続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

Ⅱ-5-4 水没Ⅱ④

2019-12-20 07:01:46 | カフカ覚書

 この作品全体は人類と自然との共存、簡略化された歴史である、はかり知れないほどの長い時間が内在している。知的であり、情報の集約は機密性が高く整然と重ねられている。
 この人為の結集、果てしなく未来への挑戦は続行するに違いない。

 世界全体はこの作品にみる《水没》を想起した時のエネルギーに等しいのではないか。
 しかし、人智の結集は、この作品を水没に至らしめるだろうか。

 仮に水底深く沈めたとして浮かび上がるのは必至。深ければ深いほど勢いは猛威を加速すると思われる。
 人類の進歩・発展、今日の社会は長く大きな時空(歴史)を継続している。
 この社会を水没させることは困難であるが、宇宙的な時間軸で測ればそれは有るかもしれない。物質すべてが原子に還る日がくるだろうか。

 この作品の課題は巨きく重い。
 若林奮は人間(動物)と自然(生物)を、海・山・地層(地球)の関わりの中で捉えようとしている、即ち世界は時空の振動に刻まれながら呼吸している。(この作品のシンプルさに敬意と驚嘆の意を抑えることができない)


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館


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