ねこじゃらし2

いけばな、いきもの、食べ物、音楽、散歩を楽しむ ねこじゃらし

220324 サクラの季節到来 新宿御苑

2022年03月24日 | 植物・園芸など
今日の目当ては、マグノリア・サクラ・温室
ここではサクラをまとめました
 
文一総合出版のサクラハンドブックで観察ポイントを引用しました
帰宅して写真で確認できた部分を太字にしてみます
 
早咲きだけでこんなに楽しんでしまい
これ、遅咲きの八重の時期まで、どうしたらいいんだろう
 
2か月振りに訪ねました
まん延防止は3/21でとかれたのですが、また変異株の割合が増加してます
知人が3人も感染したり濃厚接触者になったり・・・
日本一利用者の多い新宿駅は怖い
 
乗り換えて千駄ヶ谷に回るよりも今日は新宿で降りてささっとホームに一番近い改札を出ました
 
 
東南口広場、内藤新宿ゆかりのタカトウコヒガン高遠小彼岸が目の前に

タカトウコヒガン

今が満開、ラッキーでした

ヒヨドリが蜜を吸っています
この鳥はお行儀よく吸ってます
萼等に口を差し込んで蜜を盗む昆虫や、このごろは萼等を折り取って落として蜜を盗む鳥もいる
ちゃんと吸ってくれないと、サクラは花粉を運んでもらえないよ
 
・・・ ・・・・・ ・・・・・・・
 
新宿御苑は江戸の家康家臣・信濃国高遠藩主内藤家ゆかりの地、明治には皇室庭園でした
「3/19~4/10まで事前申込み制になっている」とYさんのメールを見てホームで大慌て、幸いにも年間パスポートで入れました。お知らせいただきありがとうございましt。
 
入口はまるでディズニーランド並みのしつらえ・警備・誘導
桜の下はシートを広げてのカップル・家族連れ・子連れのママ友で大賑わい
ベンチでは静かに本を読む人やお弁当を食べる人、目を閉じて日光を楽しむ人・・・飲食施設も賑わっていました
 
 
正門から右へ進むと咲き始めてました
ソメイヨシノ
Cerasus x yedoensis (Matsum.) Masam. et S.Suzuki
ケラスス エドエンシス
栽培種
 
傘状・高木・一重中輪淡紅・4月上旬
花弁に縦方向のしわあり
萼片は細長くやや鈍く尖り、著しい鋸歯が目立つ
萼筒はわずかに壺形を帯びた筒形、ふくらみは縦長、短毛多し
小花柄は開いた短毛が密
最下の苞は丸みのあるくさび形で外面に毛が多い
 
サクラの開花時期、サクラ前線の北上の基準とされる。
ソメイヨシノを標準として早咲き・同時期・遅咲きとわけられる。
 
早咲きの安行寒桜や河津桜を見てきたから、ソメイヨシノは白いなと思う
江戸時代にエドヒガンとオオシマザクラ(花粉親)が関与して誕生し、巣鴨の染井村の植木職人が売り出したとされる。
現在植栽されているのはクローンとされていて、今の上皇様のご成婚で多く植栽され、寿命は50年といわれていたけど・・・このごろその話題、聞かないな・・・テングス病もこのごろ聞かないな・・・
 
 
日本庭園で

薩摩寒桜 御苑で2021年から緋寒桜からこの表記になった
薩摩寒桜も緋寒桜も日本花の会には載っていない
 
 
同じく日本庭園で

寒桜類

寒桜類・・・類ってことは早咲きで品種がわからないってことかな
一番下の苞、小花柄、萼筒、萼はヒントになるかな
日本庭園の北側 3本ある大木の向かって左の一本の寒桜類
右の2本はサツマカンザクラ
 
 
中央休憩所東、東屋の南側の若い木

ヨコハマヒザクラ

ヨコハマヒザクラ とおもわれます

ヨコハマヒザクラ 横浜緋桜
Cerasus × kanzakura ‘Yokohama-hizakura’
セラスス カンザクラ ヨコハマ-ヒザクラ
兼六園熊谷×カンヒザクラの交配品種
広卵状・亜高木・一重・中輪・紅色・3月中旬
 
