
『日の出、日没(4線)』
シンプルであり飛躍しすぎていて、直感では伝わらない。
けれど、凝視していくうち、これは原始地球の在り様ではないかという気がしてくる。何もない平原、太陽と地球の関係だけの現象である。
4線は東西南北を示唆しているのだろうか。細長い線条は時間の経過、立体になっている左端は大気により屈折するため、より大きく見える太陽を示唆しているのだろうか。
太陽との関係によってのみ存在する地球に、観察者としてその一点に立ち、太陽と自分の関係を図ったものと思う。断続的に切断された箇所があるが、風雲・気流によるものだろうか。
太陽との対峙、普遍の距離感、太陽が回るというのでなく(地球が自転しているわけだけれど)、あくまで自分と太陽との関係である。大量の光を縮小し物量に変換させるという世界観は《静謐》というより他ない。
(写真は横須賀美術館『若林奮VALLEYS』より)
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