EKKEN♂

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さようなら・・・

2004-07-19 | 小説のようなもの
パソコンに向かって、見知らぬ人と交流し、そして気付けば、それがないと寂しくてたまらない。
そんな状態がここ何週間も続いている。
僕はもう立派なネット中毒者だ。
医者に行ったほうが良いのかも知れない。
が、医師に「ネット依存症かもしれません」なんて言えないし、
向うから言われることにも耐えられそうにもない。

僕を楽にしてくれ。
この寂しさから、誰か救ってくれ。

いや、他人に頼っていては駄目だ……
自分で、ネットから逃れる方法を探そう。


そうだ、死だ。
死をもって、自らネットとは無縁の世界に旅立とう。

簡単なことだ。








用意した物。




???

朱肉を30センチ定規の側面に塗ってまっす!





ハイ、完成!!






リストカット:リスカ
ふははははっ! 人がゴミのようだっ!


それは、ムスカ

BGM:HARUOMI HOSONO with FRIENDS OF EARTH
BODY SNATCHERS


むだづかいにっき、最後の日

2004-07-11 | 小説のようなもの
goo BLOGにある裏機能、ご存知でしょうか?
goo BLOGユーザーの各blogには、必ず鉛筆マークの付いた「BLOGの作成・編集」というリンクがついていて、goo BLOGにログインした状態だと、自分のblogの編集画面に移行しますよね。
話は突然変わるのですが。
あまり大きな声では言えないのですけど、皆様には「嫌いなblog」ってありませんか。
無いというあなた、あなたはとてもいいひとです。これからもいい人であってください。
ついでに僕のことも嫌いにならないで。
で、正直な所、嫌いなblogってのは、誰にでも一つや二つあると思うのですね。
いや、僕はここでそれを暴露しようなんて気はありません。
冒頭で述べた、goo BLOGに裏機能を使って嫌いなblogとオサラバすれば済む話なんですから。
さて、その禁断の裏ワザ伝授を致します。
まずは、あなたの嫌いなblogを開いてください。
で、「BLOGの作成・編集」のリンクをキーボードの「F1」と「ctrl」ボタンを押しながら開くのです。そうすると、どういうわけか、あなたのではなく、その嫌いなblogのID が入った編集画面が開かれます。
そこで迷わず「退会する」のリンクをクリックしましょう
(図を参照のこと)


但し、これはたいへん危険な技です。一人のクリックだけでは消えません。
goo BLOGの裏規定では、100人のbloggerがこのクリックを押した時点で、そのblogは開かなくなり、他所からのリンクで開こうとしてもgoo BLOGのTOPページに飛ばされます。
で、僕は今、殺してやりたいほど嫌いなblogが、全部で200個くらいあるのですが、今度、そのblogを消去する為に抹殺キャンペーンを開こうと思ってます。

……というところまで書いて、投稿するために自分のblogを開こうとしたのですが、ナゼか分からないのですが、なんどやってもgoo BLOGのTOPページにしか行けません。


ひょっとして?

goo BLOGからメールが来ました。
おめでとうございます。goo BLOG裏機能のサービス開始からわずか12分という記録を持ちまして、あなたのblogが最短時間で消去されました。
新たにgoo のIDを取り直すか、livedoorにでも行きやがれ。


赤い足跡

2004-05-24 | 小説のようなもの
「なんだ、オマエも話考えられなかったのかよ!?」
僕が「ここの世界」へ来るなり、そばにいた同年代のヒゲ男は話しかけてきた。
「ここ」がどこなのか、僕にはよく分からなかったが、どうやらヒゲ男を始めとして、周りにいる者たちは、「赤い足跡」という言葉を聞いたものの、それにまつわる話を作ることが出来なかったらしい。僕もまた、例外ではなかった。
「赤い足跡」の話を聞いて、その話を作れなかった者は赤い足跡を残して消えてしまう…
若い者たちの間では、恐怖の都市伝説として知られているようだけども、そういう都市伝説があることを知っている若者は、はたして本当に「赤い足跡」まつわる話を作り上げたのだろうか?
しかしながら、僕が引っ張られた「ここの世界」の様子を見ると、「赤い足跡」にまつわる話を作り上げられなかった、ということだから、少なくとも都市伝説を知っていて、「ここの世界」に来ていない人は何らかの話を作り上げたに違いない。
「赤い足跡」の都市伝説は、僕は「恐怖の伝説」として知った物だけども、口裂け女のような他愛もない話としか思っていなかったし、そもそもどこに消えるんだくらいにしか思っていなかったものだから、最初からそんな物を作る気もなかった。
そして3日たった。
気がつくと、僕は「ここの世界」に来ていた。
別段、前にいた世界と変わらないような気がする。
違う事といえば、こちらの世界の人は、全員が「赤い足跡」にまつわる話を作れなかったことを自覚していることくらい。
まだこちらに来て間もないせいか、特に不自由は感じていないし、せいぜい明日からどうやって生計を立てようかが気になるくらいだ。
周りの連中は、取り立てて定職に就いているようにも見えないし、生活に困って見えるわけでもない。
もしかしたら、今までいた世界よりも生きていきやすいのかもしれない、と楽観的に考えてみた。

