虚無交換日記

神戸大学将棋部の住人たちによるブログ

3年間を振り返って

2025-01-11 23:11:00 | S.K
もう1月も中旬になりましたが、明けましておめでとうございます。
多忙な日々に加え私生活でも色々あり、満身創痍の中、なんとか踏ん張っている毎日です。

昨年12月の二軍戦を終え、取り敢えず大学将棋には一区切りをつけました。
4月からは研究生活が始まり、夏には院試と実習が控え、しばらくは将棋どころではなくなります。というかもうそのフェーズに入っていますね。月末の試験は何としても単位を取らなくてはならない状況なので、死ぬ気で勉強しなければいけませんね。ちなみに、そのうちの一科目(2単位)はほぼテスト一発だけで成績が決まるのですが、去年の単位取得率が3割台らしいです(しかも惑星学科3年よりも、一緒に授業を受けている物理学科2年の人たちの方が取得率は高かったです)。いくら物理学科といえども2年には負けたくないですね。対局と同じで、最後は祈るしかないのでしょうか... 全力で神頼みします。
今のところ、秋の二軍戦には、出るつもりです。ただし、研究やその他諸々が切羽詰まってなければ、ですが...

この間の一軍戦は観戦専門だった為、振り返ることも特にないので、将棋部で過ごした3年間について振り返ろうと思います。

私にとって大学将棋は特別なものでした。将棋は小学生の頃に出会いましたが、中学には将棋部はなかったので個人として大会に参加し、高校では女子個人戦に出場することが多かったので、本格的な団体戦を経験するのは初めてだったからです。個人戦は自分との勝負で負けても自分の責任です。一方団体戦はチーム競技なので、簡単には負けられません。勝った時の喜びも個人戦よりはるかに大きいものです。初めて一軍戦に参加した1年の春、その独特の雰囲気を感じました。特に終盤苦しくなってもなんとか勝つ手段はないかと必死の形相でもがき勝負手を連発する先輩方の姿には感動したものです。また、A級に昇級した後は立命大に代表される全国トップレベルの将棋に触れることもでき、勉強になることが多かったです。団体戦というのはオーダーを考えることもとっても大事で、格上の相手でもうまくオーダーを組めれば十分戦える場合もあります。戦略面での面白さも知ることができました。

この3年間で一番自分が成長できたと思うのは、終盤です。高校時代は角換わりを愛用していたのですが、年々すごいスピードで研究が進み今では終盤の入り口辺りまで調べられているとまで言われている戦型で、とても大学の勉強と両立できそうになく、何か研究勝負にならない戦型はないかと模索していたところ、今の角道を開けない力戦戦法に出会いました。元々詰将棋は大好きだったこともあり、これなら終盤を鍛えればなんとか勝負になるかもしれないと思いました。実際、序盤から角道を突かない戦型には慣れていない人が多く、自分だけが知っている形に持ち込めるので、終盤勝負になりやすく戦いやすくなった気がします(最近では少し有名になり認知度も高くなりましたが...)。私と同じく角道を突かない戦法を愛用し、悪くなってからも終盤の強さを発揮する、私の尊敬する先輩はこの4月からは社会人になってしまいますが、その戦いぶりはとても参考になりましたし、一番私の戦い方に影響を与えました。この場をお借りして、感謝申し上げます。これまで部を引っ張っていただき、ありがとうございました。一軍戦での引退試合もとても良い試合でした。お疲れ様でした。
部員や部の雰囲気に恵まれ、とても楽しい将棋部生活を送ることができました。ありがとうございました。

長々と書きすぎました。テスト勉強もしないといけませんし、取り敢えず今回はここまでにします。また正式に引退する時に書くかもしれません。

部室にはしばらく姿を見せないと思いますが、また行ったときにはよろしくお願いします。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。皆さん体調にはお気を付けください。



追伸(宣伝?):関西将棋会館が昨年高槻に移転しました。地元の私にとっては誇り(と言っても一駅先ですが)なので、もし近くまで来た時には是非~
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振り返りと主将引退 前編

2025-01-11 01:14:58 | T.Y
皆様あけましておめでとうございます。新年早々胃腸炎を患い、現在はバファリンをODしないとやっていけないほど普通に風を引いてしまっている主将です。年末にマスク付けずに東京やら難波やら梅田やら行き過ぎました。主将反省。
挨拶もほどほどにあんま覚えてないけど秋の一軍戦の振り返りをやっていきたいと思います。
まず、チームの状況について振り返っておきます。ここで欠かせないのがS田くんが出場できないことです。(また後でお気持ち表明します)
とはいえ、春季に偏ったメンバーばかり出していたため、柔軟なオーダーを組めるのではないかという方向にシフトしました。特に伸び盛りの1,2年生いっぱい出してあげることが、主将のお仕事かなと思った次第です。準備は個々がしっかりしてくれていると信じていたので特に何も自分からはアプローチを部員にかけることはなく直前の期間を過ごしていました。以降、当日の振り返りです。(あえて棋譜は載せません。というかそんな高尚な棋譜ない)

1日目 龍谷戦
今やA級3番手になってしまい、勝つビジョンがなかなか見えない強敵でしたが次期理事長に電車で盗撮され、あまつさえぶっ潰すとのありがたいツイートを投稿されてはブチ◯すつもりで気合いを入れて臨むほかありません。オーダーも先頭のブラフが若干効いたかと思いましたが、、、、やはり実力差がはっきり出てしまったように思います。もっと頑張れるはず神戸大学。僕の将棋は優勢を捲られてから舞い込んできた11手詰めを逃した後魂で頓死に追い込むことに成功しました。何も言えない。主将反省。尚、ツイートした当の本人はちゃんとわからされていてニッコリです。理事長がんばってね。

続いて京大戦
春はウルトララッキー下克上をかましてしまったため、今季はガチで来られるかと思っていました。前日に法皇(注 京大将棋部のホームページ参照)にも"5枚出すよ"と言われ、あまつさえ夜ご飯までご馳走になり、もうこの時点で僕の闘志はへし折られていたのかもしれません。主将反ry。結果スイープされてしまい、僕の将棋も全然だめといった感じです。(これでは別のO西が出てきてても変わらんかった。)主ry。対戦相手は昨今大活躍の僕の同郷である東大1年生の高校同期の方で、次回指す機会があればもっといい将棋をさせるようしっかりしないといけません。

続きまして立命戦
もうここばっかりはどうにもならないので育成オーダーで挑みました。なんか若干一名大金星挙げ損ねていたみたいですが。
結果はもちろん0-7でしたがこれからを担うメンバーにとっては非常にいい機会になったのではないかと思います。

1日目ラスト同志社戦
正念場其の壱。ここを勝てればそこそこ残留の目があるのではないかと感じていました。上3人が抜けている印象だったので、それ以外を拾ってなんとかといったお願いを込めた戦略を取りました。オーダーも及第点といったところで、4-3か3-4になるだろうと思っていましたが、前主将が金星を挙げ5-2勝ちでした。流石です。尚、立命戦の間対策を練っていた画面の前の君も惜しかったです。これからの頑張りに期待。
僕の将棋は対右玉で、藤井曲線の快勝でした。1日目が終わった感想はなんとか乗り越えたに尽きます。正直これ以上は望めないところはありましたし、逆にこれを達成できないようでは主将失格です。来週も取り敢えずなんとかしようと心に誓って帰路につきました。

余談ですがこれを書いてるのが丑三つ時を回った時間帯で、明日は朝から難波で麻雀という充実した日々が待っているので(なぜ徹夜で打たないのだという意見についてですが、始発で難波から帰る絶望は並の人間が続けていると心が持たず、それの解消です。別に終電でもウザいし負けたらやけ酒するが。)そろそろ睡眠しないと体が壊滅ry
またすぐ続き書くやで
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力戦奮闘(24秋一軍戦振り返り・後半)

2025-01-09 02:59:12 | やぎ
1勝3敗に終わった初日の反省から、絶対に角道を開けないことを決意。そして、対居飛車の序中盤の精査に注力。
一軍戦初日までは対振り飛車を入念に準備していたが、初日使えなかったことでそれは一旦脇に置いておくことに。
どうなる、一軍戦二日目。



2日目。会場は大経大。素晴らしい立地により、家から2時間弱で無事に到着。そんなに素晴らしく無かった。
直前での日程変更などハプニングもあったが、0回戦は勝ち。



5回戦 大阪経済大学 山田氏

去年ぶり2度目の対局。戦型は嬉野流対中飛車になるも、相手が強すぎて将棋にならず。瞬殺された。去年も見たな。


投了図

朝から悪夢のような現実がそこに待っていた。
が、これで引退する訳にはいかないので、気合を入れ直した。



6回戦 近畿大学 朝倉氏

朝倉氏とはここまで2度対戦し、2敗。当たる可能性のある中では一番指しづらい相手であり、
その状況で一番の勝負当たりになるのも勘弁してほしいところだった。主将...どうして...

