某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

今年も終わり

2010年12月31日 09時18分35秒 | 銀行の話

今日で今年も終わりですが、銀行は昨日まで。
同業以外の業種にいった人は、28日とか29日までのところが多いのですが、年中無休の業界以外では金融業絵画最も遅い部類に入るでしょう。

おかげで昨日は私の上司や更にその上司である支店長などと「納会」と称した飲み会にいくことに。
飲むことは好きなのですが、この時期の飲み会はちょっと気が重くなります。
出来るだけ早く帰省したい、同窓会に出たい、友達とつかの間の休みを満喫したい…
家族のある人はこれに家族とゆっくり過ごしたいなどというのが追加されるでしょう。

一刻も早く仕事のことは忘れてしまいたいのに、延々とそれにつき合わされるのは大変です。
昨日もだいぶ遅くまで飲んでしまいました。

今年の正月は全国的に大荒れのようです。
みなさんも気をつけてくださいね。

それではよいお年を。


隣の芝は青すぎる

2010年12月20日 22時54分03秒 | 日記
週間少年ジャンプで連載中のバクマン。というマンガがあります。
連載開始当初からハマっていて、ピューと吹く!ジャガーが終わった今ではジャンプを読む唯一の目的になっています。
往年のジャンプマンガを読んでいればニヤリとしてしまう小ネタや、現代版まんが道とでも言うべき展開に引き込まれてはや数年。
ジャンプにありがちの引き伸ばしんお展開に少し嫌気が差しつつも、毎週楽しみにしているものの一つです。

バクマン。の中で一番好きなキャラは平丸一也です。
キャラが実際に時系列に沿って年齢を重ねていく珍しいマンガであるバクマン。では、自分と同世代のキャラももちろん出てきます。
私にとっては彼がちょうど同じ世代で、しかも脱サラして漫画家になったという変りダネ。
しかも漫画家になった理由が会社に行くのが嫌になったからという超後ろ向きな理由。

しかし、彼の気持ちは本当によくわかるんですよね。
20代なかばから30代前半のサラリーマンというのは、一番割に合わない存在なのです。
終身雇用制が崩れたといわれてはいますが、まだまだその特色を色濃く残しているのが日本の企業。
稼いだ金額の推移と賃金の推移を比較すれば、ちょうどその世代が大幅なマイナスになるといわれています。(大学時代のミクロ経済学のテキストに載っていたように思います)
ですから、一番仕事が嫌になるのもこの世代なのです
結婚して子供がいれば諦めもつくでしょうが、彼や私のように独身ならば、別の世界に逃げ込みたいと思ってしまうものなのです。

とはいえ、誰もがそうできるわけではありません。
自暴自棄になって辞めたり転職したりする人もいますが、そういう人の大多数は失敗しています。
また脱サラして事業を起こしたりする人もいますが、銀行員だからなのですが、そうしたことでどれだけ苦しむかを山ほど見てきました。

だからこそ、仕事をやめたいと思い、また何時転職してもいいような準備をしていますが、それに踏み切れていません。
勇気が無いというか、どうしても成功する確率とその後の収入を掛け合わせた期待値と、現在のまま行った場合を比較してしまい、今のままの方がいいという結論になってしまうのです。
そうであるのに脱サラし、仕事をしたくないと言いつつも成功を収めている彼にどうしても憧れてしまい、彼の成功を祈ってしまうのです。

今週号はそんな彼が一目惚れした女性に丸々1年(漫画内の時間では3年以上)かけてやっと告白し、成功したという回でした。
とても他人のこととは思えません。
私も一歩踏み出す勇気を持つべきでしょうか。

流石田村耕太郎『元参議院議員』ですね

2010年12月17日 20時55分10秒 | 日記
田村耕太郎の「経世済民見聞録」 欧米が断言する、「日本みたいになりたくない!」 「莫大な債務」「長期のデフレ」に国家破綻の予兆(日経ビジネスオンライン) - goo ニュース

いよいよ“日本問題”がアメリカで知れ渡ってきた。
今までここ米国では「ブッシュ減税の延長問題」「中国の台頭」「欧州財政問題への不安」に隠されてきたが、逆にそれらが日本の問題を浮き彫りにしつつある。
「莫大な債務を抱えたまま」「長期のデフレに苦しむ」という日本問題を!


こういう文章で始まる記事をみつけ最後まで読んでみましたが、頭が痛くなりました。
日本の先行きに不安を感じてではなく、この文章を書いた人の頭の悪さに辟易してです。

使い古された日本バッシングを後追いしているだけで、今更そんなことを言ってどうしたいのだろうというのが正直な感想です。
と同時に、国債の問題とデフレの問題という全く次元の違う問題を強引に一つの土俵に上げて論じているところに、この人は本当に一時期でも国政に携わっていたのかと疑問に思ってしまいます。

内容は「欧米の人たちがこんなことを言っていた!だから日本はダメだ」ということに終始しています。
しかし、その内容も与太話ばかり。
実際の研究に裏打ちされたものではありません。
結局のところ、日本はダメだという話をまとめただけなのです。
おそらく、国債残高の問題もデフレの問題も、何が問題なのかわかっていないのではないでしょうか。

特にそれがわかるのが最後の部分です。

最初の格付け会社幹部の表現を借りれば、「格付けを買える時間も後もう少し」ということか。
いかに9割以上を国内消化できているとしても、このままではスペインの次として、日本にスポットライトが当たりかねない。
世界の注目が高まれば、何かのきっかけで金利が暴騰しかねない。

ここに矛盾が満ち溢れています。
国債の9割が国内消化できているのですから、世界の注目が高まったところで関係ありません。
きっかけがあるとすれば国内の要因になるでしょうが、ここまで低金利とデフレに苦しんでいる現状から考えても、かなり大きな国内の経済情勢、産業構造の大転換が無い限りありえないでしょう。

日本の経済規模の大きさと、欧米との産業構造の違いを全く無視したこの生地に全く意味は無いといえるでしょう。
流石田村耕太郎『元参議院議員』ですね。
意味不明な行動を取って落選した彼は伊達ではありません。
本物の馬鹿です。


スピード感を失ったものは滅びる

2010年12月16日 22時04分09秒 | 日記

香港から見た、日本を覆う出版不況の必然(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

出版不況という言葉も目新しくなくなってきた昨今ですが、出版業界の中の人によるその原因の考察をみて、なるほどと思いました。

よく言われるのは、インターネットや携帯電話等の普及、そして不況により、出版物への支出が減ったことがあげられます。
若者の○○離れの一つとしてよくあげられる説です。
業界のしがらみにとらわれて、新しいもの、例えば電子書籍などにチャレンジできないことをあげる人もいます。
傲慢な業界関係者は、日本人が愚かになって本や新聞を読まなくなったという人もいます。
最後は論外な意見ですが、出版業界以外の状況から考えても、この二つが主な原因なのかなと思っていました。

しかし、この香港人の作家の意見に、少し愕然とするとともに納得してしまいました。
単純に要約すれば、余りに出版業界の思考が内向きになりすぎて外の変化に対応しようともせず、そして対応する能力もなく、ビジネスチャンスを逃し続けているということです。
自分の都合、自社の都合、業界の都合しか見ていないため、世の中のニーズやビジネスの動きに全く付いていけてないのですから、売れないのも当然です。

確かに出版業界に限らず、マスコミはそのような傾向が見られますね。
外から批判を受けても厚顔無恥。
見放されてどうしようもなくなってから焦って行動しようとするも、既に手遅れというわけです。

あらゆる業界においても、出版業界のような対応をしていたら衰退するだけです。
誰もがいかにして売上を伸ばすか、収益を拡大するかに腐心しています。
そのために、世の中の動きに遅延なく対応するスピード感は必須です。
そのスピード感を失い、変化をやめたものに待っているのは滅び去る運命だけです。

私も世の中の激しい変化に対応するのに精一杯。
仮に何かが上手くいっても、明日それが通用するとは限らないという不安に常に苛まれています。
だからこそ外の動きに敏感にならざるをえないのです。

出版業界はただ内にこもり、売れる方法ではなく自分のやりやすい方法でやってきたのですから、こうなるのは当然です。
出版不況は自業自得とでもいえるかもしれません。
昨日も書きましたが、東京都の青少年健全育成条例の改正案も、内向きな出版業界が外の変化に対応しようとしなかったために生まれたものといっていいでしょう。

