チャイムが鳴ったので出てみると、Kさん。
「ちょっと顔が見たくて」と笑った。診療所の会報を近所の会員に配っている。黙ってポストインすればいいのだけれど、たいていチャイムが鳴り、立ち話となる。
「春のグループ展の絵を描いているけど、馬の顔が描けなくて、有馬記念の競馬を食い入るように見たわ。なにか、馬の写真は無いかしら」という。
(あることはある・・・と言うか、処分してしまったかも・・・。息子が馬券を買っていた頃、「駿馬」って本を購読していたから・・・でもこの話題は伏せておこう)
「うーん、それらしく描けばいいんじゃないの」
「そうね・・」
「風邪を引いたようなの、今やっと回復したところ。」
「風邪を長引かせると困るわよね、」
「本当に、わたしなんか注射もしているのよ。あとどれくらい生きるのか分からないけど、身体は大事にしないと」
「いま、日曜美術館で北斎をやっていたけど、すごいわねぇ。あんな所まで行ったのね。足が丈夫っていいわねぇ」
とりとめもなく、延々と続くおしゃべり。
ふと気づくと、二人が二人とも、玄関先にある柱に掴まっている。
まともに立っていられない二人。
それでも老いの女子会、冬の陽だまりで長々と・・・。(いつまでもこの平穏が続きますように!)
「ちょっと顔が見たくて」と笑った。診療所の会報を近所の会員に配っている。黙ってポストインすればいいのだけれど、たいていチャイムが鳴り、立ち話となる。
「春のグループ展の絵を描いているけど、馬の顔が描けなくて、有馬記念の競馬を食い入るように見たわ。なにか、馬の写真は無いかしら」という。
(あることはある・・・と言うか、処分してしまったかも・・・。息子が馬券を買っていた頃、「駿馬」って本を購読していたから・・・でもこの話題は伏せておこう)
「うーん、それらしく描けばいいんじゃないの」
「そうね・・」
「風邪を引いたようなの、今やっと回復したところ。」
「風邪を長引かせると困るわよね、」
「本当に、わたしなんか注射もしているのよ。あとどれくらい生きるのか分からないけど、身体は大事にしないと」
「いま、日曜美術館で北斎をやっていたけど、すごいわねぇ。あんな所まで行ったのね。足が丈夫っていいわねぇ」
とりとめもなく、延々と続くおしゃべり。
ふと気づくと、二人が二人とも、玄関先にある柱に掴まっている。
まともに立っていられない二人。
それでも老いの女子会、冬の陽だまりで長々と・・・。(いつまでもこの平穏が続きますように!)