朝倉氏は序盤中盤終盤総じてレベルが高くまとまっている印象で、優位を築かれたまま終盤に入ってしまうと、逆転を起こすのは至難の業(2敗)。しかし、氏は手堅く指すことも切れ味鋭く1手勝ちを狙うこともできるが故に、中盤の終わり〜終盤の入り口の手の広い局面で勝負できれば、氏の視野の広さ、読みの深さ故に奈落に引きずり込むことも可能ではないか、可能であってくれと考えていた。

そして、対局開始と同時に新たな相棒、 Monster Energy 君を好位置に据え、対局開始。

私の後手番で、戦型は鳥刺し対ノーマル四間飛車に。速攻を目指すも、悪形に見えるが最善の手を指され、一気に知らない局面に。
そこで長考に沈むとともに、カフェインの摂取による生理作用のため、持ち時間を使い切るギリギリで離席。

その局面が下図。



仕掛けは失敗気味だったが、捌き合いから抑え込みに方針を転換してまずまず指せていた(と信じたい)。
ここでは相手の飛角を抑え込むために65歩と伸ばすか65銀と出るか考えていた。
65銀は指した後の継続手が見えなかったが、65歩なら、66歩と伸ばす手や飛車の転換、右桂の活用など、指したい手が盛り沢山だったこと、どちらにせよ相手の応手が読み切れなかったことで65歩を選択。

着席から流れるように着手。

そこでのお相手の応手が...



55銀打!

単純ながら厳しい一着で、将棋が終わる音がした。なぜ勝負どころで離席してしまうんだい。
というかほぼノータイムで着手されたので勝負所でもなかったかもしれない。

65歩には代えて65銀(最善手)とすべきで、56銀からの抑え込みや、中央を抑えたことに満足して52金右などで陣形整備に行く手を見せて互角ながら居飛車満足の展開だったように思う。お相手がその展開を嫌うなら55角と出る手があるが、それには54銀と引き、千日手を見せておいて後手番の居飛車としては不満のない展開だったようだ。

本譜の55銀には取るしかなく(65の歩を取られるとまとめきれない)、そこで同角と出られ、抑え込み失敗が明白に。以下、銀角交換で駒得にはなるものの、飛車交換を強要され、陣形差から自信の持てない展開になってしまった。
実際、飛車交換の時点で1000点弱相手に振れる形勢だったようだ。



飛車交換のあと飛車を先着せずにノータイムで55同歩と銀を取ってくれたので、あやをつけるターンが来たと考え、勝負手連発フェイズに突入。

手始めに45角と打つ。敵陣の金を睨みつつ自陣の桂馬に紐をつけ、さらに玉頭をも睨んでおり、すこぶる攻防に効いていそうである。なお実際のところは不明

そこで79歩打と歩を使って受けてくれたので、さらに69飛車打と畳みかける。自陣の62の金に紐をつけつつ2枚替えや、駒が入ると48、39への打ち込みから頓死を狙うという意思表示。

そこでさらに68歩打と徹底して受けに回られた。飛車を捕まえられれば相手としては明快に勝ちにできるからであろうか。

そこで46角と飛び出し、82への飛車の打ち込みを防ぐとともに将来的なコビン攻めを見せる。自陣でニートしていた角が働き出しており、居飛車としては勝負が通った感があり、元気が出る展開に。

以下、2枚替えにも成功し、ペースを握れたと思った局面が下図。



お相手に見落としがあったようで、ここから数手で急転直下勝ちに。局面も模様良くなってた(評価値も互角まで戻っていた)ので良し。ちなみにこのあとは銀を自陣に引きつけるように指しつつ攻め合って1手勝ちが狙えるらしい。なるほど…。

チームも4-3で勝ち。勝利打点をあげられて良かった。多分初の勝利打点。しかし、皆すごいし、同期(?)の安定感えぐい。すごい。来年も居るなら神戸も安泰なのに…。



7回戦 大阪大学 上子氏

勝った方が第二代表決定戦に進出できる大一番。
これを最終戦にするかどうかは自分たち次第だと、主将決意のオーダー。
阪大は主力を複数名欠いているとの事前情報もあり、こちらの言い分が通った形に。
結果、両校に4-3勝ちの目がある当たりになった。主将、さすがです

いざ、決戦。

Q. 負ければ引退試合となるこの一戦のお相手は...?

A. エースの一角、上子氏これはダイソン。圧倒的吸引力。厳しいって。

上子氏はめちゃくちゃ強いとだけ弊部の血気盛んな福井コンビから聞いていたが、一軍戦初日の結果を見ると想像以上に強すぎたので、逆に気持ちがフラットになり、これが引退試合だし、悔いの残らない将棋にしようとだけ考えた。勝とうとは考えられなかった。これが敗因の1つなのかもしれない。

...もう結果は見えてるけど、もうちょっとだけ続きます。

私の後手番で、戦型は鳥刺し対三間飛車に。
後手番であること、早い仕掛けが成立しにくい形であったこと、そもそも自分に攻めのセンスが皆無であることから、細い攻めを通す展開にはしたくなかった。何故この戦法を使っているのか。そこで事前の用意をかなぐり捨て、ほとんど試さなかった変化へ。

こちらの争点を作る動きに最も強く反発してきたため、さらに反発。盤面の半分が焦土になりそうな展開で自信はなかったが、千日手になりそうな筋を見つけたので、そちらに誘導。厳密には千日手成立するかは微妙だと対局時は考えていたが、千日手を拒否するなら大決戦をして、中盤を飛ばして最速で終盤へ行くしか無い状況であるため、千日手に乗ってくるのではと思っていた。

そして無事千日手に。ここまで43手。消費時間20分弱。



時間差は3分ほど、双方10分少々の所から先手番で対局開始。

戦型はまたも鳥刺し対三間飛車に。知ってた。
1手速い分、3筋の突き捨てが通り、歩を手持ちにした上で既視感のある形に合流。



2度目の千日手を狙った。具体的には、お相手が△54銀と位を支えに来てくれれば、▲24歩の突き捨てを入れ、飛車を5筋に回り、飛車のにらめっこをしようという構想。

千日手にしたかった。心の底から2度目の千日手による引き分けを願っていた。しかし、願いは届かなかった。

...祈りが足りなかったのだろう。

相手は振り飛車らしく5筋を軽くし、こちらは中央に拠点と厚みを築きにかかる。そして双方銀を引き、陣形をまとめにかかり、第2ラウンドへ。



ここから、▲54歩△55歩打▲26飛△33銀引▲46歩と華々しい空中戦へ。

数手進み、下図。



お相手の54飛に対して、65銀で両取り!と銀を繰り出すも、普通に53角と引かれて失敗。1手先も読めないのか...。

そこから手順に飛車をぶつけられるも、交換を断固拒否して、居飛車の抑え込みvs振り飛車の捌きの構図に。

抑え込みは一つのミスが命取りになる戦型であるにもかかわらず、私は絶対に勝負所で間違える残念な棋力の持ち主なので、実戦で、それも勝負の一番でやりたくは無く、模様は良くとも自信の持てない展開になってしまった。

そして下図。



角の成りこみを見せられており、丁寧に受けるか、攻めあうかで方針が分かれる場面。
ここから、▲24歩△同歩を入れてから▲57銀と引き、間違いが起こらないように丁寧に進めた。
以下、△52飛▲66銀△31角▲44歩と進め、△32金を強要。この辺りまで、我ながら上手く指せてるなと思っていた。

そして、▲24同角と歩切れを解消しながら角を世に出したところで、お相手の64歩。



ここではこちらが800点ほどよく、76銀と一旦銀を引き、46角から55の歩を狙いじっくりと指していけばよかったようだ。しかし、ここでは既に秒読みに入っていた私。持ち時間10分少々じゃ足りなかった...

何を血迷ったのか、53歩!? 

読み筋では、飛車で取ると64銀と歩を回収しながら銀が出れてよし。角で取ると...銀が54に出れると思っていたんでしょうか。
...どちらにせよ出れないですね。勿論1500点ほど溶かす大悪手で、将棋を終わらせる1手でして、同飛車とされた瞬間に気づきました。

64銀には23飛で華麗に銀角両取りがかかるやん!! 
将棋終わってまうがな!!!

