鹿島春平太チャーチ

「唯一の真の神である創造主と御子イエスキリスト」この言葉を“知っていれば”「天国での永生」は保証です。

米国への無知を正す40 ~マルクス「明」の部分の強烈な扇情力~

2015年10月02日 | 米国への無知を正す





前回、マルクス理論には「明」と「暗」との二つの面があることを示した。

今回はその続きである。

+++

人類はマルクス理論の「暗」の部分がほとんど認識できなかった。

「明」の部分が、たぐいまれなる扇情力をもっていたからである。





<不平等への怒りと富める者への憎悪>

扇情力を構成するのは、第一に、この理論が人の心に生成さす不平等への怒りである。

それに、不平等で得をしている資本家への憎悪が加わる。

さらにそれは人の心に正義感をも燃え立たせる。




<理想社会を切望させる>

マルクス理論が示す、理想社会への道筋もまたわかりやすかった。

~市場制社会では、時と共に、生産活動の桎梏(手かせ足かせ)ができていく。

これが呪いとなって、生産機械も原料もあるのに、生産が出来ず人々は貧困に陥っていく。

だがその究極の原因である私有財産制をなくすれば、、生産活動はフル回転し、この世に生産物は増大の一途となる。

マルクスはその世界を~

「能力に応じて働き、必要に応じて取る」のが当たり前の社会、~と表現した。

実はこのフレーズは聖書のなかにある聖句(新約聖書『使徒行伝』のなかの聖句)なのだが、マルクスがそれをパクッたかどうかは実証されていない。

が、とにかくその社会では、もはや人々は生産物を巡って争うことはない。
社会の全員が愛でもって結びあえる。

マルクスのこの理屈は、一般大衆にも非常にわかりやすかった。
人々は理想社会の夢に、ほとんど酔った。

人類史において、これほどの扇情力を持った思想はあまりないのではなかろうか。





<知識人が革命を起こす>

知識人も同意した。
ロシア帝国のレーニンは、マルクス理論をさらに展開させ「帝国主義論」を著した。

彼は指導者となって、ロシアに初の社会主義国を実現させた。

指導者たちは~、
「この社会は人類の理想であって、全世界に広げ人々を救わねばならぬ」

~という使命感に燃えた。

「インターナショナル」という世界革命運動組織をつくり、まず、周辺国をなし崩しに社会主義化した。

そして、ソ連〔ソビエト連邦社会主義共和国)をつくった。




<中国では毛沢東が>

第二次大戦後、中国でも毛沢東が社会主義革命を成功させ、社会主義の中華人民共和国ができた。

従来、中国の統治権を手にしていた蒋介石は、共産主義思想の不気味な「暗」の部分を直感した。
そして、毛沢東の率いる共産党員をとらえ処刑した。

だが、当時の中国民衆を一体化させる力においては、マルクス思想が圧倒的に勝っていた。

時と共に共産党勢力が優勢になり、ついに、毛沢東が勝ち、蒋介石は台湾に逃れて独立政府をつくった。

<キューバ、北朝鮮、北ベトナムも社会主義に>

キューバもこの思想で革命を起こし、功労者チェ・ゲバラと共に、カストロが国家運営を始めた。

朝鮮も、北半分が共産主義国になった。

ベトナムでも、北は社会主義国になった。

これらの国もまた、南の共産主義化を自らの使命と信じた。





<世界を二つに割った>

こうして、世界の半分弱が社会主義国になった。

結果的には、マルクス思想が世界を二つに割ったのだ。

その扇情力の強さと広範さは恐るべきものであった。











コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 米国への無知を正す39 ~... | トップ | 米国への無知を正す41 ~ハ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

米国への無知を正す」カテゴリの最新記事