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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『停止原基の綱目』⑥

2020-03-09 07:05:17 | 美術ノート

 この画の持つ時空、三層の空間は意識空間、現在、過去、未来の不明な空間であり微妙に融合している。境目に曖昧さが残る。
任意(偶然の)線条は手前にあり、背後には自分の描いた絵を分割するかの横に均等に引かれた直線(必然/人為)がある。人為(情報の集積)は過去に押しやられ、偶然の線条が手前に配している。

 偶然こそが未来に結びつく要であるという主張が、世界(過去)の前にある。
 しかしこの分岐していく線条に打たれた○印は何だろう。距離(長さ)は等分に見える。等分の絶対的なものは太陽系における周期であり一年、あるいは一日という時空の巡回である。
 つまりこの偶然の中には必然があり、偶然から必然を除去することは絶対に不可能である。

『停止原基の綱目』は究極の混在、存在の原理ではないか。この条件からの解放、ここより先への脱出を希求するデュシャンの姿勢、見解を垣間見る。


 写真は『DUCHAMP』より www.taschen.com


 


『忘れえぬ人々』103.

2020-03-09 06:42:17 | 国木田独歩

明媚幽邃の中禅寺湖と変わっているがこの大噴火口にいつしか五穀実る数千町歩の田園とかわって村落幾個の樹林や麦畑が今しも斜陽静かに輝いている。


☆冥(死後の世界)を備(あらかじめ用意しておき)幽(死者の世界)に追(後から迫る)。
 註(意味を解き明かす)談(話)であり、字の個(一つ一つ)を弁(区別する)。
 他意に粉(かぎれこんでいる)化(教え導く)講(話)は語(言葉)で告げる。
 昵(近づくと)趨(ある方向へ進んで行く)。
 専ら調べ部(区分けして)伝える。
 掩(隠して)在る絡(すじみち)の記がある。
 己(わたくし)の需(必要とする)倫(人の行うべき道)の縛(いましめ)将(あるいは)魂の赦(罪や過ちを許す)の要は常に鬼(死者/亡霊)にある。


『城』3373。

2020-03-09 06:28:28 | カフカ覚書

それに、彼らも、暗いうちに眠りを妨げられ、はやく起きてしまったので、疲れているようであった。とくにお内儀は、そうであった。彼女は、絹のような、さらさらと衣ずれの音のする、スカートの広い、茶色の服を着、ボタンの留めかたと紐の結びかたがすこしちぐはぐだったがー


☆彼ら自身も死を前にし驚かされ、早すぎる出現に疲れているようだった。とくに女主人は先祖のわずかな放縦により危害を加えられ嘘でおびき寄せられていた。