...それでも。

まだ、投げるわけには、タダで転んでやる訳には行かなかった。この阪大戦は良くて4-3の目があるが、自分以外の勝負どころ4つを全て取り切るのが前提。そんな虫のいい話を信じるのは勝負が完全についてからでいい。

ということで、33歩成として誤魔化しにかかります。望外なことに最善だったようで、+800から1000点ほど溶かしたものの、まだ将棋の範疇に、互角~微不利にとどめることができました。しかし、以下、△同飛車▲同角成△同桂▲76銀と進み、抑え込み失敗が明白に。圧倒的な実力差のもと、死んでいた飛車と要の角を交換。

後の結果は火を見るよりも明らかですよね。

それでも。

オーダーで刺して、そして端で勝ち続けてA級残留を決めてくれた主将、めちゃくちゃ強くなった同期、将棋でも運営でも頼りになる後輩たちのおかげで、最後の最後に、第二代表進出をかけた大一番を戦えているわけです。

そりゃあ勝負を諦められるはずがなく。絶対に楽には勝たせてやらん、その一心で指し続けました。

そして殆ど一直線に進み、最初の勝負所を迎えます。



ここでは26飛車とまわり、27の角の働きを弱めつつ、4筋に歩が利かない形にすれば不利ながらまだ戦えたようです。本譜は素直に▲45桂△同角成▲同飛車△同桂と進み、目標にされそうな飛車を捌けたと無理やり主張し、自玉を要塞化して徹底抗戦の構え。対局中はじりじりと離されていく展開で厳しいと感じていましたが、実際のところは丁寧に辛抱できていたようで...

そして、千載一遇のチャンスが転がり込みます。秒読みの中、お相手にミスがあり、45の桂馬を拾えたところ。ここでは34飛車打!



があり、指せていれば1000点ほど先手に振れる形勢だったようです。34飛車打には同飛車しかなく、そこで同角と取ると、なんと角が61の金をにらむ形となり、攻守が入れ替わるのです。相手は4、5筋に歩が利かない形ですし、合い駒するのも金をかわすのも冴えない。こうなると自玉を要塞化していた甲斐もあり、居飛車が攻め合い勝ちを見込めそうで、指しやすかったでしょう。

しかし、本譜ではこんなお洒落な手は1mmも見えず、56角~58桂打と専守防衛へ舵を切り、局面を分かりやすくしてしまいました。

そして最後の勝負所がやってきます。



一手の猶予があるとみて銀を取りに行ったところ、角取りをかけられて泡を吹いているこの局面。一手先も読めてないやないか。

ここでも34飛車と打ち、死にかけの角に最後の働きをさせるのが急所でした。同龍と取ると龍を消されるだけでなく、角が先程と同じく、61の金に効いてくるので取れないし、角の方を払っても32飛車成とした形が角取りや63銀の打ち込みを見ており、一気に一手勝ちor一手負けコースとなり、難解な終盤になります。そして△56歩▲32飛車成に手を戻すと▲56同桂と桂馬も跳ねだせる展開になるため、正確に指されれば余されているでしょうが、実戦的には相当な勝負にできそうで、粘り甲斐が出てきます。

ので、最善は42龍と引き、金に紐をつける手ですが、ここで45角と出る手が成立します。同龍とすると32の金をとりつつ龍をつくれてもう一勝負、角を取らずに飛車の方を相手するとそこで72角成と切り飛ばして守備駒を1枚はがせるので実戦的には相当難しくできそうです。

しかし、勿論そんな勝負手が見えるはずもなく。既に非勢を意識しており、また秒読みで全く手が見えずに指したのは、45飛車打。似て非なるもので、坂道を転がり落ちるように敗勢に。

それでも粘り続けて迎えた最終盤。最後の勝負手、16角打。



攻防に効いていていることを祈って指したこの手が最善だったようで、瀬戸際で踏みとどまっている形勢(-900点)に。とはいえ、ここまでくると相当な指しづらさを感じていました。

角打ちに対して本譜は52歩と受けられ、頭が真っ白に。手堅い。

しかし、44の銀の活用、32の香車の遮断、68の桂馬の活用などを残しており、16角は確かに攻めに効いていました。

では、防御ではどう指すのか。

答えは、49金寄!



勿論上図の局面で即金を寄る訳ではないですが、攻め合いの中、どこかで49金とすれば、角の紐をつけながら再度手番が握れ、さらに玉の懐も広げられる非常に価値の高い一手となります。

ただでさえ薄い玉から金駒を遠ざけるのは味が悪そうで自分には指せませんでしたが、16角と打ったからには当然の一手だったようで、感想戦で上子君からも指摘されました。なるほど、見えてる世界が違ったんですな。

本譜では、攻防ともに手が見えず、とりあえず玉形を引き締めようと、69金と寄せたのが(直接の)敗着となりました。当然の88銀の手裏剣が痛すぎて、以下あやをつけようとするも全く届かず。完敗。結局相手玉に手はつきませんでした。

結果、167手で投了。千日手と併せると210手。たくさん指しました。えらい。



この将棋を指している最中はただただ楽しかったです。指したかった戦型で、途中まで夢も見れて、実力差から劣勢になってはいるが、まだ指せている。これから阪大を引っ張っていくであろう強豪相手に自分の主張を通した上で将棋になっている。角道も開けられない、実力も足りない、でも3年ぶりの関西A級で、第二代表への挑戦権を賭けた最終局で、チームの(一応)レギュラーとして、戦えている。何も分からん局面で60秒考えて必死に手を捻り出している間、本当に楽しかったです。負けが見えてからも満足感とやりきったという思いだけが残りました。

ちなみに今は悔しいです。ほんと勝負弱くて申し訳ない。

そしてチームも3-4負け...。あんなに頑張っていた主将が勝負どころで負けての敗戦。
自分に実力があれば彼に背負わせることもなかったと考えると本当に申し訳無い。戦型が上手く噛み合ってしまったのでチャンスはありました。それこそ自分は格上に一発入れるしか能がないんだから、何が何でも勝ちを掴み取るべきでした。悔しさからか、棋譜に起こしたあとは1度も振り返られていません。今回振り返りを書くにあたってやっと、一月半ぶりに棋譜を見たし、初めて解析にかけた位です。



何はともあれ、最後に貴重な経験ができて本当に楽しかったです。
これもひとえに神戸大学将棋部の、お世話になった先輩方、何かと振り回した同期、とても頼りになる後輩たちのおかげです。

ありがとうございました。
















これは全くの余談ですが、阪大戦の対局中は3-3で自分が最後に残っていることには全く気がつきませんでした。そんなに囲まれなかったし。…実力差と局面見れば一目瞭然だったからかな。






これは本当の本当に余談なんですが、阪大側のTwitter実況に、根性でつくり上げた自陣を要塞と書いてもらえて嬉しかったです。(そのため、本稿でも要塞という呼称を採用しています笑)





4年間お世話になりました。機会があれば、四年間の振り返りもしようと思います。



それでは。
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一軍戦2日目振り返り・年始

2025-01-05 01:45:54 | keinishiken
 西田です。早速振り返っていきます。
 初日に同志社大学に勝つことができ、雰囲気は明るいですが、初戦から勝負どころの大阪経済大学で、対局予定の人は緊張していたように感じました。特に暮部は本当に緊張していたと思います。彼のブログにもあるように、自分が勝たないとチームが負ける当たりは本当に緊張します。しかも、暮部は今回急に7番手として選ばれて、空気感とかいろいろ初めてだったと思いますが、そんな中よく勝ってくれました。
 
 5回戦 大阪経済大学 岡氏
 先ほど他人事みたいに言ってましたが、私も勝たないとチームが負ける当たりでした。しかも、おそらくお相手は4番手の方。つまり、一番の勝負当たり。顔には出さないようにしていましたが、正直内心心臓バクバクでした。調子が悪いわけではなく、普段通り指せれば勝てるとは思っていましたが、個人戦での頓死、今季の一軍戦でまだ1勝もしていなかったりと不安要素はありましたが、考えるのをやめ、集中しました。
 戦型は相振り飛車の相矢倉になり、お相手のミスを咎め下図。

ここから数手進んで下図。

お相手の角、銀の働きが悪く、こちらが指しやすいことは自覚していましたが、具体的な手が浮かびませんでした。変に24角とかすると23金で角死ぬし、いきなり攻める手もなさそうだと考え、じゃあなにかしら手渡しして、あっちになんかしてもらおうということで54銀としました。まあでも変な手でだろうなと思っていたら、隣で対局していたやましょー氏がこちらの盤を見た後首をかしげていたので、確信に変わりました。ソフトによると54銀に代えて、79金と桂馬を外しに行くのが良いそうです。考えもしませんでしたわ。そして、方針がよくわからないままグダッテいたら
ん?なんかマズくね?そのまま数手進んで下図。

