セーフティーカー続出で、大荒れのレースだったが、これを生で観ないでビデオに録画して観てしまったことを、私は激しく後悔している。カナダGPは時差の関係で、録画して観ることが多いのだが、このレースは仮に生で観ていたとしても、眠けも吹っ飛ぶような、見所満載のレースだった。
クビサ選手の大クラッシュには、背筋が凍りつく思いがした。彼が、大事に至らなくて、本当に良かった。速さもあり、将来有望な若者だけに、早くこのショックから立ち直って、また果敢なレースを見せてくれることを願う。
なんといっても、仰天したのは、佐藤琢磨選手の6位入賞である。プライベートチームの日本人が、マクラーレンの№1ドライバーのワールドチャンピオンを、コース上で抜くなんて!こんなことがあると分かっていたなら、私も寝ないで起きていたのに・・・色々あったレースだったとはいえ、やはり琢磨選手は素晴らしい。もう、ビックリだ。
そして、ハミルトン選手。この、黄色いヘルメットを見ていると、どうしても彼の活躍が、亡きエヤトン・セナ選手と被ってしまう。デビューイヤーにして、あの図太いアロンソ選手を、精神的に追い込んでしまう彼の速さには、もう脱帽だ。セナ選手にしたって、若い頃は荒削りで、優勝かリタイアかというレースが多かったものだが、1年目からのこの安定感と速さは、驚きだ。彼をいきなりチャンピオンと組ませたロン・デニスの眼力も大したものだ。マイケル・シューマッハ選手が引退した翌年に、その彼を超えるかもしれない存在が、現れるとは思いもしなかった。今年のアロンソ選手対ハミルトン選手の戦いは、かつての「セナ・プロ」時代以上に、熱いものになるような予感がする。今年のF1は、面白い。