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福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

なぜキジは逃げなかったか

2011年06月08日 | 議会活動&千葉市政

 またしても野良仕事のお話で恐縮ですが、数日間逡巡した結果、やはり書かねばならぬと決心したことがあります。

草刈りの一幕で起きた、サッチョウ事件の話です。

  

 P1070280 早朝に田植えを終え、次は雑草退治に取り掛かりました。

ここに、かぼちゃを植えることにしたので、地主さんのお許しを得て草刈り機を操りました。

腰近くまで伸びた雑草がみるみるなぎ倒されて、私は有頂天になったのです。

  

 仕事はサクサクと進んでいましたが、途中で「ズン!」という一瞬の衝撃。

それでも機械はびくともせずに前進しましたが、私は足元を見て息をのみました。

そこには、灰色の鳥の羽根が散らばってありました。

どうやらキジのようです。

すでに死んでいたキジを巻き込んだのかな・・・と思いたかったのですが、残念ながらたった今まで生きていたようです。      

じっくり確かめる勇気も無く、2~3日もすれはカラスによってきれいに無くなるから・・・と慰められ、とにかく最後まで草を刈って終了しました。

  

 しかし、帰宅後も、次の日も謎は深まるばかり。

なぜキジは逃げなかったのか

だんだん近づく機械の音におびえて、身動き出来なくなってしまったのだろうか。

だとるすと随分どんくさいキジだ、逃げてくれれば良かったのに・・・と。

    

 結局そのキジが気になり、翌日も畑に行ってみました。

果たしてそこに残されていたのは、羽とそして・・・・・・卵の殻。

そうです。キジは卵を抱いていたのです。

だから逃げなかったのです。

何とも言えない切なさがこみあげました。

農業は命がけなんだ、生半可ではないと、またしても思い知らされました。

人間が生き抜いていく・・・とは、こういうことなんですね。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
涙が出るような話です。 (ジェーン・エア)
2011-06-09 08:10:05
涙が出るような話です。
自然界でも親はつよいですね。

子どもを守ることで親の命をなくしていいのか・・
はたして、そこが卵をかえすのに適切な場所で会ったのか・・

人間の世界でも同じことが考えるような気がします。

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抱卵中だったのですか。 (横田)
2011-06-09 10:19:41
抱卵中だったのですか。
もしかすると全国でも似たような悲劇があるのかもしれません。
草刈りの前に事前調査も含めるようにしたいものです。
絶滅危惧種の「カヤネズミ」についても少しばかり見聞します。
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畑に行ってきました。 (niblick72)
2011-06-09 18:36:05
畑に行ってきました。
 
どれどれと、歩いていくとキジの甲高い声が南側と西側から聞こえ、「今日も元気な奴らだ」と思っていたら、足下からは一匹逃げていきました。

 農作業していた方にお聞きしたところ、「戦時中の食糧不足対策で放し飼いとなったが、近年増えている。そこら中に卵がある。野菜も芽が出たところで食べられてしまう。困っている。」とのこと。

農家から見れば、「キジもハクビシンもネズミも害鳥、害獣。」ということですが、人間も処変わればで、チキンもビーフも、まして鶏卵だとあらゆる形で「(命を「いただきます」と)食べている人々が、クジラ漁はダメ。なんだかナーというかんじです。
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知人が家の軒先に巣を作ってしまった鳩を追い払お... (from_midori)
2011-06-09 21:42:11
知人が家の軒先に巣を作ってしまった鳩を追い払おうとしたところ、その鳩が翼を広げて巣に多いかぶさるように、その巣を守った、という話を聞きました。

巣の中にはヒナがいたそうです。

翼があるのに飛び立つこともなく、鳥にとっては命とも言える翼を広げ、触られてもピクリとも動かず、母鳥は身を挺してヒナを守り続けた、との事でした。

結局知人はその姿に心打たれ、巣の撤去を諦めたそうです。

今回のキジのお話は悲しい事ですが、子を守る親の一途な気持ちについて、改めて考えさせられました。
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初めに、福谷さんのブログに機会を得て表現させて... (堀内 憲)
2011-06-10 08:41:27
初めに、福谷さんのブログに機会を得て表現させて戴けますことに感謝申し上げます。雉の一件拝読し、関係はないのですが昨日のことを書かせて戴きます。心地良い天候の中、久し振りに上野動物園に行って来ました。緑を濃くした園内は子供連れの家族が多く、世の中には何事も無きが如く平和に満ちた空間でした。子供達の幸福と、平和を創る大人達の存在を考えていました。それから、ディズニー・シ―の一角に動物がいるような工夫を凝らした空間に感心する一方、複雑な心境でした。上手に自然を模した空間も、動物達の為という以上に見る人の為かも知れず、それは動物園の目的上仕方がないかも知れないと思いつつ。巧まれた檻の中で自由と本来の自然を奪われた動物達を見る人達は、その実人間自身を見ているのかも知れず、動物園とは人間の置かれている状況の表象かも知れないなどと皮肉なことを考えていました。しかし動物達は多くの関係者に護られ愛され、見る人達に愛され、見る人達も生命輝く美しいいのちの世界を目指し、何があろうと生命の世界の実現の為に生きる人間の在り方を考えさせられたのです。
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なぜキジは逃げなかったのか。 (貴重な体験です。)
2011-06-10 13:41:51
なぜキジは逃げなかったのか。
農業と人生についての一気の語りエンド。
迷いながら登り坂を駆け上がって得た慰めの報酬でしょうか。

余裕ができたら、少し過去にタイムスリップして
この逸話を脚色し想い描いてもいいですね。
但し、現在の社会状況のマイナー面はこのまま過去へスリップ。

都市開発の波が進んできているが、
まだ多くの田園風景を残している郊外の小学校。
児童を前にして日常生活で起きたエピソードを題材に、
児童文学風に脚色して語る新任の女性教諭。
そしてかぼちゃ。
いろいろな心象風景とエピローグを描いてみよう。

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