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某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

確かにそうなんですが

2011年01月20日 23時16分01秒 | 銀行の話

無理なスケジュールは自分を苦しめるだけ 「8割主義」でいこう(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

ダイヤモンドオンラインはビジネスマン向けの記事が多いのでよく読んでいます。
なるほどなぁと参考になることもあれば、それは理想論過ぎるだろうと言うのまで様々。
今日の記事は後者でした。

他の業種はどうかはわかりませんが、銀行業界は突発的な依頼の多いところです。
BtoCの場合はほとんどがそうですが、BtoBの場合でも急に連絡が来て様々な依頼を受けることが数多くあります。
融資の申し込みや、融資の返済、返済条件の見直し、インターネットバンキングの問い合わせ、振込みの確認、給料振込みの依頼…
今日あったものだけでも数多あります。

それだけ頼られていると言うことなのでしょうが、困ったことになかなか事前に立てた計画通りに物事が進められないと言うデメリットもあります。
午前中に稟議をつくり、昼には取引先を訪問し決算書を貰い、午後はそれをもとに企業審査を行う。
こんなスカスカのタスクを考えていても、9時から15時まではお客さんの対応で手一杯になり、結局ろくに出来なかったなんてことがままあります。

立地条件や環境等によっても変ってくるのでしょうが、私の現在の状況では8割主義どころか5割主義でも精一杯。
攻めも守りもしなければならない銀行業界の難しさと言う奴なのでしょうか。


何処も同じなんだろうなぁ

2011年01月19日 23時26分03秒 | 銀行の話
支店と本部で“逆転現象”疲弊する銀行の氷河期世代(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

三菱東京UFJ銀行の内情の記事がありました。
おそらく、どの銀行も同じような状況だと思います。

ちょうど今30代の世代がロストジェネレーションといわれていますが、その世代は銀行が大蔵省や金融庁の指導により、採用数を大幅に減らした時期でした。
その下の5年くらいは、ちょうど私もその世代に入りますが、大量採用で銀行全体の3~5割を占めるほど大勢力となっています。
そのため研修もままならず、OJTという名目の下営業店に放り出されてしまったという事態がありとあらゆる銀行で起こってしまいました。
営業店によっては指導もままならず放置され、そのまま退職へと追い込まれた人もいると聞きます。

記事のとおり、様々な問題がでているのはそのとおりです。
どうにかしなければ、と経営陣は思っているのでしょうが、研修体制を組み替えたり、本部機能を再編したりと対策はしていますが、どうもその対策は的外れ。
本部機能の肥大化はとまらず、本部の縦割りによる弊害でどうしてもちぐはぐになってしまうのでしょう。
大企業病といってしまえば仕方が無いですか、それを解決しなければ組織の発展はありません。

とはいえ、組織で働く人は歯車のひとつに過ぎないわけで、なかなか変えられないのも事実。
経営者もなかなか組織の実情まで目が届きません。
日々の様々な問題にも対応しなければなりません。

これはもはや解決できない問題なのかもしれません。


銀行のお正月

2011年01月04日 21時47分36秒 | 銀行の話
今日から銀行は営業開始です。
つまりは今日が銀行にとってのお正月。

トップの訓示があったり支店長が今年の抱負について述べたり、朝からバタバタしていました。
日中は流石に暇だったんですけどね。

2011年もスタートということで、この時期に一番増えるのが日付の間違い。
どうしても「平成22年」とか「2010年」とか書いてしまうんですよね。
それは行員もですがお客さんもですので、書類を作り直したり訂正印を貰ったりする羽目になります。

まだ今年は和暦も西暦も最後の桁だけなので間違えにくいですが、平成20年や2010年になったばかりの時は大変でした。
10年間も平成1×年とか200×年とか書いてきていたんですから、早々簡単に脳は切り替わりません。
私は経験ないですが、2000年になった時はもっと大変だったと思います。

とりあえず、平成23年という響きに慣れるまでもう少し時間はかかるでしょうね。

今年も終わり

2010年12月31日 09時18分35秒 | 銀行の話

今日で今年も終わりですが、銀行は昨日まで。
同業以外の業種にいった人は、28日とか29日までのところが多いのですが、年中無休の業界以外では金融業絵画最も遅い部類に入るでしょう。

おかげで昨日は私の上司や更にその上司である支店長などと「納会」と称した飲み会にいくことに。
飲むことは好きなのですが、この時期の飲み会はちょっと気が重くなります。
出来るだけ早く帰省したい、同窓会に出たい、友達とつかの間の休みを満喫したい…
家族のある人はこれに家族とゆっくり過ごしたいなどというのが追加されるでしょう。

