続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』3313。

2019-11-29 06:12:25 | カフカ覚書

そのあいだに従僕は、仕事を終えていた。ただ、書類が一枚だけ(と言っても、じつは小さな紙片、メモ用紙一枚にすぎなかった)、助手の手落ちで車のなかに残っていて、だれのところへ配達してよいのかわからなかった。〈あれは、どうやらおれの書類かもしれんぞ〉という考えが、Kの頭にひらめいた。

☆したがって従僕(死人)自身の現場不在は打ち切られた。ただ一つの記録、まったく一枚の紙切れ、先祖のメモ用紙だけだった。助手の落ち度で引き起こされた小さな秤(平等)が残っていたが誰に分配すべきか分からなかった。あれはわたしの書類(記録)かも知れない、と頭のなかに浮かんだ。


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