『3つの停止原基』
長さ1メートルの糸が限定された3枚のカンヴァスを、3枚のガラス・パネルに謬で貼りつけたもの。それぞれのパネルには糸の曲線に従った木製の定規がついている。すべてが収められた木製の寸法は129.2×28.2×22.7㎝(解説より)
ちなみに、糸の曲線は全くの偶然に拠るものらしい。
停止原基なんて言う言葉があるだろうか…原基とはいわば《未来予想図》
未分化(見決定)の状態の未来を決定づける根本、それを停止と否定している。
しかもこの場合、原基は全く偶然性の表明であリ、しかも自身が決定した偶然である。
3つ…一次元・二次元・三次元(4つなら4次元?)
3つ…過去・現在・未来(4つなら死後?)
過去と現在はすでに決定しているから原基には触れないが、存在そのものの運命論の全否定だと思う。
もちろん物理的解釈ではなく精神論の範疇である。
運命の予想という他から働きかける力の阻止である。換言すれば《自分自身の解放》を静かに言明し得た作品だと思う。
(写真は『マルセルデュシャン』㈱美術出版社より)
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