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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

R.M『夢』

2020-11-30 06:55:49 | 美術ノート

   『夢』

 裸婦像である。細密に描かれた一糸まとわぬ肉体は右手を岩石の上に置いている。不変の石と結びついているが、右の壁面には同じ角度からの映像が影として映っている。

 もちろん有り得ない映像であり、異次元との併合である。
 性的でもなく神々しいという印象でもなく、実にリアルな肉体そのものであるが、彼女は目を閉じている。こちらを見ておらず、一方的にこちらが見ているだけである。

 この場面は相当に高い位置にあり、川や野原を遥か遠くに見下ろしている。空中飛行の裸婦、しかも地上の岩石がある。
 切れ切れの時空、女の立ち姿の真正面、背後の疑似映像、重複の画面ではなく影という設定の不条理。

 まさに精神現象であり、空想の域である。
 面影・・・母への強い執着ではないか。自分を生んだ母への思慕、この裸婦像は『夢』であり《聖域》である。

 
 写真は『マグリット展』図録より


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