EKKEN♂

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Reading Baton

2005-06-23 | 本の話
 バトン系のネタにのるのはもう無いだろう、と思っていたのですが、てとさんからReading Batonが廻ってきました。
 てとさんは一軒家@メモ帳というニュースブログの運営者なのですが、当ブログをかなり早い段階から取り上げていただいており、何かとお世話になっている方なので、お礼の気持ちを込めて参加します。
 
 なお、これ以降、バトン企画を廻す場合、スルーされるか、その先に廻らない事をご承知の上行ってください。
 
■今部屋の棚に並んでる蔵書の冊数
 数えた事は無いし、数えようとも思わないのですが、コミック込みで、たぶん300冊くらい(子供の絵本は除く)。
 ウチのローカルルールで、それほど大きくない安物の本棚に納まらなくなると、処分しなければならない決まりがあるのです。手塚治虫の漫画と、国産ミステリ、椎名誠のエッセイに生物学関連の新書が多いです。実家にはこの3倍以上の文庫本が、みかん箱にぎっしり詰められて地下室に放置されております。
 
■最後に買った本(マンガ)
 う~ん、なんだろう?
 最近は図書館から借りてくる事が多いので、曖昧な記憶ですが、たぶんさくらももこのまる子だった

■今読んでる本(マンガ)
 現在進行中で読んでいる本はありません。
 これから読もうとしているのは、宮部みゆきの火車
 あ、そういえば、ドーキンスの利己的な遺伝子を十年以上読み止しのままにしてあるな……
 
■よく読み返す本、または自分にとって特に思い入れのある5冊

オヨヨ島の冒険 小林信彦『オヨヨ島の冒険』
 大阪万博の頃のライトノベルです。兄が所有していたのですが、この本を読んだ事で、活字中毒者になりました。時事ネタも多いので、今の若い人が読むと分からない部分があるかもしれませんが、SFミステリコメディパロディ痛快アクションで、マンガを読む感覚でさらさら読めて、何度読んでも面白いです。

アド・バード 椎名誠『アド・バード』
 これが国産SFの最高傑作です。国産SF一冊選べと言われたら、安部公房の『人間そっくり』とどちらを選ぶか迷う所ですが、分厚いながらも、摩訶不思議な世界観にぐいぐい引きこまれるこの面白さは、映画「ブレードランナー」が好きな人にオススメします。

サスペンスは嫌い パーネル・ホールの「友達になりたい探偵」シリーズ。
 画像が「サスペンスは嫌い」になっているのは、このシリーズのAmazon画像が、コレしかなかったから。
 頼りないけれど、憎めない、こんな人が友達だったらいいな、という人気シリーズは、僕がもっとも好きな翻訳ミステリのシリーズものです。ピーター・ラヴゼイ『マダム・タッソーがお待ちかね』、ギャビン・ライアル『深夜プラス1』の候補の中から選んだのは、やっぱり画像があるから……
 だけではないです。ホント、面白いよ。登場人物もそんなに多くないし、主人公が何でもできる万能タイプじゃないので、「そんなのアリかよッ!」という強引な展開が少ないのが好みなのです。

宇宙家族カールビンソン 1 (1) あさりよしとお『宇宙家族カールビンソン』
 いや、特に思い入れが強いわけではないのですが、最近人気のある「ケロロ軍曹」だかいうアニメ、僕は良く知らないのですが、テレビブロスの特集を読んでいたら、「ケロロって、カールビンソンの後発だな」と思ったので。ストーリー自体はそれほど面白くないけれど、マニアックなSFネタ、特撮ネタがてんこもりで、ぶっちゃけ、ヲタな薀蓄がないとサッパリ面白くないかも。ヲタ対象がSFに強く向いている人には、横山えいじ『宇宙大雑貨』も、オススメします。

