続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『耕耘部の時計』㉙

2018-09-25 07:27:30 | 宮沢賢治

 赤シャツの農夫は馬に近よって頸を平手で叩かうとしました。

 赤はシャクと読んで、釈。
 農夫はノウ・フと読んで、納、訃。
 馬はバと読んで、場。
 近よってはキンと読んで、襟。
 頸はケイと読んで、継。
 平手はビョウ・シュと読んで、描、趣。
 叩かうとはコウと読んで、講。


☆釈(意味を解き明かし)納(おさめる)。
 訃(死の報せ)の場(空間)は、襟(心の中)にある。
 継(つないで)描く趣(考え)の講(話)である。


🈞マグリット『アルンハイムの地所』

2018-09-25 06:58:01 | 美術ノート

   『アルンハイムの地所』

 翼を広げた鷲の形をした山、星空に南中の二十六日の月、手前には三つの卵…。
 三日月と鷲の頭部と三つの卵は直線状にある。

 南中の二十六日の月が見える時刻は真昼であり、星空の夜間ではない。
 翼を広げた鷲は、あくまで山であり鷲に見えるだけである。
 巣に入った三つの卵、鳥が人工的な煉瓦の上に巣をつくり卵を生むことなど皆無である。

 この三つの虚偽をつなげた空論に答えはあるのだろうか。

《まず否定ありき》の中から見出す真実・・・非現実をあたかも現実のように描くことの作為。
 決して存在することのない景色…しいて言えば神の領域であり、永遠に見ることの叶わない光景は願望ですらある。

 南中の二十六日の月は《時間の否定》
 翼を広げた鷲の形は《質の変換/質の否定》
 三つの卵は《場所・状況の否定》

 要するに、現実空間を全面拒否した架空の創造世界の現出であり、宣言、宣誓である。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


『小岩井農場』107

2018-09-25 06:45:06 | 宮沢賢治

  さうです 農場のこのへんは
  まつたく不思議におもはれます
  どうしてかわたくしはここらを
  der heilige Punkt と
  呼びたいやうな気がします


☆納(受け入れる)状(ありさま)は、普く死を擬(なぞらえた)記である。

 ※der heilige Punkt は神聖な場所


『城』3034。

2018-09-25 06:38:34 | カフカ覚書

しかし、きみは、ほかのことはいっさい無視するとしても、とにかくクラムから引きはなされてしまった。それがどういうことを意味するのか、ぼくは測りかねているのだが、なにやらおぼろげな見当ぐらいは、だんだんわかってきた。


☆しかし、すべての見たことを変え、氏族を引き離すことを、不思議に思った。それが意味することを、わたしは判断できないが、先祖の疑念はしだいに分かってきた。