一刻も早く仕事のことは忘れてしまいたいのに、延々とそれにつき合わされるのは大変です。
昨日もだいぶ遅くまで飲んでしまいました。

今年の正月は全国的に大荒れのようです。
みなさんも気をつけてくださいね。

それではよいお年を。


銀行窓販の話

2010年11月30日 20時49分47秒 | 銀行の話

また1ヶ月ほど放置してしまいました。
余りにもくだらなすぎるので民主党政権が終わるまで(もしかしたらもうすぐかもしれませんが)政治ネタを書かないと決めたのはいいものの、現在の経済情勢も政府与党の失政によるところが大きく、そちらも書けない状況になり、書くネタがないというが実際のところです。
色々と忙しかったのあるのですが。

そんなわけで、珍しく銀行とかかわりの深くかつ政治があまり関係の無いニュースを見つけたので今日はその話を。

国内生保は6グループ増収 銀行窓販で明暗分かれる(共同通信) - goo ニュース

投資信託や保険の銀行窓販が解禁されて10年ほど。
銀行員の仕事は一変しました。

上司先輩の昔話によりますと、それまでは預金を掻き集めてひたすら貸し付けるだけだったとか。
もちろんそれ以外の仕事、たとえば振込みだとか公共料金などの支払い等もあったと思いますが、収益の源泉は預金と融資だったわけです。

しかし、今では銀行窓販によって発生する預かり資産手数料がどの銀行でも大きな収益の柱となっています。
あまりにも収益に対する影響が大きいので、2年ほど前にあった大幅な景気後退局面では大きな打撃を受けるようになってしまったわけです。
大幅な景気後退局面では預かり資産が売れなくなってしまいますからね。

そのため、景気が悪くても売れる商品を銀行側が欲し、保険会社はそれに沿った商品を作っているわけです。
元本が保証されていたり、満期償還が短かったり、一定額まで増えると自動的に解約になったりと、それまであったような高利回りで幅広い保障という商品とは一線を隔すものが次々と生まれてきました。

その商品の差によって、生命保険会社は収益に大きな差が生まれるようになってきました。
ほとんど変わらない商品を地縁血縁で売っているだけの生保は衰退し、銀行で売れる商品を作り出した生保は増収というのは当然です。
余りにも人気が出すぎて販売休止になり、それがニュースになった商品もありましたが、これからは生保も頭を使って商品を作らなければならない時代といえるでしょう。

その象徴的な出来事だなと思ったのが、国内最大手の生命保険会社である日本生命が保険年齢ではなく満年齢の保険商品を作ったことですね。
ザ・セイホの筆頭であった同社がそれまでの慣習を捨て去り、外資系保険会社や損保系生保と同じように満年齢を採用したのは、単に銀行側からの要望に他ならないといっていいでしょう。
外からの圧力に負けたといってもいいかもしれません。
そういった業界特有の制度は、他の業界からすれば邪魔なものでしかありませんからね。

銀行側も保険会社側も収益の柱になってしまった銀行窓販。
どこまで伸びるかわかりませんが、当面はその勢いが衰えることは無いでしょう。
個人的にはもう限界だと思っていますが、それは別の機会に。

悪いなぁと思う時

2010年10月29日 20時26分40秒 | 銀行の話
気が付いたら1月近く放置してました。
期初は忙しいとはいえ、ちょっとこれは不味いと思い直し、今日からまた書き始めます。

銀行に限ったことではないですが、仕事をしていると色々な人とお付き合いが発生します。
「親戚が家を建てようとしてて、住宅ローンを組むつもりなんだけど」というような感じで、普段の取引とは全く関係の無い顧客の紹介を受けることがあります。

お金を借りて事業をしようという人や、家や車を買おうという人が極端に減っている現在では、そういった紹介は本当にありがたいんです。
預金と貸出の割合のことを預貸率といいますが、この預貸率は今あらゆる金融機関で下がりに下がっています。
預金が増えているというのもありますが、貸し出す先が無いため貸出が減っているというのがその大きな原因です。
ですから、こういった紹介は天の助けと思えてしまいます。

しかし、そういう人に限ってなにかあるもの。
10年前に自己破産をしていたとか、自動車ローンの借り入れで延滞したことが過去にあったとか、スネに傷があるケースがままあります。
所謂ブラックリストに載っているわけで、そういった場合もうどうしようもありません。

