『1-1-4〔無題〕』
仰向けになっているのは少女、膝の上に乗っているのは蝉だろうか。
少女の息と蝉の息が連結している、共感だろうか。
静謐、どちらが強者でどちらが弱者でもない同等の静けさである。写真ではよく分からないが少女の左手は蝉を圧しているだろうか、そっと撫でているのかもしれない。少女が蝉を捕縛しようというのでも、蝉が少女に危害を加えようとするのでもない共同体のような態である。
相通じる思い、景色は一体化している。
蝉の特質は地上に出てからの短い命(一週間~)だけれど、地中では3~17年という驚くべき長い眠りを持つことが知られています。
響きわたる鳴き声はメスに合図を送るためで、短い地上の生活の中で繁殖の役を担うとのこと。
少女…メス、メスとの交接を美しい物語(詩)を以て刻んだのかもしれない。静かなる愛、小さな物語があることに向けた若林奮の眼差しの優しさである。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展図録より・神奈川県立近代美術館
ホールではまだぱちぱちてが鳴ってゐます。それどころではなくいよいよそれが高くなって何だかこはいやうな手がつけられないやうな音になりました。大きな白いリボンを胸につけた司会者がはひって来ました。
☆主(中心)は冥(死後の世界)の講(話)である。
化(教え導くこと)の趣(ねらい)を隠して他意を吐く。
教(神仏の教え)の詞(言葉)の解(悟り)で、赦(罪や過ちを許すこと)の記である。
当地で発せられる命令は、ときとして非常に実行しやすいことがある。しかし、Kは、この容易さをよろこばなかった。
☆幾つもの傷痕(汚点)に与えられた命令(罰則)は非常に簡単に実現するようになる。この簡単さをKはよろこばかった。