ねこじゃらし2

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220514 作楽会 いけばな 草月流 166 洋のまぜざし

2022年05月14日 | いけばな
テキストで学んで以来かもしれません。2杯分の花材費で『まぜざし』を勉強しました

先生の評は
「お墓のお供え花みたい。左右対称を崩して、グルーピングして、風が通るようにしてみたらどうか」「動きが出ていないので、剣山をやめて十文字留めにしたらどうか」「ブラックリーフの使い方も考えて」「これはあなたが貰いたい花束かしら」というものでした。
 
自分でも、暑苦しく面白味のない花だと思っていました。でもこれが「まぜざし、まぜて刺したのだ」と思いました。
 
テキストの予習(復習?)、「色彩効果の勉強になる。効果の強い花をを前面に使うと調和を崩すので内側に使う。色の変化とふくらみをつけ、軽やかな線の要素を添える」、これをやってみたつもりでした。
 
花判さんの花材はこれができるはずのものでした。色と形が個性的な葉物の使い方がむずかしかった。これはヒマワリからいけて最後に葉物とアリウムをいれました。
 

左右対称ではなく、グルーピングしたものです。留めの枝がないので、やはり剣山です。
 
この花器がそもそも難しいです。投げ入れにしては口が広く、盛り花にしては背が高い。


花器を変えました。今度は葉物で骨格をつくって、そこに花を入れていき、最後にアリウムの曲線を足しました。
 
いけばなとしては、すっきり腑に落ちました。
「素敵になった、頭からまぜざしが消えたようね、それぞれの花がわかって来たんじゃない?」と先生の手直しはありませんでした。
 
基本のお稽古では2種類、枝と花ものをつかういけばな
多種の花材を用いたいけばな、「まぜざし」
「自由に楽しみながら」いけられただろうか
 
自分のなかから、つぎつぎ異なるいけ方がでてきて変わっていき、しだいに花材それぞれと仲良くなっていった、そんな感覚の2時間半でした
 
テーマ:4-5まぜざし 
花 材:アリウム,カンパニュラ,コマチソウ,シュロチク,スターチス,ヒペリカム,ヒマワリ,ブラックリーフ,レナンセラ
花 器: 陶器
 
 
今日の花材 混ぜざしのお稽古に
は5種以上使ってと言われますが、今日は9種入っていました。

ヒマワリ 向日葵 キク科 ヒマワリ属
Helianthus annuus L.
水揚げ: 水切り
出回り: 周年
花の色と形態を生かす
annuusは「一年生の」
 


ヒペリカム 和名: コボウズオトギリ
オトギリソウ科 ヒペリクム属
Hypericum androsaemum
ヒペリクム アンドロサエムム
ココチェリー(ジャパンフラワーセレクション入賞)という品種がこれと似ています
水揚げ: 水切り
出回り: 周年
花は黄色。花材としては主に実と葉が使われる。たくさんある葉を整理して実の表情を生かす。今日はアレンジで言うマスフラワー的にこの枝を一つの色の塊としてヒマワリと同じに使いました
androsaemumは「血の色の汁を出す」
 


レナンセラ ラン科 Renannthera
約15種が東南アジアやニューギニアに分布し、 ブァンダに近縁の着生ラン。掛け合わせによって多くの園芸品種がつくられている。
水揚げ: 水切り
出回り: 周年
よく枝分かれした細い茎の濃紅の花がたくさんつくレナンセラ。深みのある花の色としなやかな茎の線を生かす。レナンセラの様に葉がついていない蘭はほかの花材と取り合わせて動きや広がりを出す。
 

スターチス 流通名: チース イソマツ科
Limonium sinuatum 和名: ハナハマサジ花浜匙
水揚げ: 水切り
出回り: 周年
地中海沿岸の多年草
白いのが花で紫色のは萼。スターチスにもいろいろある。チースと呼ばれるのはやや大ぶりの花が三角にまとまっている。
枝分かれする茎の線を生かす。春・秋の多くの花と調和し、やさしさを演出する
sinuatumは「波状線の」
 

カンパニュラ
和名: フウリンソウ と思われます
Campanula medium L.
キキョウ科 Campanulaホタルブクロ属
水揚げ: 水切り
出回り: 3~6月
ヨーロッパ南部原産の二年草。日本には19世紀後半に入った。枝分かれしない。総状花序につく花は横向きに咲く。
花の形と色を生かす。花の下の細長い葉を取るとすっきり見える。(←これをしなかったので暑苦しかったのかも)
茎を分けて数か所に、散らしました
mediumは「中間の」


コマチソウ 小町草
コマチソウ 和名: ムシトリナデシコ
Atocion armeria (L.) Raf. または  Silene armeria L. 
ナデシコ科 マンテマ属
水揚げ: 水切り
出回り: 周年
花序の節の下の部分に粘液を分泌して粘ばつき虫がつくのでムシトリナデシコの名があるが食虫植物ではない
江戸末期に観賞用として持ち込まれ現在は帰化植物として全国の荒地や河原に広がっている。切り花として利用される。
今日はフィラ―フラワーとして、カスミソウのような役割で使いました。
armeriaは「アルメリアの」
 

丹頂アリウム
ガンバナ科(旧ユリ科) ネギやにんにくの仲間
Allium sphaerocephalon  
揚げ: 水切り
出回り: 2~7月
人工的に加えられた曲がり・茎の線を生かす
sphaerocephalonは「丸い頭の」
 


ドラセナ、ブラックリーフ
水揚げ: 水切り
出回り: 周年
色彩の調和に気を付ける。濃く強い色ですが今日のヒマワリの芯(筒状花)の色と共通するので背景や骨格に安心して使えました
 


ウンナンシュロチク と思われます、観葉植物 
ヤシ科 ラピス属
水揚げ: 水切り
出回り: 周年
姿とつややかな緑色を生かす。水揚げ・持ちがよい。柔軟性はないので形をそのまま生かす。アレンジの足元に入れる葉の役目と軽やかさを出す線の役目も果たしてくれました。
 
 
各花の扱いなどは現代いけばな花材事典を、学名の種小名の意味はビジュアル版植物ラテン語事典を参照・引用しました
 
  


 

以下のサイトを参照しています
①YList ②花ペディア ③松江の花図鑑④荒川植物図鑑⑤みんなの趣味の園芸⑥小石川植物園の樹木 他