限りなき知の探訪

45年間、『知の探訪』を続けてきた。いま座っている『人類四千年の特等席』からの見晴らしをつづる。

沂風詠録:(第113回目)『私の語学学習(その47)』

2010-11-28 22:32:13 | 日記

前回から続く。。。

最近、Googleの自動翻訳ソフトを試して、その性能にびっくりした。近代西洋語、例えば、フランス語、ドイツ語、イタリア語、オランダ語などから英語の翻訳はかなり上手に訳されている。

例えば Wikipedia の『ひな祭り』の英語のサイトの冒頭は次のようになっている。

【Engish Original】
The Japanese Doll Festival, or Girls' Day, is held  on March 3.  Platforms covered with a red carpet  are used to display a set of ornamental dolls  representing the Emperor, Empress, attendants,  and musicians in traditional court dress.

ドイツ語の『ひな祭り』では、次のようになっている。

【German Original】
Hina-Matsuri oder Ma"dchenfest ist ein japanischer  Festtag, der jedes Jahr am 3. Ma"rz gefeiert wird.

 In der Zeit vor diesem Tag stellt man auf abgestufte, mit  rotem Tuch u"berzogene Plattformen  einen Satz von  Puppen, die in traditionelle Kimonos gekleidet sind  und die Kaiser, Kaiserin, Dienerinnen und Musiker in  offizieller Hofkleidung darstellen.

このドイツ語の文【German Original】を先ほどの Google の自動翻訳にかけると次のような文がでてくる。

【English Trannslation】
Hina-Matsuri or Girls' Festival is a  Japanese festival, held  every year on 3 March is celebrated.
 In the time before that day is to be graduated, with a red  cloth-covered platforms, a set of dolls that are dressed  in traditional kimonos and are the Emperor, Empress,  attendants and musicians in formal court dress.

この両方【English Original】と【English Translation】を比べると、文法的に多少おかしいが、理解できる範囲であると言えよう。つまり、現状の Google の自動翻訳では、ある程度意味がまともにとれる内容の翻訳が得ることができる。

しかし、これが西洋語から日本語への翻訳となるとかなり質が落ち、かつ文法的間違いが目立つ。例えば、上の英語【English Original】の日本語訳は次のようになる。

【英語のサイトの日本語訳】
日本のひな祭りは、女の子の日、開催される 3月3日。レッドカーペットで覆われてプラットフォーム観賞用の人形のセットを表示するために使用される、天皇、皇后両陛下、参加者を表す伝統的な宮廷ドレスのミュージシャン。

さて、アジアの言葉でこの Google の自動翻訳のレベルをチェックしてみよう。驚いたことに日本語と韓国語の間では実にスムーズな訳がでてくる。

【韓国語のサイトの日本語訳】
雛祭り(日本語:雛祭り、ひなまつり)は、女性、子どもの成長を祝う日本の伝統的な祭りである。元々、旧暦3月3日モモノセク(桃の節句)で過ごしたの行事や、西洋のグレゴリオ暦を受け入れながら、新暦3月3日に行われる。

この自動翻訳はほぼ完全に読める。しかし、中国語と日本語の間ではこううまくは行かない。

【中国語のサイトの日本語訳】
ひな祭りはまた、ひな祭り上寺(うしじょ/うみじょ)、子を犠牲に(子の犠牲の里)として知られている日本人の女の子のお祭りです。 "5つの文章"、"桃祭り期間"のいずれか(桃の節句日)の文は西暦年3月3日に明治維新後、3月3日旧暦のだろう。

結局、以上のことから何が言えるか?

【1】西洋語では英語が分かると、他の西洋語は自動翻訳に頼ることで意味が取れる。つまり、西洋語に関しては英語がハブ(枢軸)となっているということ。

【2】従って、2010年以降(21世紀)の西洋語学習に関しては、英語をしっかり勉強すれば(これを10とみなすと)、他の西洋語は文法だけをきっちりと勉強すれば(2か3レベル)、少なくとも読むことだけは出来る。

【3】韓国語は、自動翻訳が十分実用レベルなので、読む分には差し支えない。ただ、同音異義語に関しては、不十分なので、正確に文意をとろうとすると、ハングルが読めて、韓日辞書がひくことができれば、良い。

【4】中国語は、簡体字か繁体字が読めるようになることが、必須。次いで、中国語固有の単語や用例を覚えて、あとは漢文の要領で読めば意味はとれる。

私が言いたいのは、PC や Web の辞書や翻訳ソフトが使えなかった20世紀と比べて現在の21世紀の外国語の学び方は異なって当然である。特に『読む』という観点では、旧来のやり方は完全に見直さなければならない。特に Web 上の情報を収集するという観点に立って考えた場合、確かに Web 上では、英語の情報が圧倒的ではあるが、個別の言語による情報収集も必要である。例えば、Wikipedia では、日本に関する情報はかなり網羅されてはいるが、残念ながら次の項目は、日本語のサイトでは十分情報が提供されてはいるものの、英語のサイトがまだ存在していない。
○満濃池
○大阪市中央公会堂(および、寄付者の岩本栄之助)

これらの名前は、日本ではそれなりの知名度を持っていて、ある面では重要な情報であるが、一歩、日本語の外に出るとまったくアクセスできない情報だと分かる。逆の観点に立てば、我々が諸外国のデータを収集するときに、英語だけに頼ると、情報にかなり欠落があるのではないか推測できる。その意味で、これからのグローバル社会を生き抜くには、英語は十分に理解できることを大前提としながらも、それ以外の外国語も最低限の文法を理解すれば、自動翻訳の力をかりて、かなりのことを正しく理解できるようになるといえる。つまり、今後、英語以外の外国語教育は現在の Web 環境のソフトを自由に使える前提でのカリキュラムにすべきだと私は考える。

続く。。。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする