マイケル・シューマッハがエヤトン・セナの持つPP最多記録を塗り替えた。本来ならば、昨年あたりにこの記録は達成されていてもおかしくなかったと思うのだが、12年前にセナが散ったサンマリノでこれが達成されたと言う点に、なにか巡りあわせのようなものを感じずにはいられない。
これでセナの持つ最多記録は「モナコ最多勝6勝」のみが残ることとなった。興味深いことは、セナが1994年に発表した手記「レーシングエンジェル」において、「このモナコでの6勝は、おそらく10年は破られないだろう」と語っていることだ。私は、当時この記述をみて、セナにしてはえらく控えめなことを言っていると思ったのだが、今思えば、セナにはもうシューマッハの足音が聞こえていたのかもしれない。おそらくこの記録を破るのはシューマッハだと考えていたのだろう。そして、その記録だけは未だ破られてはいない。1994年5月1日から、もうすぐ12年が経過する。
セナは、ホントに絵に描いたようなレーシングドライバーだった。フジテレビがマンセルを敵役に、プロストを悪役に仕立てていた傾向も否定は出来ないが、セナほど日本人に愛されたドライバーはいなかったし、今後もおそらく出てこないと思う。