お相手の死んでいた角が働きだしました。アカン。ここで私は暴れるか我慢するかで迷っていました。正直我慢は嫌いなのでとても暴れたかったですが、これは団体戦で、僕が負けたらチームが負け、降格も見えてきます。しかも、前の方から暮部と中森さんのボヤキと咳が聞こえていて、なんかやばそうと思っていました。そこで、私は我慢を選び、32金と打ちました。これを見て隣の佐藤君は「あ、こりゃ西田負けるわw」自分が勝たないとまずいと思って、結果格上に勝ってくれました。と同時に私も佐藤君の盤面を見て佐藤君が勝ってくれそうと思い、一瞬「最悪、俺が負けてもチーム勝つんじゃ?」とよぎりました。しかし、「そんなんでは今まで必死にかき集め、保ってきた先輩としての威厳や尊敬の念を失ってしまう!いやだ!」と何とか邪念を払いました。後輩が頼もしすぎると先輩は苦労しますね。
我慢の甲斐あって、お相手の攻めを受け止め、反撃することに成功し、何とか勝つことができました。あとからソフトにかけると、あの局面はまだ互角だったようで、悪くはなっていないようです。ただ、形勢が良いといわれても方針が分からない将棋はリードを広げたり、維持するのが難しいですよね。
 対局後、偉大なるOB錦織さんには「よく勝った」とねぎらいの言葉をいただきました。それに比べて次期主将には、もっと早く勝てやw的なことを言われ、手が出そうになりましたがこらえました。えらい。

 6回戦 近畿大学 徳永氏
 大経に勝てたので降格の可能性はぐっと減りましたが、ここで勝てば他大学の結果に関わらず、残留が確定するのでぜひ勝ちに行きたいところでした。
 戦型は角交換型の相振り飛車になりました。また、知らない形です。お相手も格上なので、時間いっぱい使って食らいつこうとしましたが、普通にボコられました。勉強も地力も足りず、完敗でした。チームとしては田中さん、中森さん、岩井が安定の勝利、勝負所の青柳さんは劇的な勝利を収め、4-3でなんとか勝つことができました。
 
 7回戦 大阪大学 小林氏
 残留は確定したので当初の目標は達成しましたが、ここで勝ったほうが第2代表戦に進めるという激熱展開になっていたため、みんなの闘志は燃えていたように思います。また、この時、阪大のレギュラーが何人かいないということで、全然チャンスはあると思っていました。私の相手はというと小林氏、いや小林先輩で地元の高校の先輩でした。しかも、春、秋2連続で当たっています。漫画のような展開に困惑しつつもとてもワクワクしていて、今季の一軍戦で一番良い心持ちで対局することができました。
 戦型はこちらの四間飛車に対し、お相手はミレニアム。駒組を進めて下図。

このいわゆるプラチナ美濃で36歩をつかない形をミレニアムに対してはよくやっています。ミレニアムに困らされている四間飛車党の同志たちよ、これおすすめです。ミレニアムの強みは私が思うに1,居飛車側の角の位置が良すぎて、さばきづらいし、端攻めもきつい 2,居飛車側の角をどかそうとするとある程度の代償を払う必要がある 3,堅い だと思います。この形の良い点は角をどかすときに払う代償が少ないことと

図のように44歩とつき捨てることでミレニアムの弱体化を狙えることです。
その後55歩と開戦しました。75歩の切り返しにも構わず、さらに64歩と攻めていきました。

お相手も譲らず76歩と取り込んできますが、これにも構わず63歩成と踏み込みました。先に角損しますが、取り返せますし、自陣が堅く、居飛車がさばけていないので行けると思っていました。

その後馬を作られ、飛車をいじめられる展開に。ここで次の一手問題のような気持ちの良い手がありました。考えてみてください。

飛車を逃げるようでは冴えないので73桂成と踏み込みました。その後駒を取り合って下図。

自陣はプラチナ美濃の堅さが輝いており、居飛車側に厳しい攻めがないのに対し、こちらは成桂を寄せて4筋に歩を垂らして攻めていけば簡単に寄せることができます。そうです、ここで序盤の44歩の突き捨てが効いてくるのです!以下はお相手の攻めをきっちり受けとめ、勝つことができました。
チームは中森さん(強すぎ)、岩井、私が勝ち、3-3で千日手指しなおし局を青柳さんが指していました。結果は負けてしまいましたが、引退試合にふさわしい堂々たる将棋でした。
 
 こうして振り返ってみると、相振りの勉強が足りませんね。あと、大学のエース級の方とは、研究や得意戦型だけでは埋まらない力の差があることを実感しました。まだまだ、強くなる必要がありますね。もし研究会などありましたら是非誘ってください。チームとしては嶋田さん不在の状況で5位という満足のいく結果を残すことができたと思います。両端で勝ちまくった中森さん、田中さん、要所で勝ってくれる岩井、佐藤君、青柳さんといったレギュラー陣の活躍が目立ちますが、今季は準レギュラーのみんなの存在が大きかったと思います。大会中の戦型チェックだけでなく、レギュラー陣を上回るやる気で部室にきて将棋を指してくれたおかげでチーム全体の雰囲気が良くなったと思います。特に、暮部、葛原、川上、前田は短期間でとても強くなっているので、これから期待せずにはいられません。
 それではあけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。








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一軍戦初日振り返り・年末

2025-01-03 04:14:43 | keinishiken
 2024年も終わるということで振り返りのブログを書けとの命令を元主将から承ったので人生初ブログを書いていきます西田です。日頃から上下関係の厳しい将棋部で先輩に逆らう、それ即ち死。先輩には従順に、後輩には威圧的に、神大将棋部の良き伝統ですな、バシャウマでした

 1回戦 龍谷大学 高山氏
 ボコボコでした。相振り飛車で自分がよく知らない戦型になり、なんかいつの間にかめっちゃ悪くなってました。終盤に暴れて少し怖い形にはなりましたが、それ以上は何もなく、最速で投了してしまいました。自分の相振り飛車に対する知識の少なさが顕著に出てしまいました。チームとしての結果も2-5とやはり龍谷大学とは力の差があるなと思いました。

 2回戦 京都大学 辰巳氏
 何かの間違いで今回も勝てたりしないかなとか思っていましたがきっちり7本全部取られて分からされました。また、盤外でも前日に主将が古藤さんに買収されるなどなんか色々負けましたね。
 戦型は相振り飛車になり、自分から角交換をして相手が知らない戦型に持ち込みました。こういう言い回しをするときはたいていこちらは知ってる場合が多いですが、私も知りません。考えとけよ。そうして進んだ以下の図、深くは読んでいませんでしたがなんか気分いいし打ったろくらいのノリで角を打ちました。

まぁ悪手ですよね〜。
いや打った角と得した歩使ってあっちの攻撃陣を抑え込もうと思ったんすよ。あとあっちに速い手なんもないと思ったんすよ。

ありました。
あちらの駒組みが上手で銀を引くと桂頭を攻められ自信無いので駒損しながら暴れましたがきっちり躱され負けました。

 3回戦 立命館大学 本田氏
 この日は用事が重なり来れていない人がいたため、私も出ることに。まぁ普通に強い人と将棋できるから出得やろくらいの気持ちで、とりあえず自分の力を出し切って負けようと思っていました。しかし、この日、一番勝ちに近かったのがこの対局でした。
 戦型はあちらの居飛車穴熊の出だしに対し、こちらは藤井システムを見せ、あちらが36歩と突いてきたのを見て、こちらは三間飛車に振り直しました。そうして穴熊完成前に動いた下図。
ここで読みに無い手が来ました。たぶん取ったら悪くなるんやろな〜と勘で分かったのですがイマイチ手の意味が分からなかったので、教えてもらおうと同歩としました。そうして進んで下図。
ここでやっと意味が分かりました。こうして見ると相手の55銀が相当いい位置になるのに対し、こちらの角は攻防に効いていた44の位置からズラされます。これには素直に感動しました。
その後お相手が少し間違えたようでこちらが攻める展開になり、形勢もこちらが有利になった局面。
こちらが良い自信があり、ぱっと見寄りそうに見えたので敵玉の寄せしか見ていませんでした。本譜は98歩と叩いてバラシにいったのですが、王手で71銀を差し込まれてから馬を引かれて一気に逆転してしまいました。ソフトによると攻める前に51歩を入れるべきだったようで、そうしていれば依然こちらが優勢でした。
強豪相手にいいところまでいったのはいいですが、最後は自分の読みの浅さが出ました。
控え室に戻ってから分かったのですがみんな強豪相手に熱戦を繰り広げていたようで神大将棋の未来は明るいと思いました。葛原は勝利打点よりもエンタメを優先してくれましたが、次からはそんなことしなくてもいいからな。

