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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『大家族』

2015-07-04 07:04:10 | 美術ノート
 なぜこれが「大家族」なのかと論議される作品である。

 大家族・・・(聖書における)ノアの洪水の後。
 
 水がひいたかどうかを見ようと、彼の所から、はとを放ったが、はとは足の裏をとどめる所が見つからなかったので、箱舟のノアのもとに帰ってきた。水がまだ全地のおもてにあったからである。彼は手を伸べて、これを捕え、箱舟の中の彼のもとに引き入れた。それから七日待って再びはとを箱舟から放った。はとは夕方になって彼のもとに帰ってきた。見ると、そのくちばしには、オリブの若葉があった。ノアは地から水がひいたのを知った。(略)

 ・・・あなたは妻と、子らと、子らの妻たちと共に箱舟を出なさい。あなたは…(略)これらのものが地に群がり、地の上にふえ広がるようにしなさい。

 あなたがたは、生めよ、ふえよ、
 地に群がり、地の上にふえよ」。(創世記より)


 この景色ではないか。
 もはや彼のもとには帰ってこなかったという「はと」。鳩の形にくりぬかれた空間は雲の散在する青空=自然である。
 マグリットは、ノアの逸話を否定も肯定もしていない。しかし、鳩が抱くのは「予測不能な大自然の宙=真理である」

(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)

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