某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

無能な政府が企業を潰す

2010年09月13日 21時29分33秒 | 銀行の話
中核的自己資本、7%に 主要国金融当局が規制強化策(朝日新聞) - goo ニュース

昨日、金融庁がいかに狂った存在かということを書きました。
そして見てもらいたいのがこのニュースです。
専門的過ぎるので簡単に言えば、銀行にさらに融資をさせないための規制とでもいえるでしょう。

銀行の自己資本比率規制は、金融市場における間接金融の割合が欧米に比べて大きい日本では大きな打撃を受けます。
ですから、自己資本比率の規制は日本の金融機関に対する規制といっても過言ではありません。

今回の「バーゼル3」と呼ばれる自己資本比率規制は、現行の「バーゼル2」よりはるかに厳しいものです。
現行の「バーゼル2」、昔は新BIS規制などと呼ばれていましたが、そしてそれ以前のBIS規制のおかげで、日本の金融機関は非常に苦しみました。
貸したいのに貸せないジレンマに陥ってしまったのです。
それによって多くの企業も苦しみました。

更なる規制で、金融機関も企業もさらに苦しむのは明白です。
そうであるのに、日銀や金融庁は「日本の主張も認められ、バランスのとれた合意内容になった」「この合意の内容であれば、各行が地道に利益を積み上げれば何とか対応できるのでは」と話しているとか。
呆れてものも言えません。
いかに現実がわかっていないかがわかるかと思います。

実際には、彼らも現実がわかっていると思います。
しかし、他国の金融当局者と渡り合える政治力、外交力が皆無であるため、彼らの要求を丸呑みせざるをえず、それを隠すために上記のような言い訳に始終しているのでしょう。

無能な政府が企業を潰す典型的な例ですね。



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