行く川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ 消えかつ結びて久しくとゞまるためしなし。
方丈記より
滝は滝になりたくてなったのではない。
落ちなければならないことなど崖っぷちに来るまで知らなかったのだ。
しかし、まっさかさまに落ちて落ちて落ちて、たたきつけられた奈落に思いがけない平安が待っていた。
新しい旅も用意されていた。
岩を縫って川は再び走り始める。
島田陽子(詩人)の詩より
水は雄弁だな。
急峻な岩場を荒々しく削りながら進む急流が、かつて鼻水を垂らしながら広島の街をチャリンコで疾走し、やがて、ニキビ面にマジソンバッグを抱えて、花の都は婆ちゃん達のシャンゼリゼ巣鴨辺りを彷徨いてたおれだとすれば、扇状地に出た後は真っ直ぐに進むことを許されず、それでも大きく蛇行を繰り返しながら、だんだんと川幅を広げていった姿は、きっと扇状地ならぬ戦場地のような社会で、「社会の一員」であることを強いられながらも、なんだかんだと国内、海外問わずにがんばっちゃった頃のおれにシンクロするのかね。
今も不本意ながら毎月のように中国に旅立ち、何故行くのかと問われれば、「今そこに巨大なマーケットが躍動しているから。」と澱みなくうそぶける(実際にはメルトダウンのカウントダウンが始まってるのにね。)ほどの立派な大河になったわけですが、見つめる視線の先に映るのは、広大な海に注ぎこむその日のことです。
それは、上の詩にもあるように旅の終わりではなく、新たな旅の始りであることを信じて。
午後に外出が入り、移動時間を利用して独りごつのは、まるで岩の間をすり抜ける、流るゝ水の如し。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ 消えかつ結びて久しくとゞまるためしなし。
方丈記より
滝は滝になりたくてなったのではない。
落ちなければならないことなど崖っぷちに来るまで知らなかったのだ。
しかし、まっさかさまに落ちて落ちて落ちて、たたきつけられた奈落に思いがけない平安が待っていた。
新しい旅も用意されていた。
岩を縫って川は再び走り始める。
島田陽子(詩人)の詩より
水は雄弁だな。
急峻な岩場を荒々しく削りながら進む急流が、かつて鼻水を垂らしながら広島の街をチャリンコで疾走し、やがて、ニキビ面にマジソンバッグを抱えて、花の都は婆ちゃん達のシャンゼリゼ巣鴨辺りを彷徨いてたおれだとすれば、扇状地に出た後は真っ直ぐに進むことを許されず、それでも大きく蛇行を繰り返しながら、だんだんと川幅を広げていった姿は、きっと扇状地ならぬ戦場地のような社会で、「社会の一員」であることを強いられながらも、なんだかんだと国内、海外問わずにがんばっちゃった頃のおれにシンクロするのかね。
今も不本意ながら毎月のように中国に旅立ち、何故行くのかと問われれば、「今そこに巨大なマーケットが躍動しているから。」と澱みなくうそぶける(実際にはメルトダウンのカウントダウンが始まってるのにね。)ほどの立派な大河になったわけですが、見つめる視線の先に映るのは、広大な海に注ぎこむその日のことです。
それは、上の詩にもあるように旅の終わりではなく、新たな旅の始りであることを信じて。
午後に外出が入り、移動時間を利用して独りごつのは、まるで岩の間をすり抜ける、流るゝ水の如し。