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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

関東流れ者

2018-08-13 02:14:45 | 邦画
8月のチャンネルNECOの日活スター列伝は日活の最後のスター渡哲也の
これまたロマンポルノに路線変更直前のヤクザ映画と言うか
日活ニューアクション最期のシリーズ
三作作られており、一般に渡哲也の<関東シリーズ>と言われており
好事家には中々評判の高い作品ではあるのだがナゼか現在までDVD化されておらず
って言うか最終作の「関東破門状」だけは露天で1000円くらいで売られるような形でDVDになってるけども
いいチャンスなのでエアチェックしてBDに焼いておきました

こんな面白いシリーズなのに何故に「無頼」シリーズはBOXとしてDVD化されてるのにねぇ
製作は3作とも1971年で、大日映配のロゴのあとに日活のロゴが入る

日活は完全に屋台骨が崩れ恥も外聞も無くし王道東映ヤクザ路線のプロットを
組み込み日活カラーを棄てて喘いでいるのですね
でも東映でも王道ヤクザのプロットは飽きられていた訳で
二番煎じに客は入るわけなく日活も断末魔のはてに王道的的任侠感覚を薄め

殺伐とした都会の中でひたすら現代ヤクザどもが殺しまくる映画になっており
ヤクザの男を止める女優の存在感がもうなんだろう全く無

監督は日活ニューアクションの旗手小澤啓一
三作共通に流れる渡哲也の主題歌「関東流れ唄」が実にカッコ良い。
渡の在籍する組の縄張のバーで暴れる原田芳男に幹部の小高雄二が完全に貫禄負けしてる
ちょうどそのころ渡は集団就職した弟の沖雅也と話していた

この時の沖雰囲気とかしゃべりが実にミニ小林旭に見えて仕方なかった
日活が倒産せずまた彼自身自殺せねばいい役者になっていたかも知れない

渡はその場をおさめるが、事が大きくなり、親分が原田に襲われ渡は原田を刺し殺す、
服役中に親分が何者かに殺されてしまいますが
渡は仮釈になるが、出迎えた見知らぬ男に殺されそうになる。

どうにか渡は古巣の横浜に戻るが、かつての横浜ではなく
組幹部はみな叔父貴の南原の組に寝返っていた。
そんななかで昔の兄貴を助けつつ親分を殺した男を探しつつ
渡を含む全員が己の欲望のまま破滅に向かってつき進んでいく
まるでこの映画を撮ってる日活をたとえているかのような破滅の映画っていいだろう

日活作品でありながら渡の兄貴分として今井健二が東映から参加してるんですね

1971年製作、日本映画、日活作品(ダイニチ映配配給)
小澤啓一監督作品

出演:渡哲也、丘みつ子、沖雅也、水島道太郎、内田良平、原田芳雄、青木義朗、今井健二、小高雄二

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