人間失格 太宰治『人間失格』
 生まれてスイマセン。




■バトンをまわす人  あまり廻したい気分ではないので、以下の3名へ。
 ラーメン日記の小池さん
 柔らな風のダイザエモンさん
 悪魔BLOGのフドーさん

 よろしくお願いします。

最近読んだ本

2005-06-20 | 本の話
 ブログの更新意欲が下がりっぱなしです。
 そんなわけで、週末は読書タイム。
 最近読んだ本はコレ。
猫めしの丸かじり パンの耳の丸かじり
 どこからでも読み始められ、読書中に急用が入っても、いつでも休止できる「通勤途中に読みたい本」ナンバーワン、これが東海林さだおの「まるかじりシリーズ」なのです。いや、自宅で寝転がりながら読んだのですけど。爆笑できるほどの面白さではないですけど、親しみやすい文章から時々ニヤっとさせられる笑いがあったり、東海林氏の「こんな事思っているのは自分だけ?」と言うような問いかけに、クイズ100人に聞きましたの観覧席のごとく「あるあるあるあるあるあるある(←うるせー)」と言いたくなるあたりが面白い所。20冊以上のシリーズなのですが、どれもオススメです。
 欠点は、順番通りに読んでいかないと、読んだものかそうでないものなのか、分からなくなってしまうところ。
 リズム感のある文体なので、読みやすい文章を書くための参考書にもなると思います。
 猫めしの丸かじり 
 パンの耳の丸かじり 

枯葉色グッドバイ 第6回サントリーミステリー大賞・読者賞を獲得した『ぼくと、ぼくらの夏』を読んで以来、樋口有介ファンなのですが、知名度から考えると、世間の評価はあまり高くないのでしょうか。キザな探偵を描かせたらピカイチだと思うんだけどなぁ。本作は元刑事のホームレスという異色の設定ですが。樋口作品は、トリックやアクションで魅せるというより、キャラクターの魅力を楽しむタイプだと思うのですが、『枯葉色グッドバイ』は、推理部分も非常に面白かったです。
 樋口作品、僕のオススメ→『風少女』、『探偵は今夜も憂鬱
 枯葉色グッドバイ 
 
なぎさボーイ 多恵子ガール 北里マドンナ
 30過ぎの男がコバルト文庫ですよ、奥さんっ。20年近く前に読んだものを再読。
 『なぎさ~』と『多恵子~』はそれぞれほぼ同時期の少年少女を、それぞれの視点から書かれたもので、こうした試みは当時珍しかったと思います。『なぎさ~』の方はなんとも中途半端な終わり方で、これだけ読むと消化不良をおこしてしまいますが、『多恵子~』でそのもやもや感を解消。この2作品から時間を置いて出された『北里~』は、なぎさ&多恵子の友人の視点で、前2作の少し後の話を書いたもので、30過ぎのオッサンが読んでもなかなかサッパリとした読後感がありました。単独で読むと、人間関係がわかりにくい部分があるので、『北里マドンナ』を楽しむ為に、『なぎさ~』&『多恵子~』も読む事をオススメします。いい歳こいて書店でコバルト文庫を買うのは抵抗があるでしょうから、ゼヒともカバー画像リンク先から!!
 なぎさボーイ 
 多恵子ガール 
 北里マドンナ 

 リンウッド・テラスの心霊フィルム―大槻ケンヂ詩集(カバー画像無し)。
 熱狂的なファンではないけれど、好きな邦楽アーティストの一人が大槻ケンヂなのです。筋肉少女帯はヒットした「日本印度化計画」くらいしか知らないけれど、結婚したらオマケでついてきた大槻ケンヂソロアルバムが、僕のココロを熱くしてくれました。ヘタウマなボーカルに乗せられた味のある詞がたまりません。
 ただし、この詞を本で読むと、僕にはどうもしっくり来ないのです。やっぱり音に乗せられて、大槻ケンヂのボーカルがあってこそ、響いてくるものがあるような気がします。
 リンウッド・テラスの心霊フィルム 
I STAND HERE FOR YOU
B00005GRNB 大槻ケンヂ 増田隆宣 リック・ニールセン チープとっくり