世の中は常に変化します。
それを忘れて自分のスタイルを貫き通すのは、滅びの道を歩いているのと同じ事というわけですね。

私が東京都青少年健全育成条例改正案に賛成な理由

2010年12月15日 22時16分09秒 | 日記

性行為などの漫画規制、都条例が成立(読売新聞) - goo ニュース

東京都青少年健全育成条例改正案が可決しましたね。
実際に販売規制が行われるのは来年7月からということですが、喜ばしい限りです。

「私が東京都青少年健全育成条例改正案に賛成な理由」とタイトルに書いたとおり、この条例改正案に賛成したのはいくつか理由があります。
まず第一に、現在のマンガやアニメの中で、性表現が非常に行き過ぎていると感じているからです。
マイナーな出版社やUHF局系アニメはもちろん、メジャーな出版社やキー局のアニメでも行き過ぎた表現があり、それらへの歯止めが必要で、少なくとも、あらゆる年齢の人が見れる環境に置くべきではないと思っています。

ここまで過剰な性表現が急増したのはここ4~5年が特に顕著だと思います。
恐らく、不況により収入が大幅に減少し、少しでもそれを補うために過激な性表現を容認するようになったのでしょう。
最近では男性向け、青年向けといったある程度読者層の年齢が高い雑誌だけでなく、少年誌でもそのような表現が増えています。
(一部の少女誌ではそれ以前から問題のある表現が多かったように思いますが、詳しくないので割愛します)
これでは規制しろという声が出るのも当然です。


第二に、そのような規制を求める声に対し、業界は反発しかしてこなかったことです。
表現の自由があるということは、それに対して反発する自由もあり、表現者はその反発に真摯に向き合う義務があります。
にもかかわらず、表現の自由が錦の御旗になるとでも思っているのか、表現の自由を繰り返すだけで何も対策を行っていません。
むしろ、性表現規制は間違っており、全く規制すべきでないとでも言っているように聞こえるような発言を有名な漫画家や編集者、関係者がしていることもあります。

性表現に限らず、表現の自由によって生み出されたものに反発する人は常に存在します。
過去にも様々な問題で対立が生まれてきましたが、今回のようにその声に全く耳を貸さないことは無かったように思います。
だいたいは法によって規制される前に、業界がチェック機関を設け、そのチェック機関が審査を行うということで折り合いをつけてきました。
BPOやJARO、映倫、CERO、ビデ倫、ソフ倫といった各種団体は、そういった表現の自由とそれへの反発から生まれたもので、先人の知恵と言ってもいいでしょう。

前回この条例改正案が否決されてから大分時間がたちます。
業界側が規制及び審査を行う団体を立ち上げる時間は十分にあったはずです。
にもかかわらず、法案が成立する直前まで何もせず、成立することが確実になっても反対しかしていないのは愚かとしか言いようがありません。

表現の自由は自然権の頂点にあるわけでも不可侵であるわけでもなく、社会の中では他の権利と折り合いをつけなければならないものです。
表現の自由への反発が起こるのは初めてのことではないのに、過去の例に学ばないのは明らかに業界関係者の怠惰に他なりません。
自主規制も出来ず、自分たちは何を表現してもいいんだというような傲慢な表現者たちを、厳しい法令で規制するのは仕方のないことなのです。


そして第三に、これが最後になりますが、この条例改正案に反対する人たちが余りにも傍若無人だったからです。
全く無関係な掲示板に、長々と条例改正案に反対する書き込みを行い(内容が同じなのでコピペなんでしょうが)、周りの迷惑も顧みず反対しろと命令しているのです。
そしてこの条例改正案を推し進めてきた石原都知事や自民党、公明党を口汚く罵っているのです。

実は私は最初、この条例改正案には反対でした。
行き過ぎた表現があるものの、表現の自由は守るべきであり、法令ではなく業界が設立したチェック機関による自主規制に任せるべきだと考えていたからです。
しかし、あまりにも反対派が見苦しいことと、そして業界側の怠惰な態度に考えを改めました。
最近では強硬な条例改正賛成派になってしまいましたが、これは皮肉にも反対派と業界関係者のおかげなのです。


もちろんチェック機関を作っても、完全に過激な表現がなくなるとは思っていませんし、天下りや利権といった問題が発生するとはわかっています。
しかし、日本は自由主義の国ですから、権利と権利がぶつかる場合、ある程度で折り合いをつけなければなりません。
それによって多額のコストがかかるのは、権利を守るために仕方のないことなのです。

そして今回、他者の権利を蔑ろにしてきた業界が法令によって強制的に規制されたというわけです。
悲しいことですが、十分な時間があったのに何もしてこなかった幼稚な業界には当然の報いだと思います。