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陣馬山に登ってきた。
帰宅してから、5年前の自分のblogを紐解く
火野正平のおっちゃんが自転車で坂道を駆け下りながら、言っていた。
「人生、下り坂、最高!」って。
最高かどうかは別にしても、下り坂は人生になくてはならない。
そもそも、「そこに山があるから」とわざわざ御託を並べずとも、人間は誰しも、生まれた時から勝手にそれぞれの人生登山を始めてるんだ。
ピーク(山頂)をどこに設定するかは、それこそ人それぞれだろう。
最高峰を目指す人もいれば、高尾山辺りが好きな人もいよう。
むしろ肝心なのは、きちんと下山することなんだ。
頂上を極めた後で、誰にも迷惑を掛けることなく、自分の足で麓に辿り着くことだ。
どれだけ、名クライマーとして名を成しても、遭難してしまったら元も子もない。
たとえ伝説になろうとも、命を落とすことは、そのmissionの失敗以外の何物でもない。
ハヤブサが、旅路の果てに大気圏中で光り輝きながら砕け散っても、それは彼が遥か彼方の地球まで帰還を果たしたからこそ意味がある。(しかもmissionを完遂して)
人生もSo。登山と下山が対になって始めて完結する。
ならば、下山にも万全を期さねばならない。
体力や気力を使い果たしてからでは、リスクが多すぎる。
上り以上に綿密で周到な準備が必要だ。
確かに、頂上からの眺めは絶景だ。
なかなか去り難いものがある。
が、しかし。
山の天候は変わり易い。
余韻に浸り過ぎて出発が遅れると、途中でビバークの場所すら見失うかもしれない。
今回、12月に入ってからの山登りだったので、日が傾くのも早いだろうということで、陣場山から尾根伝いに高尾山まで縦走する予定を変更して、途中にある景信山から下山することになった。
結果的にはこれが好判断だったようで、案の定下山途中で陽が落ち始め、しかも景信山からの下山道は高尾山のそれとは比べ物にならない程の悪路で、ほぼ「けもの道」状態。 足下がどんどん暗くなる中で、落ち葉に隠れた木の根っこや石ころと悪戦苦闘しながら、どうにか麓の小仏バス停までたどり着いた。
人生の下山道同様に、実際の下山も思わぬところで難儀するものだということを知る一日となった。
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