おすすめ平均
starsオーケン・ソロアルバムの最高傑作!
starsオーケンのような彼氏だったら・・・
stars鬱や自殺志願者へ

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「へんないきもの」を読んだ。

2005-04-10 | 本の話
 先日、出張旅費が余っていたので、前から気になっていた本を買ってしまいました。
 へんないきもの
 なんというか、これ、大人の図鑑ですよ。いや、えっちな内容ではないのですけど。
 勉強嫌いなくせして、アフターマンとか、そんなバカな!―遺伝子と神についてといった、生物学関係の本が好きでして、半年ほど前に書店の片隅で見つけたこの本を、いつか買ってやろう、と目論んでいたのですが、このところ滅多に書店には近づいていなかったものだから、半分忘れかけていました。
 近所の大型書店の平台にあったのを見て、思い出し、購入。
 どうやら話題の本であったらしく、blogmapでもこんなに取り上げられていました
 実在するユーモラスな生き物にスポットを当てて、モノクロながら綺麗で写実的な絵と、軽妙な語り口の解説文(というか、エッセイ)に思わずニヤリと笑ってしまいます。
 バジリコ株式会社という、聞きなれない出版社(失礼)から出されていて、ハードカバー1,500円なのですが、下手な映画を見るよりは楽しめます。こちらで立ち読みも出来ますので、ご覧になってください。僕としては立ち読みコーナーにはでていない、プラナリア(ややグロあり、注意!)のページの文章が非常に面白かったです。
 普通の生物図鑑には載っていないような生き物がたくさん出ていて、図鑑好きのウチのガキンチョも喜んで見ております。
 
 ▼お気に入りの生物本▼

へんないきもの
早川 いくを

アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界 そんなバカな!―遺伝子と神について イカはしゃべるし、空も飛ぶ―面白いイカ学入門 ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学

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「ハサミ男」の映画化

2005-03-21 | 本の話
 そういえば、これの映画化作品、もう上映されているんだっけ。

ハサミ男 ここでも書いたのですけど、ハサミ男、僕がこれまでに読んだミステリの最高傑作でありまして、恐らくは今後もこれを越える作品は読めないのではないだろうか、と思うのです。そういう意味では、あまりの面白さに他のミステリの面白さを奪ってしまった「読まなきゃよかった」と言う作品でもあり、いや、待て待て、おまーら、コレ、絶対面白いからとにかく読めや! と絶大な自信を持ってオススメするスーパーエンタテイメントなのです。

 これが映画化されると聞いたとき、おいおいおい、ちょっと待てよ、と僕は思いました。既に小説を読んだ方ならお分かりかと思いますが、この作品、どう考えても映像化が不可能です。

 映像化してしまうと、トリックが成り立ちません。あんまり詳しく書いちゃうとアレなんで、まぁとにかく面白いから、読め読めなのですが、トヨエツ目的で目をハートマークに輝かせて映画館に行くオバハンはともかく、先に映画を見てしまったために、この小説に触れずにこの先一生を過ごすのは、あまりにもったいないので、とにかく映画より先に読むべしッ!

 

 

 

 といっても、僕はこの映画、まだ見ていないので、よく分かりませんが。

 CINEMA TOPICS ONLINE作品紹介『 ハサミ男 』を読むと、どうやら原作そのまんま、ということはなさそうです。映像化不可能な作品なんだから、当たり前って言えば当たり前なのですが。

 

 

 ところで、僕は未だにこれを超えるミステリに出会えずにいます。

 誰か自信を持ってオススメできる、読み始めたらやめられない、かっぱえびせんみたいな国産ミステリをご存知の方がいれば、教えてください。

ドラゴンボールって、面白かったの?

2005-03-18 | 本の話
 30過ぎた大人が少年向けマンガについて、あぁでもないこうでもないなどと愚痴を垂れるのはどうなんだろ、と思いつつ、つら~っとして書き綴ってしまうのです。根がヲタだから。
 
 数年前まで、結構長い間、週刊少年マガジンを愛読していたのですが、最近ラーメン屋なんかで手にとっても、読むところが全くない、という事実に気付いてしまいました。
 それは単に「連載物の抜き出した1回を読んでも話がわからない」ということではなく、掲載されたマンガに魅力が全くないからなのです。
 特に少年ジャンプのマンガの質の低さは、酷い物です。
 最近人気があるらしい「デスノート」とかいうのは、長い話の一部を読んで、「これ、最初から読んでみたい」と思うものでありましたが、後は読むに耐えないつまらないマンガのオンパレード。ちょっとえっちな萌え展開の「いちご100%」は、昔から少年マンガにありがちな定番路線なので良いとして(但し「少年向け」を中学生まで、と括った場合、ちょっと感心できない描写はあるが、現実的に「少年向け」マンガ雑誌の読者は大学生がメインだったりするからなぁ…)、ジャンプって、20年前から全く進歩のないマンガ雑誌ですね。
 そもそもの元凶は、アンケート至上主義による「万人が面白いと思うマンガ作り」ではないかと思うのです。
 アンケート至上主義については、こちらのサイトでうまくまとめられていると思うので、ご参照ください(愛・蔵太の気ままな日記経由)。
 
