四季の書斎 世界は破滅に向かっている。

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戦争詩集 村野四郎 おなじようなものか? 若者よいってらっしゃい。

2015年07月06日 02時00分50秒 | 文学・思想
さよならあ と手を振り
すぐそこの塀の角を曲がって
彼は見えなくなったが
もう二度と帰ってくることはあるまい

塀のむこうに何があるか
どんな世界がはじまるのか
それを知っているものは誰もないだろう
言葉もなければ 要塞もなく
墓もない
ぞっとするような その他国の谷間から
這い上ってきたものなど誰もいない

地球はそこから
深あく虧けているのだ

(亡羊記・塀のむこう)