所謂プロパー住宅ローンというの手もあるのですが、まずそこまではしません。
手間がかかりすぎますし、万が一のリスクも大きすぎるからです。
ですから、そういった場合は泣く泣くお断りをさせていただくわけです。

その場合、紹介をしてくれた人に対して非常に気まずくなってしまいます。
折角紹介してもらったのに、断ってしまったわけですからね。
それでもその人には仕事で会うわけでうから、その度に悪いなぁと思い続けなければならないわけです。
とはいえ、そういった紹介でもないと中々貸出が増えていかないんですけどね。

無能な政府が企業を潰す

2010年09月13日 21時29分33秒 | 銀行の話
中核的自己資本、7%に 主要国金融当局が規制強化策(朝日新聞) - goo ニュース

昨日、金融庁がいかに狂った存在かということを書きました。
そして見てもらいたいのがこのニュースです。
専門的過ぎるので簡単に言えば、銀行にさらに融資をさせないための規制とでもいえるでしょう。

銀行の自己資本比率規制は、金融市場における間接金融の割合が欧米に比べて大きい日本では大きな打撃を受けます。
ですから、自己資本比率の規制は日本の金融機関に対する規制といっても過言ではありません。

今回の「バーゼル3」と呼ばれる自己資本比率規制は、現行の「バーゼル2」よりはるかに厳しいものです。
現行の「バーゼル2」、昔は新BIS規制などと呼ばれていましたが、そしてそれ以前のBIS規制のおかげで、日本の金融機関は非常に苦しみました。
貸したいのに貸せないジレンマに陥ってしまったのです。
それによって多くの企業も苦しみました。

更なる規制で、金融機関も企業もさらに苦しむのは明白です。
そうであるのに、日銀や金融庁は「日本の主張も認められ、バランスのとれた合意内容になった」「この合意の内容であれば、各行が地道に利益を積み上げれば何とか対応できるのでは」と話しているとか。
呆れてものも言えません。
いかに現実がわかっていないかがわかるかと思います。

実際には、彼らも現実がわかっていると思います。
しかし、他国の金融当局者と渡り合える政治力、外交力が皆無であるため、彼らの要求を丸呑みせざるをえず、それを隠すために上記のような言い訳に始終しているのでしょう。

無能な政府が企業を潰す典型的な例ですね。



日本振興銀行破綻に思うこと

2010年09月12日 23時09分44秒 | 銀行の話
振興銀破綻、初のペイオフ発動 元本1千万円まで保護(朝日新聞) - goo ニュース

日本振興銀行が破綻しました。
初のペイオフ適用ということで、私の銀行も色々と対策をとらされました。

こういう時に恐ろしいのが取り付け騒ぎです。
過去には全く根拠のない噂が取り付け騒ぎを起こしたこともありますので、他の金融機関とはいえ、同業種の人間の言動は慎重に行わなければならないのです。

なんとか大きな問題も起きずに済みましたが、金融庁が足利銀行の時とは違い破綻という道を選んだことは、多少ショッキングな出来事であったといえるでしょう。
今までは社会の信用不安を抑えるという名目で、他の金融機関に救済合併させたり、国有化したりとさまざまな方策をとっていたのですから、とうとう来るべき時が着たのか、といった感じです。


報道では様々なように書かれていますが、私は木村前会長にちょっと同情しています。
木村前会長は金融庁の検査忌避容疑で逮捕されましたが、これに関しては木村前会長にだけ非があるとは思えません。
というのも、金融庁のやり方のえげつなさ常軌を逸しているからです。

日本振興銀行が破綻したのは、貸し倒れ引当金の不足分を積み増しすると大幅な債務超過になってしまうことが確実になり、経営が立ち行かなくなるからです。
木村前会長もこれがわかっていたから検査忌避を行ったのでしょう。

この貸し倒れ引当金というのがクセモノで、金融庁が狂ったような査定を行うためにすべての金融機関が苦しんでいるのです。
というのも貸し倒れ引当金というのは、融資した企業のリスクを勘案し、それに応じたお金を費用として計上するわけです。

そのリスクを勘案するやり方が非常に恣意的で、金融庁は非常にムダとも言えるほど厳しく設定します。
そのため金融庁から検査を受けた金融機関はもれなく貸し倒れ引当金の積み増しを強要されるのです。

今回の日本振興銀行と同様に、UFJ銀行も金融庁によって潰されました。
UFJ銀行はUFJ信託銀行という優良な子会社があったために助けれられたようなものでしたが、日本振興銀行はそうでなかったために倒産したというわけです。