 僕が思うのは、アンケート至上主義のマンガ雑誌は「万人がそこそこ面白いと思えるマンガ」は量産できるけど、「ある一人の読者の心を掴み取るマンガ」は生まれないということ。まぁ「本当に面白い物」にであったことのない、商業主義にまみれたマンガしか読んでいない「質の低い読者」が多いから、彼等は真剣に、アンケート至上主義マンガ雑誌を面白いと思っているのかもしれませんが。
 ジャンプマンガを読むと、どうもマンガ家自身がストーリーの展開を考えているのではなくて、編集スタッフの強い意向によってしか進行していないような物が、あまりに多いような気がします。
 その代表的なものが、鳥山明のドラゴンボールですね。今現在25歳~30歳くらいの人の中には、面白かったマンガの筆頭に挙げることが多いのではないか、と思う1冊(コミックで40数冊あるとかいうツッコミをするやつは、あっちいけ、シッシッ!)ですが、連載開始当初は、独特の世界観と鳥山明のセンスの良いキャラクターが光っていて確かに面白かった物の、ドラゴンボールファンならお気付きのように、あのマンガ、作者自身が途中で何度も止めたがっていましたよね。
 最後のコマに「ドラゴンボールはもうちょっとだけ続くぞい!」というような台詞、一体何回あったことでしょう?
ドラゴンボール 完全版 (1) ジャンプコミックス
 僕はコミックを持っていないので、正確には記憶にないのですが、かなり早い段階で「ストーリー的にはここで終わってもいいだろ」という時に、亀仙人がコマの隅っこで言っていたと思います。
 あそこで終わっていれば、僕の中でも名作マンガとして心の中に残っていたと思うのですが、当時「カネヅル」であったドラゴンボールを終了させることは、集英社が認めませんでした。
 それでも鳥山明さんは非常に才能ある人だから、その後の作品の質を何とか維持していましたが、その維持の仕方が、あまりに「バカマンガ」の方向性であったと。
 ブログ始める前にやっていた掲示板のログに、こんなのありました。
オリ(*)としては「あの」
ズバババ、シュバババ(**)→「解説の回」→ズバババ、シュバババ→「解説の回」
のローテーションよりも、その「台詞回し」と「強さ描写が出来なくなり」
前、異常に苦労した敵を「こき下ろす」ことでしか、今の孫くんなり敵の強さを
説明できんのが阿*くさいと思う次第であります

ただ、あれは鳥山なりの毒かも知れん


華奢ーん氏の発言より抜粋。伏字は原文のまま。
この掲示板は既に閉じてあるので、リンク先は示しません。
注(*)「オリ」……一人称の「オレ」
 (**)「ズバババ、シュバババ」……戦闘状態のこと

 竹熊健太郎氏の名著「サルでも描けるマンガ教室」であまりに有名な「ライバルのインフレ」ですね。
 上記引用文発言主の華奢ーん氏は、上記引用文の前の部分で、こんな発言をしています。
大魔王→主人公の血の系譜の王子(宇宙最強を名乗ってたはず)→宇宙最強→宇宙最強のパパ→
(既出の最強は出揃ったので、新たに最強な)人造人間→過去(史上)最強→ドラゴンボールGTへ

という流れもあまりにバカでありますが、
「あぁ、アイツは昔闘ったセルくらいの強さかな」
とか
「オレは父さんが傷つくくらいの力を手に入れてしまった(←実は若さ故の勘違い)」

阿*くせー

発言がバカというか、「そーいう発言でしか敵の強さを示せなくなった」

 作者が考えていた物語以上のことを強引に続けさせられると、世界観に破綻をきたしてしまう物です。荒木飛呂彦氏の「JOJOの奇妙な冒険」シリーズのように、能力の違いにより強さを演出するのであれば良いのですが、ドラゴンボールの「ライバルの強さ」はテレビゲームにおけるRPGのLV上げ的な強さでしか表現できていなかった。作者的にはピッコロで「ライバルで打ち止め」があったはずなのに、集英社のお金儲けの為に「そんごくう は レベルが上がった!」「こうげきりょく が 5 あがった」「テレポート を おぼえた」「ブルマ は ドラゴンボール を つかった! なんと! なかまが いきかえった!」というドラゴンクエストの流れそのまんまな話の展開にしかならなくなったのです。
 この時点でマンガとしてダメダメな空気が蔓延。マンガのファミコンゲーム化。
 しかし毎回「盛り上がり」で次回に引っ張る演出から、読者はドラゴンボール中毒状態。
 金儲けの為に中毒者を維持→毎回「引っ張り」→前回以上のクライマックス
 実はバカマンガ。
 