すると、さっきのヒゲ男が、また話しかけてくる。
「実はよ、夕べオレ、緑の足跡の話を聞いちゃってよ…」


TB:砂蜥蜴と空鴉:赤い足跡

コウモリだけが知っている

2004-05-04 | 小説のようなもの
「むはははははは」
 平和な暮らしをしていた我が家に、その笑い声が聞こえてきたのは、雪もほとんど消え、日増しに暖かくなってきた、ある春の日の夕食のひとときでした。父も母も妹も、もちろんぼくも、その笑い声が聞こえてきた方向──天井を一斉に見上げました。そこには、全身黒ずくめ、顔にも身体にも、金色でガイコツの模様が施された男がへばりついていました。
「黄金バットだっっ」
 そいつは言いました。父も母も妹も、もちろんぼくも、あっけにとられて目が点になっていました。
 ひらり。
 自称"黄金バット"は天井から降りてきました。
 ちゃぶ台の真中においてあったすきやきの鍋に、右足を突っ込んだので、せっかくの牛肉が台無しになりました。
 黄金バットも火傷をしたらしく、右足を上げながらぴょんぴょん飛び跳ねていました。父も母も妹も、もちろんぼくも、ちゃぶ台の上に惨めに散乱したすきやきと、「あじ~~っっ」と叫びながら走り回っている黄金バットを見比べながら、悔しさのあまり涙を流していました。
 黄金バットはぼくたちに気付きました。
「はっはっはっ、こりゃ失礼。なになに、ちょっとお鍋がひっくり返っただけです。味は変わりませんって……」
 黄金バットはそう言うと、牛肉を一切れつまみあげ、しゃれこうべのお面から口だけ出すと、それを放り込みました。彼は人差し指を立てて、それを小さく横に振りながら、
「ちっちっちっ、ちょっと甘いぜ。お母さん、醤油はやっぱり、キッコーマンよ」
と言いました。そして、お面を元に戻すと、再び笑いだしました。
「むはははははは──黄金バットだっっ」
 父も母も妹も、もちろんぼくも、心なしか拳がぷるぷる震えているのを認めました。
「ところで諸君。今怪しい奴がここに来なかったかね? ええと、全身黒ずくめ、顔は金色のガイコツで、黒マントをしているのだが……」
 父も母も妹も、もちろんぼくも、込み上げてくる怒りを抑えながら、首を横に振りました。
「そうか。それでは諸君、また会おう。むはははははは」
 それから何分たったのかは、分かりません。ぼくたちは突然聞こえてきた笑い声で我を取り戻しました。
「むははははは」
 がちゃん。
 窓ガラスが割られました。
「黄金バットだっっ」
 そいつは言いました。先程の奴より、ちょっと長身です。別人だという事はすぐに分かりました。
「今、怪しい奴が来なかったかね? 黒ずくめで、顔はがいこつ、マントもしている……」
 父も母も妹も、もちろんぼくも、込み上げてくる怒りを抑えながら、頷きました。──いえ、父はいませんでした。父が座っているはずの、ぼくの向かい側には、いつの間にかもう一人、別の黄金バットが座っているではありませんか。
「むはははははっっ──黄金バットだ。今怪しい奴がここに……むっ、あいつだ~っ」
 三人目の黄金バットは、ガラスを割って入ってきた黄金バットを指差しました。
「や、やばいっ」
 二人目の黄金バットは、
「それでは諸君、また会おう! むはははははは」
 と言って、夜の空へ飛んでいきました。
 三人目の黄金バットも、そいつを追って駆け出していきました。
 父は、いません。
 数分後、また不気味な笑い声が聞こえてきました。
「むははははははははは」
 平和な暮らしをしていた我が家に、その笑い声が聞こえてきたのは、雪もほとんど消え、日増しに暖かくなってきた、ある春の日の夕食のひとときでした。
 あれから二年が過ぎます。
 父は、まだ帰ってきません。