 4回戦 同志社大学 大中氏
 この日一番の勝負所で、勝てれば残留濃厚、負ければ降格or入れ替え戦濃厚といった感じで、みんな口には出さないけど緊張しているように感じました。特に暮部が一言も話さずパソコンと向き合っていたのが印象的でした。
 私の相手はあちらのエースで必ずしも私が勝たないといけないわけではないですが、まだ1勝もしていなかったので全力で勝ちに行こうと思っていました。そうして駒組みが進んで下図。
棒銀!?予想はしていましたがいざ指されると懐かしさがこみ上げて来ました。というのも私の地元福井の将棋指しは殺気が凄まじく振り飛車には多くの人が急戦をしてきます。そのため福井の道場で棒銀おじいちゃんにしばかれた記憶がよぎりましたが、しばかれた分だけ強くなるのが将棋というもの、自信はありました。そうして角交換をした後。読み筋は34歩の取り込みでした。しかし本譜
渋っ
お相手は血気盛んな爺ではなく、落ち着いていました。次の手ですが第一感は27角でしたがより激しく一気に捌きにいこうと35歩と取り込みました。

48飛。冷静。忘れていました、ここは福井ではない。
この数手で読みを外されまくって局面が分からなくなりました。27角や34銀など浮かびましたがこういうジリジリとした中盤になるとまた読みを外されて時間を大きく削られてしまうと思いました。実際時間も負けていたので自分らしく血気盛んにいきました。

48飛に以下36歩、44歩、同銀(悪手)、同飛、53角、41飛成、26角の順を選びました。多少悪くしている自覚はありましたが、まぁ勝負やろくらいに思っていましたが、26角がいなくなると44角から71銀の筋が生じるので悪いです。これに指してから気づきました。以下お相手は端に味付けをしてから桂馬を拾いました。こちらは端が狭くなり嫌ですが、お相手も歩切れになったので
こちらの飛車回りに先ほど拾った桂馬で受けるしかなくなりました。この局面は依然こちらが劣勢ですが、対局中の私は互角かちょっとこっちに振れたやろとか考えてました。ポジティブ思考でとても良いですね!しかし、その後自然に進んで

この銀の打ち込みが思っていたより厳しく、先ほどのポジティブ思考は消えてなくなりました。これの何がまずいかというとお相手が受けで使った桂馬が攻めに効いてきたということなんですよね。以下はなんとか粘ろうとするもお相手の鋭い終盤に圧倒されそのまま負けました。
チームは中森さんと田中さんが流石の安定力で勝利、2人の先輩を打ち負かしている相手に勝つ佐藤君、そして格上をぶっ飛ばす青柳さん、絶対切れてる攻めをあらゆる手口を使って繋いで勝った岩井(私もこれの被害者なので中野君には本当に同情します)負けはしたものの格上相手に熱戦を繰り広げ、暮部曲線を魅せた暮部(本当にすごいと思ってますイジるけど)と私以外が強かったので5-2で勝つことができました。これが団体戦のいいところですね。

 こうして一軍戦初日を最多出場全敗という飛び抜けて悪い成績で終えました。全敗はしたものの、ひどいうっかりは無く、準備不足や弱点がしっかり出て負けているので、今の実力通りの結果だと思いました。
 個人的に2024年の振り返りは2024年の内に終わらせたいのでこのブログ内では私の一軍戦2日目の振り返りが投稿されるまで年は明けないこととします。それでは皆さん良いお年を。









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一軍戦初陣を振り返る

2025-01-01 17:11:45 | 福沢もどき
みなさまはじめまして。前田と申します。
この度は偉大なる嬉野流使いの先輩に促され、特にレギュラー級の強さはない新米1年生という立場ながら一軍戦の振り返りを投稿させていただくことになりました。

入学当初は24上級と本当にお話にならない棋力だったりで一軍戦など出られそうにはないかと思っていましたが、先輩方に毎日ボコボコにされた可愛がっていただいたおかげか将棋モチベも日々向上し、今回の秋季一軍戦にもついて行かせていただきました。

その日までにできることは自分なりにやっておきました。5手7手ハンドブックを周回、24を割と積極的に回す、序中盤の意識をちょっと変えてみる…そうして、レベルの低い話ですが、ようやく目標としていた24初段に手が届き、3切れも三段70%まで手が届き、そんな史上最高の状態で大会を迎えます。

初日。まずは0回戦で勝利、公式戦初白星をあげます。

一戦目 新野氏(立命1)
予想通り立命戦で出していただけることに。
すでに覚悟していましたが、やはり超絶格上を相手にするのですから気分は少々重めでした。
私は後手。さてお相手はどんな将棋を指すのだろうか…
注目の初手…

▲5六歩‼️
ため息とともに笑いすら湧き上がってきました。格上相手で1番苦手な対中飛車…
しかし、2手目を着手する前にして気持ちは既に吹っ切れておりました。知らない序盤に持ち込んで、何かしらの狙いを持って指していけば望みはあるかもしれない。序盤弱者なりに色々と考え、相手の駒組のおかしそうなところで袖飛車に、玉形もバランスよさげにしておき、知らない将棋へ…
終わってからソフトにかけてみればその時点で250点ほど不利であり、以降こちらとしては全然難しいと思っていましたが、実際は完璧に指し回されており完敗。しかしながらここまで自分なりに色々工夫した将棋は初めてで、その点ではいい経験だったと思っています。

あとは重要局面であった同志社戦を眺めるのみで初日を終えます。

2日目に突入。前の大経戦で同期がとんでもない白星を取っててすげえな〜と思っていた頃でした。
なんと次の近大戦に私が出ると言う話になっているではありませんか。たしかに立命戦以外も出る可能性はあるみたいな話もあり、出していただける嬉しさはありましたが、その時はかなり怖かったです。
寒さと恐怖で威力2倍の震えを感じながら見るオーダー表には冨桝氏の名前が書かれていました。なんだか見た事ある名前だなあと思い暮部さんに尋ねてみるとどうやらエース級とのことで、きっとオーダー交換の時点で私の役割は既に果たされたんだと思うと急に気が楽になりました。

二戦目 冨桝氏(近大1)
対局開始。相居飛車になったのでいつも通り雁木を組み立て、後手の急戦調には反発を狙いました。主導権は向こうにありそうでちょっと悪いかもしれないけれどまあいいかと思ったところで、全く読みにない角打ちの王手を喰らいます。

焦りに焦る。もしかして全てが相手の狙い通りだったのだろうか…?
時間はかかりましたが1度冷静になり、どうにか受け止めてみようと、味よさげに▲68銀と浮き駒の57銀を引きつけます。

実際この対応は良かったらしく、なんとここから快進撃が始まりました。
以降こちらは角桂交換の代わりに龍を作られ、強気に銀をぶつけられ、タダの銀を放り込まれるなど後手の猛攻を浴びます。
いつもの何も考えてない私ならあっさり受けてすぐ攻めたいところです。しかしあくまで公式戦のガチ勝負。攻め潰されるのが怖くてたまらなく、とにかく過剰なまでに受け続けました。剥がされた屋根には歩を惜しみなく打ちつけるだけでなく角で飾り付けまでしておき、交換された銀もすぐさま自陣に打ち直し、余裕のあるうちに香車を取り込みすぐさま自陣に打ち付け、広大な領地を築き上げた上で飛車交換…迎えた下図。なんと気付かぬうちに+1900まで持っていけたではありませんか。

しかし当時の私は超悲観的で、せいぜい+300あるかどうかだろうという評価でした。なるほど△45桂さえ跳ねられてしまえば攻勢を取られつつ後手玉は急に広く見えまだまだ難しそう。早く決めに行かねば。そして▲73馬△同金▲65桂…虚しいことに敗着は快進撃のすぐ後でした。評価値をコツコツ貯めた過去は一気になきものに…(▲65桂にかえてシンプルに▲54桂を打ち、△31玉▲23歩(△35角とその対応が入るか)△同銀▲91飛成ならスムーズでした。)

対局が終了したのは一番最後でした。隣に誰もいないのを確認し、疲れや内容の酷さはもちろん、しかし強敵相手にこれだけやったという非現実感も入り交じり、ただ一人ため息をつくのみでした。
控室に戻るとわりと褒めていただいたのが救いでしたが、偉大なとある先輩方2人は同じようなことをしていじり倒されているのを思うと余計に、来年は絶対こうなってはいけないなと反省するばかりです。

三戦目 福田氏(阪大2)
冨桝戦で疲れた身体に、なんともうひとり強敵が降りかかりました。たまたま戦型チェックで福田氏の対局を見ていましたが、その時は全く知らない横歩取りに持ち込んでいたのを見てこの人絶対強いなあと思っていました。
相居飛車ということでこちらはやはり雁木、お相手は右四間を選択。対中と同じくらい苦手です。

真ん中に飛車を振り角筋を遮断する対策を覚えてはいましたが実践するのは初めてで、以降は全く知らない将棋になりました。定跡形でボコボコにされるよりはやはり望みがありますが、さすがにお相手が想像通りに強く終始主導権を握られ続け、私としてはあまり面白くない将棋にしてしまいました。感想戦では対局中全く見えてこなかった手がお相手にだけ沢山見えていることを知り、なるほど1局で2度負けるとはこの事かと実感します。いややっぱりものすごく物腰柔らかな感じでしたので人格でもう1敗してます。