 アンケート至上主義による一本のマンガの継続は、そのマンガの質の低下にしか繋がらないのだと思います。
 その点、ドラゴンボール終了後に、恐らくは連載期間を予め決めておいて描かれた、鳥山明氏のマンガ、「カジカ」と「SAND LAND」は、非常に面白かった。
 「カジカ」はドラゴンボールのリライトともいえるマンガで、主人公・カジカを孫悟空に見立てた場合、ベジータは出て来るは、ドラゴンボールはあるは、スーパーサイヤ人はいるは、レッドリボン軍もあるはで、40数巻にも及ぶドラゴンボールって、実はまとめればコミック1巻分の話だったのね、と思うものです。
 「SAND LAND」はさらに内容を洗練させた物語。短編集などを読むと、鳥山明作品には「水がない世界」がたくさん出てくるのだけど、そうした過去の作品をうまく取り入れ、映画的なストーリー展開を取り入れて昇華させた、鳥山明の最高傑作です。
 
 「SAND LAND」の中で、鳥山氏は「一人で好きなように書かせてもらう」事を条件に、当時売上が減少気味であったジャンプの編集長(Dr.スランプ時代の編集担当者であったマシリトこと鳥嶋氏だったと思う)の依頼を受けたことを述べていますが、アンケート至上主義では「人気はあるけど駄作」しか描けなかった鳥山明が、やっぱりすごい才能を持った漫画家だったことを証明できた作品だったと思います。
 
カジカ



COWA! 鳥山明○作劇場 VOL.3 (3) 鳥山明○作劇場 VOL.2 (2) 鳥山明○作劇場 VOL.1 (1)

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 ところで誰か、「こち亀」がつまらない事を、作者にはっきりと伝えられる編集者はいないのか?
 「こち亀」を読むと、土田世紀「編集王」に出てくるマンボ好塚を思い出すのは、僕だけなのでしょうか?

ブラック・ジャックはオススメしません

2005-03-13 | 本の話
 ブラック・ジャックが再評価されているのか、日テレでもアニメ化されているようで、長年の手塚ファンとしては、喜ぶことなのでしょうか?
 ブラック・ジャックは過去に何度か映像化されてきましたが(この記事の最下段参照)、手塚漫画って、手塚治虫本人の強いアニメへの造詣とは裏腹に、アニメ化には向いていない作品が多く、どれもアニメとしては駄作が多いなぁ、と思っているのは僕だけなんでしょうか?
 (例外は海底超特急マリン・エクスプレス。手塚キャラ総出演のこのアニメは、日テレの夏の風物詩・24時間テレビが企画された第一回目のスペシャルアニメで、手塚ファンなら垂涎モノです。このアニメにでてくるブラック・ジャックが、めちゃくちゃカッコ良い)
 
 ところで我が家には、秋田書店の文庫版ブラック・ジャックが揃っているのですが、これを読み返してみると、ブラック・ジャックって世間での評価ほど「名作」という気がしないのです。
 


 この文庫版ブラック・ジャック、週刊少年チャンピオンの連載順ではなく、あくまで「傑作選」的な再編集版でして、第1話「医者はどこだ!」のみ、発表順と合致しているものの、他の収録作品の掲載基準がハッキリせず、選者のお気に入り度に合わせて決めていったのか、本来「この順番で読まなければならない」はずのものも、全く無視されて収録されているという、秋田書店のいい加減さがハッキリと感じ取れるダメダメ漫画なのです。
 (余談ですが、その第1話「医者はどこだ!」(発表年1973年)は、つげ義春の「ねじ式」(1968年発表)の主人公の台詞から拝借したものではないかと邪推。参考ページ:つげ義春の隠れ家
 出版者サイドの「売れればイイや」的刊行の証拠として、この文庫シリーズ、巻数を追うに従って、収録作品に駄作が目立つようになります。題名に付された「The best ○stories by Osamu Tezuka」(○にはその間に収録された作品の数が入ります。12前後)は、いかにも「傑作選」であるかの様な体裁ですが、傑作ぞろいなのはせいぜい5~6巻目くらいまで。徐々に「これはないよなぁ」という話が増えていくのが、誰の目から見ても明白です。
 この文庫シリーズのいい加減なところは、順番がばらばらに収録されているにもかかわらず、各作品が「いつ描かれた物」なのか、全く触れていないことからも分かります。
 普通、この手の作品集って、何年の何月発売の雑誌に掲載されたかくらいは記述されていますよね。資料的価値を高める為にも必要なものだと思うのですが、それがありません。
 それなのに、話の流れ的に先に収録されていなければならない話が、後から出てきたりするので、続けて読んでいる読者に混乱を与えることになるのです。
 そんなわけで、現在放映されているアニメ版ブラック・ジャックを見て、コミックを読んでみようと思った人は、チャンピオンコミックスの復刻版のほうを購入することを強くオススメします。






