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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

困惑③

2012-09-29 06:51:10 | 日常
「お墓をね、お墓を買おうと思って貯めていたんだよ。だって、本家にお骨を預けたままじゃ・・・。」
 KAさんは空を仰いだ。夫や早世した子供に合わせる顔がないと嘆き「悔しいよ・・・」と俯いた。

 3才で実母を亡くしたKAさん、「継母は優しい人だったよ、わたしが奉公先から給金を持って帰るとご馳走を拵えて待っていてくれたよ」「・・・」
 父親の再婚相手はKAさんの実父が亡くなるとすぐにKAさんを奉公に出したらしい。
「わたしは学校へ行っていないんだよ。前の嫁さんはわたしが字が書けないって馬鹿にしたけど、自分の名前くらい書けるわねぇ」と笑った。

 苦労のし通しだったKAさん、《何としても!》の精神が90を超えても元気に歩かせてくれているのかもしれない。
「それにしてもね、もう頑張れないよ」とポツリ。
「死ぬの待ってんだね。嫌だ、嫌だ」と、顔をくしゃくしゃにして笑うKAさん。

 力になってあげられなくてごめんね・・・。わたしが何か言えば、それこそKAさんの立場がなくなってしまう。ただ黙ってKAさんの話に「うん、うん」と相槌を打ち良策を考えあぐねるけど、所詮は他人、出る幕はない。


 でも見事なほど元気に歩けて、どこにでもひとりで出かけられる90ウン才って、そうざらには居ないよ。きっと神さまは空の上から見ていてくださるから、衣食住の欠損があるわけでなければ(良しとしなくちゃ!)って心の中でつぶやいたけど、KAさんに聞こえたかな・・・。

『ひのきとひなげし』5。

2012-09-29 06:26:47 | 宮沢賢治
 風が一そうはげしくなってひのきもまるで青黒馬のしっぽのやう、ひなげしどもはみな熱病にかゝったやう、てんでに何かかうはごとを、南の風に云ったのですが風はてんから相手にせずどしどし向ふへかけぬけます。

☆普く逸(すぐれた)生(命)であると告げる。
 場(現世)は熱(こみあっていて)、平(等しい)果(終末)は、難(むずかしい)。
 普く運(めぐり合わせ、定め)である。
 普く双つの首(中心となるもの)の講(話)である。

『城』1048。

2012-09-29 06:08:33 | カフカ覚書
「じゃ、文書は、見つからなかったのだね」と、村長は言った。「残念ですが、話はすでに申しあげたとおりです。じつは、もう書類なんかなくってもいいんです。それはともかく、そのうちきっと見つかりますよ。あるいは、小学校の先生の家にあるのかもしれません。あの人のところにも、まだまだどっさり書類がありますのでね。ところで、ミッツィ、ろうそくをもってきてくれないかね。そしてこの手紙をわしといっしょに読んでおくれ」

 書類/Akt→Acht/追放。
 小学校の/Lehrer→Leere/空であること、空虚。
 ろうそく/Kerze→Kern/要点。
 手紙/Brief→Blitz/電光。
 読む/lies→liss/裂け目、ひび、亀裂。

☆実際、追放なんか見つけられなくても実行されているんです。真の言葉(真実)は発見されますよ。あるいは空虚にあるのかもしれません。あそこにはまだ予言者の死の追放が在りますから。
 中道派は要点の中心をもってきておくれ。この電光が裂け目である。