古代ギリシャではヘロンが蒸気の力を利用して神殿のドアを自動開閉して人々を驚かしたと記録に残っている。
一方、中国では、お伽噺ではあるが、ウィンクをする美女のロボットが、紀元前3世紀にあった(?)ことは以前述べた。【座右之銘・9】『大道以多岐亡羊,学者以多方喪生』
しかし、時代が隋まで下ると、技巧的にも凝ったものが作れるようになった。そしてそういったからくり(gadget)が大好きな帝王がスポンサーとなり宮廷にロボットを置いたり、また機械仕掛けの部屋を作り上げた、という。これは、れっきとした歴史書である資治通鑑に書かれていることだが、隋の煬帝はかなりの新しいもの好きで、ロボット以外にも、巨大な楼閣や船を建造している。
資治通鑑によると、AD616年の春3月に煬帝が酒宴を催したという。その記事には次のような記述がある。
『3月、煬帝は群臣たちと宮廷の西苑で舟遊びを計画した。そして杜宝に命じて、《水飾図経》という本の中から古代の水遊びの方法を72件、ピックアップさせた。その一方で、黄袞に命じて木工で妓女を作り、酒船に載せ、船の間を回遊させた。木作りのロボットの妓女達が琴や鐘を演奏する姿はまるで本物のようだった。』
(三月,上巳,帝与群臣飲於西苑水上,命学士杜宝撰《水飾図経》,采古水事七十二,使朝散大夫黄袞以木為之,間以妓航、酒船,人物自動如生,鐘磬箏瑟,能成音曲。)
一方、南ドイツのバイエルンにあるノイシュヴァンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)にある自動ドアのような仕掛けもすでにあった。
『宮廷にある観文殿の続きには14個もの部屋があった。窓や扉、ベッド、カーテンなど、これ以上ないほど豪華に作られていた。その内3つの部屋は開くとドアにはカーテンが自動的に下りてきて、上には仙女が舞う。庭には、地中に機械じかけが埋め込まれていた。煬帝が読書室に入ると、ロボットの宮女が香炉を捧げもち、敷居を踏んで外に出ると、仙女が降りてきて、カーテンを取り込んで引き上げる。ドアやくぐり戸は全て自動開閉し、煬帝が部屋を出ると、閉まってしまい、元通りになった。』
(於観文殿前為書室十四間,窓戸床褥厨幔,咸極珍麗,毎三間開方,戸垂錦幔,上有二飛仙,戸外地中施機発。帝幸書室,有宮人執香炉,前行践機,則飛仙下,収幔而上,戸扉及厨扉皆自啓,帝出,則垂閉復故。)
この様子は、かつてのつくば科学万博でみられたようにロボットが活躍していた様子を彷彿とさせる。
一方、中国では、お伽噺ではあるが、ウィンクをする美女のロボットが、紀元前3世紀にあった(?)ことは以前述べた。【座右之銘・9】『大道以多岐亡羊,学者以多方喪生』
しかし、時代が隋まで下ると、技巧的にも凝ったものが作れるようになった。そしてそういったからくり(gadget)が大好きな帝王がスポンサーとなり宮廷にロボットを置いたり、また機械仕掛けの部屋を作り上げた、という。これは、れっきとした歴史書である資治通鑑に書かれていることだが、隋の煬帝はかなりの新しいもの好きで、ロボット以外にも、巨大な楼閣や船を建造している。
資治通鑑によると、AD616年の春3月に煬帝が酒宴を催したという。その記事には次のような記述がある。
『3月、煬帝は群臣たちと宮廷の西苑で舟遊びを計画した。そして杜宝に命じて、《水飾図経》という本の中から古代の水遊びの方法を72件、ピックアップさせた。その一方で、黄袞に命じて木工で妓女を作り、酒船に載せ、船の間を回遊させた。木作りのロボットの妓女達が琴や鐘を演奏する姿はまるで本物のようだった。』
(三月,上巳,帝与群臣飲於西苑水上,命学士杜宝撰《水飾図経》,采古水事七十二,使朝散大夫黄袞以木為之,間以妓航、酒船,人物自動如生,鐘磬箏瑟,能成音曲。)
一方、南ドイツのバイエルンにあるノイシュヴァンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)にある自動ドアのような仕掛けもすでにあった。
『宮廷にある観文殿の続きには14個もの部屋があった。窓や扉、ベッド、カーテンなど、これ以上ないほど豪華に作られていた。その内3つの部屋は開くとドアにはカーテンが自動的に下りてきて、上には仙女が舞う。庭には、地中に機械じかけが埋め込まれていた。煬帝が読書室に入ると、ロボットの宮女が香炉を捧げもち、敷居を踏んで外に出ると、仙女が降りてきて、カーテンを取り込んで引き上げる。ドアやくぐり戸は全て自動開閉し、煬帝が部屋を出ると、閉まってしまい、元通りになった。』
(於観文殿前為書室十四間,窓戸床褥厨幔,咸極珍麗,毎三間開方,戸垂錦幔,上有二飛仙,戸外地中施機発。帝幸書室,有宮人執香炉,前行践機,則飛仙下,収幔而上,戸扉及厨扉皆自啓,帝出,則垂閉復故。)
この様子は、かつてのつくば科学万博でみられたようにロボットが活躍していた様子を彷彿とさせる。