 個人的には手塚漫画の最高傑作はこれだと思います。

アドルフに告ぐ (1)
手塚 治虫

アドルフに告ぐ (2) アドルフに告ぐ (3) アドルフに告ぐ (4) アドルフに告ぐ (5)
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過去に映像化されたブラック・ジャック
ブラック・ジャックOVA DVD-BOX ブラック・ジャックII~天才女医のウエディングドレス~ ブラック・ジャック 劇場版

加山雄三の「あの笑えるやつ」が見つけられなくて残念!


細野不二彦の漫画って面白い

2005-01-30 | 本の話
 細野不二彦さんの漫画って、どれも漫画の世界観を構成するための小道具について、よく調べられていることが感じ取れて面白いです。
 最近のお気に入りは「ダブル・フェイス」なのですが、ビッグコミックという青年漫画雑誌にしては、やや話が子供っぽい気がしなくはないのですが、その昔小中学生時代の僕を夢中にさせたザ・ハングマン必殺仕事人テイストで、はびこる悪をバッタバタと制裁を加える冴えない金融マン・春居筆美の虜になってしまいます。
 中村主水は日本刀、飾り職人の秀にはかんざしというように、ヒーローには必殺技があるものですが、春居筆美=ドクター・フーには手品があり、大掛かりなマジックを使って悪人を懲らしめるストーリーに爽快感があります。
 漫画ならではのご都合主義部分は、眼をつぶらなければならないのですが、専門的な知識と思われる手品のトリックを相当下調べして書いていると思われ、作者の肌理の細やかさが感じ取れる傑作漫画です。

▼細野作品のお気に入り。

cover cover cover cover


テーマサロン:おすすめの漫画はなんですか?

絵本が好き

2005-01-23 | 本の話
 絵本が好きなのです。
 それも、なるべく字の少ない、絵だけでストーリーが分かってしまうようなものが好きなのです。
絵本(えほん、Picture book)とは、(---略---)

大人向けと根本的に違うのは、その意図が教育的なものであるということ。絵本の本質は、絵と言葉による幼児、児童のための学習絵詞である。

絵本 - Wikipedia

 そんなわけで、僕が一番大好きな絵本は、コレ。
 
 
 
 
 
 
 



 

泣かすぞ、こらぁ!



 これ、トラウマ本ですよ。
 こんなの読んだら、僕ちゃん、おしっこチビっちゃいますよ!


 ちょっとAmazonを探索してきました。
 
 
 
 
 
 
 うさぎさん、大ピンチですよ! 
 めがねうさぎ
 
 
 
 
 探検は続く。
 
 
 
 
 
 
 
 海外渡航ですよ!
Don't Want to Go To Bed



オススメのSF

2005-01-23 | 本の話
 オススメのSFをここに書いていきます。
 随時追記。

H.F. セイント 『透明人間の告白』


 15年程前に「本の雑誌」で「十年に一度の傑作」といわれたスーパーエンターテイメント。
 1992年に映画化されているものの、映画はてんでつまらなかったのが印象に残っている。で、小説のほうは15年たった今でも「十年に一度の傑作」という評がそのまま与えられそうなくらいに面白い。少年マンガでは透明人間になったら、たいていは女風呂覗きに行くといったえっちな展開しかしないわけだけども、透明人間は普通の食事ができないとか、いつ自動車に轢かれるかわからないといった、それまでにない新解釈がたくさん出てきて大変興味深いものです。
 ただし、「透明人間になったら視力がなくなるはず」というSF的なツッコミは御容赦されたし。
Amazon

