『絶対の探求』
平原に一本の木があるが、枝葉は、平面(二次元)であり、葉脈のみが一枚の葉の形に描かれている。赤い夕陽の大地、山々は平たく均一な高度をもって並列している。
すべてが経験からくる情報の則を外している。
樹の異常な高さ、平面の樹葉なんてものは無いし、その形態が一枚の葉の形などということもあり得ない。しかもその細かい枝葉まるで樹根なのである。
荒地が整地したような平地であるのもおかしいし、同じ高さに揃う山々も見たことがない。
知る限りの情報の否定、有り得ない光景のなか、唯一太陽の昇降だけが信じられる手掛かりである。
全てを否定し尽しても、太陽だけは動かし難い存在であり、無条件の真実である。
『絶対の探求』、絶対に無いと思われる光景(現象)を並べ尽しても、万が一、億に一つ…《絶対に無い》と断言できるだろうか。人間の叡智は、何かを創出し、いかなる風景に変換させるかの未来を持っている。
否定・肯定の限りを探求していくと、残存する絶対的な肯定は存在そのものの基本である《太陽》に行き着くしかない。究極の絶対(太陽)は存在の要であり、答えは地平を静かに掠めている。(太陽は永遠ではないかもしれないが、人類の生存はその範囲を出ない)
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
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