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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

R.M『心臓への一撃』②

2020-12-24 06:51:15 | 美術ノート

 心臓への一撃とは、必ずしも殺意を指すものではなく、愛を射止める求心力、要するに震撼させるような衝撃(ショック)という精神的なものかも知れない。
 全身全霊を撃ち抜く、それは何か。

 絵の中にあるいくつかの矛盾(不条理)、水平線は左右で異なり、左は明確、右は不鮮明である。
 
『心臓への一撃』には精神的あるいは物理的の二面があるが、必ずしも両面は離れたものではなく、競合することもあり一撃は矛盾を孕む一瞬である。薔薇の木から短剣が生えるわけもなく、短剣が薔薇を生むわけでもないが、薔薇に象徴される愛と短剣が意味する殺意とは同時性をもって共存している。
 精神の深淵、心象風景である。


 写真は『マグリット』展・図録より


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