以上0-3と厳しい結果でしたが、棋力の割に上手くいった点と改善すべき点とが浮き彫りになり、これからの成長に極めて役立つ良い経験をしたなあと思っております。このままではいつまで経っても格上の方を相手にするままなので、どうにかもっといい勝負ができるように棋力向上に努めてまいります。勝ち星ひとつほしいなあ。
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晩節 (24秋一軍戦振り返り・前半)

2025-01-01 01:56:49 | やぎ
汚すような立派な戦歴をしていないから、どう転んでも有終の美を飾れるという暴論を引っ提げて挑む、
最後(じゃなかったら大事件)の団体戦。大会1週間前に飛び込んできたビッグニュース、
〜嶋田、大会来れないってよ〜。部内に走る激震。そして………



ーーー 一軍戦が、来る ーーー



こんばんは。いつの間にか卒業と社会進出が間近に迫っている、4年の青柳です。
最後の一軍戦に(何故か)7局も出場することができたので、真面目に振り返ろうと思います。
非常に長くなってしまっていますが、全局とも、必要に迫られるまでは角道は開けていないのでご安心ください。

初日。会場は龍谷大学。同じ関西なのに片道3時間は固い、謎の場所。0回戦負けは全力で回避するも、
想定よりも到着がギリギリになり、同期(広義)のNから心配されてしまった。
反省。

1回戦 龍谷大学 荒瀬氏
主将から格上に当てるから覚悟の準備をしておけと厳命されていたので、覚悟していたつもりでしたが、
まさか初戦からえらいとこ来たなというのが正直な感想。とはいえ、やることは変わらないので、いつも通り頑張ります。


 
本局の敗着


私の後手番で嬉野流対雁木になり、攻めどころが見えない(いつも通り)ので、
天王山を取りにフラフラと角道を開けてみたら、一瞬で飛車損になりました。

な…何を言ってるのか分からねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…。

時間かけて何を読んでいたんでしょうか。映す価値は無いので、以下ダイジェストでお送りします。



33桂 疑問手


 
45銀 悪手


 
56歩打 悪手


以下、45歩(銀損)、同桂、56銀右、57歩、48金、56飛車(飛銀交換)、同銀、同角と進み、
なすすべなく負け。駒損も玉形差も大差であり、非常にしばかれがいがありました。

チームも中森、田中のみ勝ちで2-5負け。同期(?)と主将の安定感えぐい。
前主将はこの有様だというのに…。いつも通りですね。

荒瀬君はとてもいい人で、感想戦で非常に気を使ってくれました。本局からの分岐局面にて、こうなると
ちょっと難しくなってる、流れはおかしくなってると言ってくれたんですが、その局面は2000点弱(敗勢)
ありました。流れでどうこう出来る数値ではないですね。その前が3000点超えてる(ド必敗)ので確かにそう
言い換えることはできますが。…なるほど。徳が高いですね。



2回戦 京都大学 南波氏
えらいとこ引いたな(2戦連続2度目)。頑張りがいがあるなぁ…。

私の後手番で嬉野流対居飛車急戦調に。



敗着。なぜ角道を開けてしまったのか。


急戦も持久戦も見せられながら隙なく駒組みされて手が見えず。さっきもこの流れみたな
天王山を取り、模様を張って対応しようとしたら、構想、指し手、戦法全てに対して、そんなん成立しますのん?
と京(みやこ)らしく、はんなりと問われ、い、いや…できる…と思っているんですけど…と半泣きで頑張り続けた
結果、訳がわからない大模様(下図)を張ることに。




早めにごめんなさいしておくべきでした。それでも手をひねり出し続けて下図。




ここでの74銀が最初の悪手らしく、ここまで悪手疑問手はない(?)というのは、とても頑張ったといえるのでは
ないでしょうか。とはいえ、この局面の前に相手から仕掛ける筋があり、それを受けきれる気はしませんでしたが。




そしてここからは一転、悪手疑問手のオンパレードに。どうして。

最初の悪手から数手進んで下図。おそらく珍しい南波君の明確な疑問手、76銀。


疑問手 


ここでは、いろいろな手が考えられるところです。そこで私が選択したのが、下図。


悪手


疑問手に悪手を返して将棋が終わりました。何をしているのか。
76銀には58歩に代えて48銀と打ち込み、無理やり飛車の成り込みを図るのが均衡を保つ唯一の手段だったようです。
飛車が使えなくなるとジリ貧になりますからね。本譜みたいに。

以下、手を尽くすも南波君の中住まいが遠く、敗勢になり、下図。


2000点ほど悪い


ここが最後の勝負所で、死力を尽くすなら24玉などで入玉を狙うべきでした。桂馬二枚では入玉を止めるのが
難しい(はず)ですし、110手を超え、秒読みの中で中段玉を正確に寄せ切るのは如何に南波君といえども簡単
ではない…はずです。多分。おそらく。…きっと。

しかし、本譜は手が見えずに中途半端に攻め合いを選択した結果、36桂を先着され、入玉の望みを絶たれ、
万事休す。負け。

そして、チームも0-7負け。春の借りを何倍にもして返されてしまいました。利息は要らないと言っていたんですけどね…。



3回戦 立命館大学 南出氏
なんと、初日不在のメンバーが複数人いたため、出ざるを得ない状況に。3度目の一軍戦A級での立命館戦へ。

私の先手番で相居飛車(3戦連続3度目)となり、嬉野流対ゆったり構える中住まいに。急戦の態度を保留しながら
着々と陣形を整備され、じっくりと待たれたため、陣形が薄く、動くしか無い嬉野流から手を作ることに。
そこで、取れる歩を全部いただき、歩得対手得の対決の構図に。



よくばりな飛車君だね



この辺りまでしか記憶にない


しかし、歩得はしたものの手の作り方が難しく、決戦をひよって陣形整備をしてたらそんなん成立しますのん?(さっきも見た)
と咎められ、完敗。中盤の構想がまずく、またお相手の攻め方が上手過ぎて、いつの間にかと金つくられてました。
将棋、難しい。


投了図。あまりにも完敗


チームも0-7負け。途中弟子のKが特大のジャイアント・キリングを起こしかけるも大頓死したらしいので、
詳しくは彼の振り返り記事を見てみましょう。美味しいチャーハンが作れるようになるらしいですよ(?)



4回戦 同志社大学 近藤氏
完敗が続いていたので、明確な格上に当ててもらえて安堵。ありがとう主将
もう将棋で勝てる(というか勝負にできる)自信は皆無でして、実力を出し切って来週に繋げられればいいなとさえ考えていました。

とはいえ同志社は残留を争う大きなライバル校。さらに神戸大学はここまで2連続スイープの憂き目に遭っており、
勝数で上回る目はほとんどありません。よって、ここで勝たないと神戸は入れ替え戦or自動降格が濃厚になってしまいます。
ので、勝負当たりは出場する7人全員と言っても過言ではなく(さすがに過言かもしれない)、
また、ここが特に勝負どころの1つであることは間違いない(普通に負けで計算されてたかもしれない)ので
頑張るしかないと思って勝負へ。

私の先手で相居飛車(4戦連続4度目)となり、嬉野流対雁木模様に。用意の仕掛け(本局では厳密には成立していなかったようだが)を決行し、
飛車を召し捕ることに成功。しかし、飛車銀交換の駒得でも評価値は有利(500点)程度。どうして…。

ヒント:陣形

仕掛けが嘘なら、もう全部誤差なので、さらに嘘を重ねていけとばかりに怪しいたたきをかちこみ、もう一本嘘を通すことに成功。
結果、+1000付近まで到達。将棋は飛車取ったらええんやでと教わっていた私は必死に勝たせてくれ、勝たせてくれと祈りながら
行き掛けの駄賃に(相手から頂いていた)飛車を差し上げ、(自陣でニートしてた)飛車を成りこみました。


この辺りから必死に祈ってた


しかし、近藤君はバチクソに強く、全然土俵を割ってくれません。
この玉上がりからの金引き(下図)が大人すぎてもう無理でした。





既に秒読みに突入していた私に洒落た手が思いつくはずがなく、どうするんや…?と悩んだ挙句、
木偶の坊みたいな香車を設置し、普通に受けられた後に、ほんまごめん!と思いながら、と金を寄りました。




負ければ本当の本当に敗着の、一見激遅の手です。しかし、意外と手が難しかったようで、結果的にと金を間に合わせ、さらに激遅の攻めを繰り出し、下図。



金をひたすら貼り付けていく激遅&激重の攻め


最後は斜め駒寄こせと角をぶつけ、角を入手。そして即詰みに討ち取り、勝利。


以下、即詰み


とはいえ、ずっと優勢のはずなのに1手緩めば楔を打ちこむぞ、逆転してやるという指し回しには大苦戦で、
なんとか粘り勝ったという印象でした。強い人の強さの源泉を垣間見ましたね。

ただ、自分としては仕掛けや中終盤の事前準備を活かして、強い人を相手に悪手疑問手なく一局指しきって
勝ち切ることができたのはとても嬉しかったです。悪手疑問手の沼に引きずり込んで逆転勝ちするのも楽しいんですけどね。

チームも5-2で勝ち、エースを欠きながらの残留に向けて大きく前進しました。チームメイトの安定感すごい。

これ、俺いる…?