もちろん検査忌避というのは銀行法違反ではありますが、それをやらざるを得なかった木村前会長に私は同情せざるをえません。
高金利につられて日本振興銀行に預金をし、騙されたなどといっている人々よりずっと非は少ないと思います。

日本振興銀行が破綻し、そして新銀行東京が巨額の赤字を出しています。
両銀行とも、当初の理念はすばらしかったと思います。
既存の銀行が融資しない中小企業を助けるんだ、という理念を否定する人はいないでしょう。

しかし、彼らはその原因を深く考えなかったのが最大の失敗でした。
既存の銀行が中小企業に融資しないのは、貸し渋っているわけでも審査能力がないわけでもないのです。
今の日本の金融行政の下では融資することができないだけなのです。

それをわからなかった木村前会長や石原都知事の責任はあると思います。
プロができないことを素人ができるはずがないのですから。

木村前会長に責任があるとすれば、その事実をわからなかったということでしょうかね。



銀行からお金を借りる方法

2010年09月02日 06時16分57秒 | 銀行の話
よく融資の相談にくる方の中に、「私の家や土地を担保にお金を貸してください」という人がいます。
大体そういう人は、担保があればお金を貸してもらえると思っていることが多いようです。

しかし、銀行は担保があるからといってお金を貸すことはありません。
銀行からお金を借りるときに必要なのは、その借金を返すことができるという証明です。

いくら担保の価値が何十億あろうが、収入と支出がプラスマイナスゼロ、もしくは赤字で返済ができない場合はお金を貸すことはありません。
逆に担保はなくとも、明らかに収入と支出の差額がプラスで、返済していけるのが明白ならばその返済できる範囲でお金を貸してもらえるでしょう。

担保はあっても返済ができないような人は、お金を借りる前にその担保を売却すればいいわけです。
銀行は不動産業者でも古物商でもありませんから、担保を処分するのに積極的ではありません。
担保を処分して借り入れと相殺するのは最後の手段なのです。

逆に言えば、いくら担保がなくても返済していけるということが証明できれば銀行からいくらでもお金を借りられるということです。
しっかりとした事業計画をたて、厳しめの売り上げ予想をつくり、ちゃんと銀行の担当者にそのことを説明し、わかりやすいデータを提出できれば、銀行からは簡単にお金が借りることができます。

しかし、現実は穴だらけの事業計画で、甘めの売り上げ予想をつくり、それをろくに銀行の担当者に説明もしないまま自分の希望的観測をのべるだけでお金を貸してくれという人がほとんどです。
むしろ、いくら必要だからと逆算で売り上げ予想と事業計画を作るため、無茶な内容になっていることの方が多いように思います。

無理なことをせず、分相応に着実に地道にやっていけば、銀行のほうから融資の話がやってきます。
そのときに初めて事業の拡張を考えればよいのです。

もちろん無理なことをして成功したところもありますが、そういった成功例はほんの一握り。
死屍累々の山の上に咲いた一輪の花といったかんじです。
銀行からお金を借りるには、まず自身の状況を客観的に見てみることが必要です。

とはいえ、今事業をしている人にはそんなことを言っている余裕はありませんよね。
日本は失敗に非寛容な世界ですから、一度会社をつぶしてしまうとそこから復活するのは非常に厳しくあります。

しかし、それでいいのではないでしょうか。
何も挑戦し続けるだけが人生じゃないのではないでしょうか。
人手が足りない業界は山ほどあるわけで、自分で事業をすることにこだわる必要はないでしょう。
そしてそれに応じた生活をするのも一つのやり方だと思いますよ。

銀行員が銀行の話を書けないワケ

2010年08月29日 00時20分04秒 | 銀行の話
銀行に関する本やブログなどで、現役の銀行員が書いているものは非常に少ないです。
ほとんどが「元」銀行員が書いてあるもので、現役の銀行員が書いているのはこのブログのように当たり障りのない内容のものがほとんどだと思います。

これは単に銀行員の守秘義務が原因です。
何か面白いことがあっても、顧客のことや銀行内部ものことを外部に漏らすことは厳禁。
誰が書いたかわかったら厳重に処罰されます。
ですから個人が特定されやすい場所で、個人が特定されやすいネタを書くなんてできないわけです。

とはいえそれではおもしろくありません。
私もそろそろ銀行員になって5年がたち、もう大丈夫だろう、というネタも増えてきました。
それを書いていけたらなぁ、と思います。


もっとも、個人が特定されにくい場所で個人が特定されやすいネタを判りにくくして書くことはあるんですけどね。
たとえば2chとかで(笑