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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

カフカ『インディアンになりたい願い』

2012-05-08 06:42:13 | カフカ覚書
 ああ、ぼくがインディアンだったらなぁ、そくざに決意して疾駆する。馬に打ち跨り、斜めに空を切って顫える大地の上で絶えず小さく身体を顫わせ、ついには拍車を捨て、だってインディアンに手綱なんて要らなかったから。行く手のたいらに刈られた荒野のような大地もほとんど目にとまらず、もはや馬の頸も頭も消えて。

 インディアン/Indianer→Doana(ダイアナ、
 馬/pferde→pfarre/教区。
 走り/rennenden→lernende/学んでいる人。
 大地/Boden・・・船底。
 空/Luft→Lupf/重い負担。
 手綱/Zugel・・・拘束。
 

☆もし、月の女神(ダイアナ/森の女神)だったら、即座に決意する。教区の教徒、歪んだ重い負担、常に敵対し恐れおののき、船底で震えている人を除き、少しも嘲笑のない存在にし、少しも拘束のない存在に人を到らせる。平ら(平和)を思い出させることのない荒野を見ても、すでに教区の首(首長)も頭(トップ)もいないような。

*本はすべて新潮社版
 『カフカ全集6・城』(前田敬作 訳)『カフカ全集2』(川村次郎・円子修平 訳)を参照させていただいている。

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