えー…いつの間にか年が明けてしまったので、一軍戦後半戦の振り返りはまた後日の更新とさせていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

それでは、あけましておめでとうございます。
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OB錦織

2024-12-29 23:58:22 | くれべりん
 もうすぐ退任します、文総です。前主将が最近、年末なのでブログを更新しましょうと仰せになりました。前々からいつかは日記でこのテーマを扱おうと思っていたのですが丁度いい機会を得たので、僕が心の底から尊敬するOB錦織について書こうと思います。なお、普段の錦織さんはある理由(後述)により僕を含む後輩にいじられることが多いのですが、今回は、お笑いは抜きにして、嘘偽りのない話として何故僕が錦織さんを心の底から尊敬するのか書こうと思います。僕が大学に入ってから今日まで、熱い気持ちを持って将棋を指してこられた理由の大半がそこにあると思います。

 何故僕が錦織さんを心の底から尊敬するのか、その大きな理由は彼の盤に向かう姿勢、将棋に対する姿勢です。
 盤を睨むその姿に滲む闘志、気合、気魄。僕が見てきた錦織さんの容貌は常に、神戸大学を背負って戦っているんだという自負を感じさせるものでした。錦織さんは僕の入学前、丁度コロナにやられて弱った将棋部の運営を文字通り一身に背負っていたようで、事実として在学時は間違いなく神大将棋部の大黒柱でした。だいたい闘志や気合などといったものは目に見えないので文字におこすのが難しいのですが、錦織さんと盤を挟む時にはいつも、他にはない独特のプレッシャーを感じていて、それは正しく殺気、といった類のものだったと思います。
 錦織さんは覚えていないと思いますが、僕にとっては印象深い感想戦があります。詳しい盤面は覚えていませんが、中飛車対三間飛車の相振りです。僕が何の気無しに、こうこうこういう筋だとどう対応するんですか、と聞いた時に、驚くべきことにかなり厳しい口調で言われました。「それ前にも言った」と。僕はこの時、錦織さんは一度見た筋を忘れるのは有り得ない、一度見た筋を忘れるようでは話にならないという意識でやっているんだということを悟り、唖然としたことをよく覚えています。本気でやるとはどういうことか、少しだけ分かった気がします。
 僕も彼のように全力で取り組みたい。僕もあれ程の闘志を持って戦いたい。いつもそう思って、少なくともそう思いたいと願いながら指しています。初めて錦織さんと指した日から今日まで、僕の将棋に対する姿勢の手本は、常に錦織さんです。



 自分が本当に語りたいことは以上です。以下は蛇足です。



OB錦織のココがすごい! ②強い
 錦織さんは普通に強いです。僕は最初に錦織さんと指した時から、少なくとも10連敗はしていたと思います。まあ入学当初の僕の棋力は初段あるかないかなので当然といえば当然ですね。



OB錦織のココがすごい! ③政治がうまい
 僕が入学前の話なので伝聞なのですが、錦織さんはなんとコロナによる凄まじい部員不足のため部長を2年間も務められたようです。さらに部長と主将を兼務していたとかなんとか。絶対王政を敷いて見事に部活を回していた手腕には驚きを隠せません。これだけの激務を乗りこなした能力の高さには、前主将も舌を巻いていました。



OB錦織のココがすごい! ④社会人
 将棋民は留年率が異様に高く、またこんな人が社会進出できるのだろうかと疑いたくなるような人もちらほら見受けられます。え?前部長?
 しかし錦織さんはちゃんと大学をストレートで卒業し、なおかつ就活も成功させ、無事に社会進出を果たされました。社会人錦織さんの素晴らしい点は、なんといっても学生とは桁違いにお財布が潤っていることでしょう。この前の二軍戦でお会いした際には、懐から札束を取り出し僕になんと1000円もするラーメンを奢って下さいました。その偉大さに僕はもう一生頭が上がりません。



 以上のことから皆さんもお分かりのように、錦織さんは立派で偉大な卓越した高潔なウルトラスーパーOBというわけなのです。



 しかし、偉大なるOB錦織さんにも数少ない欠点があります。それは……



OB錦織のココがダメ! ①終盤
 錦織さんは僕に似て終盤が弱いです。この秋の一軍戦でお会いした時に30秒将棋を指したのですが、その鮮やかな序中盤に圧倒されて僕が何もできずに完封されそうだったところを、なんと自ら頓死筋に飛び込んできていただけたので僕は辛くも勝利を収めることができました。たとえ一軍戦に負けてもここだけは負けれんと思っていたので胸をなでおろしました。



 そして錦織さんにはなんと、これ以上に致命的な欠点があります。錦織さんの最も致命的な欠点、それは……



OB錦織のココがダメ! ②勝負弱い
 これを語らずしてOB錦織は語れません。忘れもしない昨秋の一軍戦、就活を終えた錦織さんは学生生活でも一番の準備をして一軍戦に臨んだといいます。実際錦織さんは24の最高レートも大幅に更新し、学生生活最後に神大将棋部を関西A級に昇級させるべく万全の状態であるように思えました。ところが迎えた一軍戦、驚くべきことに錦織さんは、勝ちを期待して送り出した当たりを尽く負けて帰ってくるのです。終わってみれば個人成績は2勝3敗。漢錦織、引退試合で堂々の負け越し。部員一同爆イジり。しかもこの一軍戦、錦織さんは神大勢唯一の負け越しなんですね。錦織さんはこの後、イジり倒した僕を分からせようと愚かにもジャンカラで盤を広げたのですが、その時の僕は冴えわたっており無事4つ目の黒星をプレゼント出来ました。きっちりA級昇級は果たしたので錦織さんがネタキャラと化すだけで済んだのですが、勝負弱さは見習ってはいけないと僕は強く心に刻みました。
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幹事退任挨拶

2024-12-29 14:11:16 | 右四間飛車
初めてブログに書き込みますこの度2024年の幹事を退任することになってしまった葛原です。軽く自己紹介をしておくと山口出身の2回生で好きなものは「ハンバーグ」、嫌いなものは「激痛」です。ツイッターで年末暇であると呟いてしまった結果、ブログを書けと上からの圧力熱いリクエストを頂いたため今回更新することになってしまいました。現に神戸から山口までを鈍行で帰るなどという奇行に走っているため実際のところかなり暇ではあります😪

新快速に乗っているものの地元まで80駅ほどでおよそ7時間(!?)かかる予定です。頭おかしいんか

特に書くことも無いのでしゃーなしですがリクエストにお応えして令和6年秋季一軍戦の振り返りでもしようと思います。

1戦目 京都大学 古藤さん ボロ負け
あまりにも見どころが無いため割愛
お相手が強いということもありましたがガチでなんだったんだあれ



2戦目 立命館 市川さん
立命館相手に1発入れてやると気合を入れての2局目は思ったよりも早く自分の研究から外れてしまいました。研究が外れてしまった局面がこちらです。


>定跡ピヨ
黙れ殺すぞ

とまあ圧倒的勉強量不足で角換わりなんぞ後回しにしていた弊害が現れました。じゃあ今までどうしていたのかって?角交換しませんようにと必死に念じていました。それでどうにかなっていたウォーズにも責任がある。ここで将棋で1発入れるのは諦め物理で1発入れようと気を取り直しました。

とは言ってもまだ序盤(3手目)ですので1発入れるのはもうちょっと後でもいいかなということで進んでいきます。


戦型はこのように右玉ーバランス型となりました。なぜ右玉にしたかというと角道を開けない偉大な先輩が使っていて力戦になりやすいのではと思ったからです(浅はか)。力戦でももちろん分は悪いですがハメ殺されるよりはマシです。ミリしら右玉でどこまで行けるかという戦いになって進んでいきます。


(将棋が終わる音)

終わりました。ここで手が出なかったのは普段からアットホームな部活で煽られ慣れている過ごしているおかげだと思いました。ありがたや

龍作られて大体終わりですが団体戦のためもうちょっと指してみることにしました。特にやることも無いので適当に歩でも突いてなんか角打ち込めんかなあなどと思っていると


次の1手










正解は


気持ちがいい

これでと金が取れて龍に当てられて角銀交換が望めるためちょっと元気出てきました。1発入れるために握っていた拳をそっと納めました。

こうなってみると離れていた金がくっついて下段の飛車も効いており、対する相手は玉頭の歩を払う必要があり、だいぶ指しやすくなりました。龍作られたところも全て読み筋です。

