難しく、決戦をひよって陣形整備をしてたらそんなん成立しますのん?(さっきも見た)
と咎められ、完敗。中盤の構想がまずく、またお相手の攻め方が上手過ぎて、いつの間にかと金つくられてました。
将棋、難しい。


投了図。あまりにも完敗


チームも0-7負け。途中弟子のKが特大のジャイアント・キリングを起こしかけるも大頓死したらしいので、
詳しくは彼の振り返り記事を見てみましょう。美味しいチャーハンが作れるようになるらしいですよ(?)



4回戦 同志社大学 近藤氏
完敗が続いていたので、明確な格上に当ててもらえて安堵。ありがとう主将
もう将棋で勝てる(というか勝負にできる)自信は皆無でして、実力を出し切って来週に繋げられればいいなとさえ考えていました。

とはいえ同志社は残留を争う大きなライバル校。さらに神戸大学はここまで2連続スイープの憂き目に遭っており、
勝数で上回る目はほとんどありません。よって、ここで勝たないと神戸は入れ替え戦or自動降格が濃厚になってしまいます。
ので、勝負当たりは出場する7人全員と言っても過言ではなく(さすがに過言かもしれない)、
また、ここが特に勝負どころの1つであることは間違いない(普通に負けで計算されてたかもしれない)ので
頑張るしかないと思って勝負へ。

私の先手で相居飛車(4戦連続4度目)となり、嬉野流対雁木模様に。用意の仕掛け(本局では厳密には成立していなかったようだが)を決行し、
飛車を召し捕ることに成功。しかし、飛車銀交換の駒得でも評価値は有利(500点)程度。どうして…。

ヒント:陣形

仕掛けが嘘なら、もう全部誤差なので、さらに嘘を重ねていけとばかりに怪しいたたきをかちこみ、もう一本嘘を通すことに成功。
結果、+1000付近まで到達。将棋は飛車取ったらええんやでと教わっていた私は必死に勝たせてくれ、勝たせてくれと祈りながら
行き掛けの駄賃に(相手から頂いていた)飛車を差し上げ、(自陣でニートしてた)飛車を成りこみました。


この辺りから必死に祈ってた


しかし、近藤君はバチクソに強く、全然土俵を割ってくれません。
この玉上がりからの金引き(下図)が大人すぎてもう無理でした。





既に秒読みに突入していた私に洒落た手が思いつくはずがなく、どうするんや…?と悩んだ挙句、
木偶の坊みたいな香車を設置し、普通に受けられた後に、ほんまごめん!と思いながら、と金を寄りました。




負ければ本当の本当に敗着の、一見激遅の手です。しかし、意外と手が難しかったようで、結果的にと金を間に合わせ、さらに激遅の攻めを繰り出し、下図。



金をひたすら貼り付けていく激遅&激重の攻め


最後は斜め駒寄こせと角をぶつけ、角を入手。そして即詰みに討ち取り、勝利。


以下、即詰み


とはいえ、ずっと優勢のはずなのに1手緩めば楔を打ちこむぞ、逆転してやるという指し回しには大苦戦で、
なんとか粘り勝ったという印象でした。強い人の強さの源泉を垣間見ましたね。

ただ、自分としては仕掛けや中終盤の事前準備を活かして、強い人を相手に悪手疑問手なく一局指しきって
勝ち切ることができたのはとても嬉しかったです。悪手疑問手の沼に引きずり込んで逆転勝ちするのも楽しいんですけどね。

チームも5-2で勝ち、エースを欠きながらの残留に向けて大きく前進しました。チームメイトの安定感すごい。

これ、俺いる…?



えー…いつの間にか年が明けてしまったので、一軍戦後半戦の振り返りはまた後日の更新とさせていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

それでは、あけましておめでとうございます。

苦闘(令和5年度春期一軍戦振り返り)

2023-08-27 19:13:12 | やぎ

お久しぶりです、主将です。

激遅更新、亀の如し。筆が進まざること山の如し。そして、光陰矢の如し。

バチクソに遅くなりましたが、今さら、朧げな記憶をもとに振り返ります。

 

総括

 

目標:A級復帰 

結果:B級2位・入れ替え戦負けでB級残留

 

今期も勝てませんでした。渡る世間は鬼ばかりですね。誠に遺憾です。

そびえる壁は高く、会場もまた遠い。

今期こそはと必勝を期すも、親の顔より見た流れで華麗に敗戦。

やはり入れ替え戦は厳しいですね。結構なイレギュラーもありましたけども。

しかし、頼もしい後輩も増え、層が厚くなってきましたし、来期に期待です。

よって、来期の目標は一軍戦B級優勝でしょう。入れ替え戦で上がるのは厳しすぎますので(2敗)。

 