Doughnuts Shop

2004-05-02 | 小説のようなもの
 僕は妻と二人で小さなドーナツショップを経営しているのだけれども、ここに毎日やって来る変わったお客さんがいる。彼はタ方の六時きっかりに(一分先にも、一分後にも、ということなく)木製のドアを押して入ってくる。
「いらっしゃい」
「…えと、いつもの……」
 彼はトレンチコートの襟の中から申し訳なさそうにして,オーダーする。
 ――決まって、リングドーナツを三つ。ドーナツ屋の僕がいうのも変な話だが、毎日ドーナツばかりで飽きないものだろうか。
「お客さん、いつもタ食はドーナツですね?」
「うん、まぁね。私たち自動販売機は一日一食だからね。一番好きなものを食べるんだ」
「自動販売機って、ドーナツがお好きなんですか」
「いや、私だけさ。隣で働いているコーラの販売機はいつもラーメンばかり食べているよ」
 彼は缶コーヒーの販売機なのだ、彼の話だと、ヤクルトの販売機はアンバン、チューインガムの販売機はカツ丼、アイスクリームの販売機はカレーライスが好きなんだそうだ。
 彼の変わっているところは、もう一つある。不思議なことに、オーダーしたドーナツは食べないのだ。食べるふりをするだけで、口をつけずに皿の上において帰る。お金は払っていくので、別に損はしないが、うちのドーナツがおいしくないのだろうか、と気になる。
「あの、お客さん、うちのドーナツ、まずいですか?」
 すると彼は二ッコリ笑って答えた。
「いや、とんでもない。私の知っている店では一番うまいね。マスター、ドーナツの一番おいしいところはこの穴の部分なんだ。だから私は穴しか食べない……本当にマスターのドーナツは最高だよ」
「それはどうも……」
 それから二、三分後、彼は「ごちそうさま」と言って帰っていった。
 後に残された三つのドーナツ。僕はそれを一つつまんで食べてみた。気のせいか、少し味が薄くなっていた。


 半年たった今も、彼はほぼ毎日のようにうちにやってくるが、僕は依然としてドーナツの穴がそんなにおいしいのかどうか分からない。
 何故かって?
 そんなのあたりまえだよ。
 だって、僕は自動販売機じゃないからね。

かわいそうなライオン

2004-04-30 | 小説のようなもの
これは、小さい頃、親戚のおじさんから聞いた話です。「かわいそうな象」という物語を知っている人は多いと思います。これは、いわば「かわいそうなライオン」のお話です。
戦時中、東京にも空襲されるようになると、上野動物園では「檻が壊されて動物が逃げ出したらどうしよう」という話題が持ちきりでした。
「かわいそうな象」のお話を知っている人ならご存知でしょうが、その為に罪のない動物は、次々と毒殺されていったのです。可哀想ですね。
ライオンは猛獣なので、逃げ出したときの危険度も高いとされ、憲兵達は毎日のように「早くライオンを処分しなさい」と園長や飼育係を責めていました。ところがここのライオンはとても利口だったので、毒の混ざったえさには見向きもしません。
そして空襲が激しくなってきたある日、とうとう檻は壊され、ライオンは逃げ出してしまいました。ライオンはひどく興奮し、いつも面倒を見てくれていた飼育係の言うことも聞きません。そして、とうとう日本橋近辺までたどり着きました。走りつづけたライオンも、どうやらここで力尽きたのでしょう。ここぞとばかりに、警官が発砲しようとしています。飼育係のおじさんは、なんとか生かしたまま捕まえて、どこか地方の動物園に引き取ってもらおうと思っていたのですが、その思いもむなしく、ライオンは撃たれ、そして生き絶えてしまいました……
飼育係のおじさんは悲しみました。
動物好きの子供たちも「ライオンがかわいそう」と泣きじゃくりました。戦争が終ると、このかわいそうなライオンのことを忘れまいと、いろいろな所から寄付が集まり、ライオンのブロンズ像が作られました。ライオンが生き絶えた場所、日本橋は三越デパートの前に、そのライオンは今でもその勇姿を見せています。


ホントーです。