元気が出た僕は止まりません

最善手



最善手


珍しく最善、次善が手順前後ありながらも続いていきます。



とうとうお相手の玉の守りが龍1枚に、!!!ここでお相手の勝負手が飛んできます。


なんですかそれは

取って飛車と角銀交換してもいいし飛車逃げて何があるんだろう…?秒読みでよくわからないながらも出されたものは食べる主義の僕は取ります。

83での精算後91に飛車を打たれました。詰めろということで駒を渡したく無い(ケチ)僕は玉で飛車を取りに行きます。そこで83に桂を打たれたため玉の守りも兼ねて金を寄ります





金を寄る!?それだけはアカン。この好機をお相手が逃してくれるはずもなく愚か者はセルフ5手頓死しましたとさ。


後でソフトに入れてみると最大3000ほどあったようで初めてのパチンコで溶かした2万5000円に次いで溶かしたランキング暫定2位となりました。以降は勝負所も続き試合に出られるはずもなく僕の出番は終了しました。詰めチャレだけではいけない、もっと勉強が必要だということがわかりました。反省は色々ありますが悩んでても仕方ないのでこの辺にしときます。










まだ岡山も出てない?




もうちょっと書くか…




特に書くこと無いですが文字数稼ぎも兼ねてチャーハンのレシピでも書いておきます。

チャーハン(1人分)
・お米 一合(僕は炊き立ての方が好み)
・玉ねぎ 1/4玉
・ウインナー 2本
・卵 1個
・創味シャンタン 8センチくらい(缶の場合は大さじ3/4くらい)
・醤油 少々
・胡椒 少々
・油 程よく

1.玉ねぎ、ウインナーを3〜5ミリ角のみじん切りにする。
2.油をしいたフライパンを強火にかけ、卵を入れる。
3.卵をフライパンの中で混ぜ、半熟になってきたらご飯を入れ卵が焦げる前によく混ぜておく。
4.玉ねぎ、ウインナーを入れ油を少し追加する。このときご飯のダマを潰しておくとよい。
5.創味シャンタンを入れ鍋を振れるだけ振る(IHでも)(飛車は振る必要がありませんが鍋はあります)
6.混ざったら醤油を入れ、少し焦がせたら胡椒をお好み入れて完成!

5日前締め切りの大事なレポートの存在を思い出しました。さようなら
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秋期一軍戦振り返り(文総)

2024-11-24 16:17:06 | くれべりん
 初めて日記を書きます。暮部です。
 先日の一軍戦の個人的な振り返りをしたいと思います。チームとしての振り返りは主将がやってくれるかもしれません(適当)。
 

 この秋、神戸大学はエースをはじめレギュラー複数人を欠き、戦闘員不足の様相を呈していました。そのため、前回までは神大専属実況者であった僕もそれなりに頑張らなければならない立場となり、一番端で3局出場することになりました。出場すれば必ず大将なので振り駒も経験することになるのですが、実はこれまでの学生大会で僕は8割以上先手を引いているので大将としては適任だったかもしれません。

龍谷大学戦
 小島さんとの対戦になり、珍しく後手を引きました。小島さんの振り駒が強かったです。対抗形の序盤、互いに玉の移動以外全く囲えていない状況で小島さんがおそろしく速い仕掛け、オレでなきゃ見逃しちゃうねこの仕掛けが無理気味だったようでわずかにこちらが良くなり、そのままリードを拡大して迎えた最終盤。

 ここで52歩と打てばお相手の攻めが完全に切れ筋であり、こちらの勝ちになっていました(感想戦で指摘されました)。本譜は彼我の玉形差を顧みず、何故か64角が攻防手だなどとふざけた判断をして、51飛と繋がれます。以下37角成と攻め合いましたが、こちらの金無双金抜きの囲いでelmo囲いに攻め合い勝ちできるはずもなく、当然の速度負け。お粗末な速度計算でした。

同志社大学戦
 上條さんとの対戦になりました。右玉模様のお相手にこちらが玉頭から殺到して迎えた次図。

 ここで65銀と出ていればこちらが相当良かったようです(感想戦で指摘されました)。実際65銀は、第一感ではありました。以下55角には64歩73金81飛から91香を拾って74香と打ち込めば相手玉はほぼ潰れ。76歩の取り込みには74銀が好手で、64歩と受けるくらいですが63銀成。同玉は61飛の打ち込みが厳しくこちらが勝勢。同金には42飛の打ち込みが王手角取りでこの変化も当然こちらが勝勢。しかし実戦では読みの中でこの王手角取りを見落として、65銀は今一つ戦果が上がらないとの判断で81飛と打ちました。これでもややリードを保っているのですが、ここから突然疑問手を連発しおかしくしてしまいました。互角~わずかに苦しいくらいと思って迎えた次の図が本局のハイライト(笑)です。

 この突き出しが厳しい。まず同歩は56角が王手金取りになるので論外。第一感は28玉でしたが、47歩成同金35桂に46金は58角が厳しく、48金には45角が詰めろ金取りで負けだと思いました。
 よって28玉の変化は断念し、本譜は強く同歩


何してんの?????
 この角を打たれた瞬間絶叫しそうになりました。個人戦なら投げていたかもしれません。しかし舞台は一軍戦、金はただで取られようとも自分が神戸大学を背負っていることだけは忘れていなかったので、如何にも読み筋ですという顔をして気合を入れなおし、以下頑張って嫌味を付けていきました。この角打ちに心が折れなかった点だけは自分を評価しています。ただ元が大差で、最後は物量に物を言わせて詰まされました。
 個人としては本当に酷い将棋で初日を終えました。チームが勝っていたので良かったものの、これで3-4負けでもしていたら僕はその場で腹を切り、会場の龍谷大学を鮮血で染め上げていたかもしれません。ただただ僕以外の人が強かったです。

大阪経済大学戦
 この一局は自分にとって、自分が将棋を初めてから今まで指してきたどの将棋よりも大きな意味を持ちます。振り返ると今年一年僕は、この一局に勝つために将棋を指してきたんだと思います。
 自分が大経戦に出場することは初日を終えた時点でほぼ決まっていました。神戸―大経戦は十中八九次のオーダーになると思っていました。
1. 暮部―岡田
2. 中森―藤井
3. 佐藤―岡
4. 西田―山田
5. 青柳―丸山
6. 岩井―荒内
7. 田中―野口
 上記のオーダーになれば3,5,7を神戸が取り、2,4,6を大経が取ることが濃厚だと思います。これは誰が見てもそういう目算になると思います。このとき3-3になりますね。つまり僕が勝てばチームは勝ち、負ければチームは負けです。そして僕は他の6人に比べると明確に棋力が一枚落ちるので、1.がガチンコになると思います。岡田さんの棋力は正確には分かりませんが、僕のほうがわずかに強いかトントンくらいだと思っていました。そして状況的には、大経戦に勝てば残留、負ければ降級がかなり濃厚でした。
 要するに、自分の認識では、大経戦で僕が勝てば神戸大学は残留、負ければ降級でした。
 時々西田が「格上と当たりたい、同格は嫌だ」と言っていたのを思い出しました。西田は強い人と指したいんだなあ、とぼんやり思っていたのですが、勝ち星に計算されて団体戦に出場する状況に立たされた今回、初めてその本当の理由が分かりました。負けられない相手が来た時に背負う責任の大きさ故、です。それと同時に、同期の岩井と西田は1年の春からこの責任、プレッシャーを背負ってずっと戦ってきたんだなと気付きました。彼らに対する見方も変わりました。
 大経戦までの一週間はこの責任の重さに、常に吐きそうになりながら指していました。前日は当然早く寝ようと思っていたのですが、布団に入っても何か心臓が締め付けられている感覚に苛まれて寝付けませんでした。布団の中で意識を失うまでに数時間かかったと思います。まぶたの裏の暗闇に積み上げてきた研究を並べなおし、延々と、俺は強い、俺は強い、俺は強い、と自分に言い聞かせていました。自分の勝ちでチームの力になることをずっと望んでいたはずなのに、いざ背負った責任の重みは我が身を苦しめるものだったんですね。それと同時に、この苦しみこそが大学を背負って戦う誇りなんだなと思いました。
 当日、蓋を開けてみると自分の相手は田村さん。全くのノーマークで動揺しましたが、将棋自体は中盤の折衝で角得し、そのまま押し切ることができました。とにかく安心した、という感想です。

 僕が指した将棋は以上の三局となります。一軍戦を終えた今、自分の世代はもう学生将棋の折り返しなんだなと思うと、時の流れを早く感じます。今回以上にチームの力になれるように、次の春まで邁進していきます。

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