殊能 将之 『ハサミ男』

2005-01-16 | 本の話
 ミステリが好きなんですけど、2年ほど前に殊能 将之の『ハサミ男』を読んでから、何を読んでも大した感動を覚えなくなってしまった。裏表紙にも書かれていることなので、ネタバレではないと思うのだけど、この小説の探偵役は、タイトルにもなっている「ハサミ男」という猟奇殺人犯です。
 最後まで予測のつかない、大どんでん返しストーリーでありながら、決して読者に対してアンフェアと言うこともなく、500ページ超の大作ながら、読み始めたら止まらない、かっぱえびせんみたいなミステリです。
 この先も、これを越える名作ミステリは現れないんじゃないかと思うほど、素晴らしい出来映え。

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このギャグマンガが面白い

2005-01-13 | 本の話
cover ギャグマンガ愛好家の皆様、ごめんなさい。数年前、ギャグマンガに名作なし、といったのは、何を隠そうこの僕です。(知るか!)
 ギャグマンガの名作と言えば、マカロニほうれん荘がきデカを思い浮かべる人は、かなりのおじさんなワケですが、リアルタイムでゲラゲラ笑っていた人でも、今あのマンガを読んで、のた打ち回るほど笑い転げる人は、あまりいないと思います。THE MANZAIの頃の漫才を、今見てもそんなに面白くないのと同様、ギャグマンガには賞味期限があると思うのです。
 いい年のおじさんである僕は、ここ数年、ギャグマンガというものを買っていないのですが、本棚の奥に眠っているMBG(マイ・ベスト・ギャグマンガ)が、左上画像の河田雄志・作「成りたがり」です。
 いやーAmazonって便利ですねぇ。どんなマンガなのか、画像で一発リンクです。はい、アフィリエイトです、クリックしましょう、クリッククリック!
 はい、ものの見事に現在、在庫切れです。の文字があります!
 こんな面白いマンガが、在庫切れのまま世間から忘れ去られてはいけません。(最初から誰も知らないかもしれないですけど)
 そんなときは復刊ドットコム
 メアドと簡単な個人情報を登録して、すぐに復刊リクエスト投票しましょう。
 『成りたがり』は三人の社会不適格者が、一致団結して正義と平和を守り抜く為に戦う、不条理マンガです。僕は一時期、このマンガ読みたさに今はなき「ヤングマガジンアッパーズ」を購入していたという、恥ずかしい過去を持っています。
 絵が多少雑なのは、ギャグマンガということで許してあげましょう。
 主人公が特撮ヒーロー物のコスプレで活躍するシーンが多いのですが、そのバックに書かれるテーマ曲の詞が、めちゃくちゃ凝っていてとても笑えます。
 

その他の愛すべきギャグマンガ
江戸むらさき特急 2 (2)江戸むらさき特急 3 (3)
 ほりのぶゆき
『江戸むらさき特急』

 この人の描くちょんまげ物は、時代劇をさらに面白くします。
 大江戸捜査網、水戸黄門、暴れん坊将軍など、時代劇を知っている人ほど笑える名作ギャグマンガ。
 表紙もおしゃれで、3冊揃えて後悔ナシ!
 僕は増えすぎた本を「なんとかしなさい」と家人に言われ、やむなく処分してしまいましたが……
 
寿五郎ショウ
 江口寿史
『寿五郎ショウ』

 時事ネタが多いため、今読むと案外つまらないかもしれませんが、後年、名物キャラクターとなった地球防衛隊(地防隊)の市の瀬博士も登場していて、ファンとしては押さえておきたい一冊。
 なんとかなるでショ! と共に「絵の綺麗なギャグマンガ」としてオススメです。
 
マンスリー・プラネット
 横山えいじ
『マンスリー・プラネット』

 SFファンじゃないと知らないんだろうなぁ、横山えいじ。
 ハヤカワSFマガジンで連載されていた、SFパロディコミックで、SFの知識がないと笑えないかもしれませんが、鉄人28号(正太郎少年を含む)+鉄腕アトム+まぼろし探偵のナンセンスキャラクター「ススム君」のラブリーさに心奪われます。
 ハヤカワSF文庫の作品で、横山えいじ氏がカバーイラストを担当しているものは、比較的アタリが多いと思います。