戦略面について

多少の妥協はあれど、現実的に一番A級に上がりやすい策をとったつもりです。

オーダーに関しても、初日は特に問題なく通過できました。主将(あほちん)は最初から躓いてましたが。

二日目に関しても、勝負の同志社戦では割と予想が当たっていて、及第点のオーダーにはできていました。

和歌山戦ではえらいことになりましたが…。机上の空論とはまさにこのこと。

 

来期に向けて

まず、妥協をしないこと。妥協ゆえの悔しさがあります。これが辛いですし、現有戦力では妥協していて勝てる相手は存在しないのです(悲しいことに)

来季も厳しい戦いになることはほぼほぼ既定路線でしょうから、少しでも勝つ確率を上げるためにもオーダーを含めた事前準備には妥協しないようにしたいところですね。

次に、判断を誤らないこと。優先順位を見誤らないように。そして、判断のもととなる情報の精査をしていきたいですね。

最後に、0回戦を全員で突破すること。会場の立地は神戸大に優しくない状況が続きそうですし

既に0回戦という高い壁に打ち勝てなかった人が複数存在しています。起床という高難度クエストのあとにそびえる、

複雑怪奇な地下迷宮梅田、乗り換えの魔境十三に勝てるようにしなければなりません(1敗)。

 

...さて、真面目な文章を書くのは苦手なようで、そろそろ限界です。ここに書くにはあまりにも記憶が朧げすぎたようですね。

 

とりあえず来期のコンセプトは「雪辱目指してがんばろー」です。

主将もがんばります。とりあえずは課題の序盤、中盤、終盤を何とかしたいですね。

 

 

新入部員募集中です。やっぱり層が薄いんだなぁ。

 

主将

 

 

 

 

 

 

p.s. ちゃんとしたのは将棋に魂を捧げつつある我らが部長が書いてます。


主将就任あいさつ

2023-02-15 02:03:14 | やぎ

はじめまして。この度、主将に就任しました青柳です。若輩者ですが、一年間よろしくお願いします。

 

正直なところ、主将というのは私のような将棋prayerには非常に重い役職です。対局中の殆どの時間祈っているような人間がなってはいけないと思いますが…。これも猛威を振るった某感染症のゆえです。圧倒的な人員不足の前に、人は無力なのです。

ただ、主将という立派な役職に就けたことは非常に嬉しいです。頼りになる部長や、優秀で活気のある後輩たちの助けを借りながら頑張っていきたいと思います。

 

お恥ずかしながら、中学高校と球蹴りに明け暮れていた私にはそもそも、棋力なるものが全般的に不足しています。序盤中盤終盤隙だらけです。でもおいら負けたくないよ。

ということで、私個人としては、終盤力の強化に努めるともに、序盤も一から見直していきたいです。また、毎日将棋に触れるようにしたいです。足りないものが多すぎますが、少しずつでも差を埋めていければと思います。

 

また、チームとしては、悲願の一軍戦A級復帰を果たしたいです。昨年は予想外に新戦力が充実し、復帰にあと一歩まで迫ることができました。しかし、結果としては勝負所での連敗が響き、B級から這い上がることはできませんでした。ですが、力のある後輩たちには何としてもA級で、化け物がひしめき合い、狭き門である全国大会への切符を掴み取らんと鎬を削るあの熱気あふれる舞台で、将棋を指して欲しいです。B級も強豪がひしめき合っていて簡単な話ではないですが、尽力していきたいと思います。

 

ただ、第一に将棋部が部員にとって居心地のいい場所であって欲しいですし、将棋部を「楽しい場」にすることが過渡期である現在の喫緊の課題です。しかし、入学時は全面オンラインだった世代な私はもう老害に片足突っ込んでいるのが確実です。そのため、これに関しては、真面目で優秀で、でも部室ではあまり顔を見ることの無い後輩たちに頑張ってもらおうと思います。

 

…そのためにも、まずは新歓ですね。少しでも多くの新入生が将棋部に興味を持ってくれるといいな。緩くて楽しい部活ですよ~。

 

様々な制限、制約も緩和されつつある今日この頃であり、慌ただしく過ぎ去る一年になるかとは思いますが、どうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

そろそろ就活について考えなければならないという現実から目を背けながら

 

令和五年度神戸大学将棋部主将 青柳