参考: 兼六園熊谷Cerasus jamasakura ‘Kenrokuen-Kumagai’
         寒桜はヤマザクラ×カンヒザクラ 交雑種
 
 
旧洋館休憩所の方へ行くと道の北側に

子福桜

コブクザクラ 子福桜
シナミザクラ×エドヒガンの雑種 時に1~3個結果するのが名前の由来
 
広卵状・亜高木・八重中輪・4月上旬、秋(10~12月)
中心部の花弁は内部に巻き込む。雌しべは1~4本だが見えないことが多い
萼片は幅広の5角形で粗い鋸歯が目立つ
萼筒はいびつに膨れた太いつりがね形で小花柄と共に毛が多い
最下の苞は小型のくさび形だが鱗片で見えないことが多い
 
誤って十月桜とされることがある
比較的最近(2009年発行のサクラハンドブックによる)広く流通するようになった。秋~春。切り花用にも。名前に混乱がある。
 
 
旧洋館近く道の南側に

オカメ
Cerasus ‘Okame’
広卵状・低木・一重小輪紫紅・3月下旬
細長い花弁に筋が目立つ(というか紅色の脈が見える)。雄しべは長く雌しべはさらに長く目立つ
萼片は小さい三角で紅色無毛
萼筒はつりがね形、基部がすこし膨らみ紅色、小花柄と共に無毛
最下の苞は丸みを帯びた菱形で黄緑色
 
カンヒザクラ×マメザクラ イギリス1947年作出 
早咲き・多花性、切り花に
大きくならないので鉢植え、庭植えに
御苑のお知らせに「お早めに」とあった・・・なるほど
 
 
菊栽培所の南側の道、右側  モクレンを探して歩いていると

山桜 樹高高くいい樹です

山桜 茶色の葉の展開と共に満開、もうちょっと後に咲くと思ってた
ヤマザクラ 
Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H.Ohba
本洲・四国・九州
ヤマザクラは日本の野生種
温暖な低山・給料に多い
 
傘状・高木・一重・中輪・淡紅・4月中旬
萼片は三角形を帯びた細長いすらりとしている
萼筒はほそい筒状のつりがね形で小花柄と共に無毛
最下の苞はくさび~楕円形、先端の鋸歯は細くて先が伸び、縁が内側に巻きこむ。大きな鱗片も細長い、粘らない
 
古来より観賞対象とされた。奈良の吉野が有名。
白い花と赤い葉を遠目に見た色が桜色ともいわれる
 
日本には9種のサクラの野生種がある。
→2016年にクマノザクラが加わり10となった。
 
 
 
こども広場で モクレンを探して2周3周

コヒガン小彼岸

コヒガン 小彼岸
Cerasus subhirtella (Miq.) Masam. et S.Suzuki
セラスス サブヒルテラ
盃状・亜高木一重小輪淡紅・3月中旬
花弁はうねりが目立ち縁は内側に巻きこむ
萼片は五角形、1脈が目立ち縁に鋸歯がある
萼筒は壺形で膨れ部分は直線部分より短い
小花柄と共に上向きの毛がある
最下の苞は長い楕円形、先端の腰はやや鈍い
 
エドヒガン×マメザクラの雑種と推定される
広く栽培されるが花色や花の大きさなどに変異がみられる
大木にならない。小庭園向け・切り花用
 
 
 
サクラ園地で

ヒマラヤヒザクラ
Cerasus carmesina (H.Hara) H.Ohba
セラスス カルメシナ
 
カンヒザクラにそっくり、違いは・・・宿題
東ヒマラヤ地域(ネパール、ブータン、ミャンマー北部、中国雲南省など)の落葉樹林帯に広く分布するサクラの原種の一つ。樹高30mの大木になる 参考: 皇居外苑ニュース、北の丸公園のサクラ
 
 
桜園地の中央北側

千駄ヶ谷門東の桜園地で ひときわ高木でめだっていました高遠小彼岸

高遠小彼岸 萼筒はぷっくらとやや短い壺形、萼は三角形

高藤小彼岸
 
玉藻池にもあるというので行ってみました
サクラは水辺が似合うなやっぱり
 
タカトウコヒガン高遠小彼岸
キンキマメザクラ×エドヒガンの種間雑種と考えられている
長野県伊那市の高遠城址に多く植栽されるサクラ
門外不出とも聞いたことがあるけど、新宿御苑が高遠藩主内藤家の下屋敷であったことにちなみ贈られたという
玉藻池は江戸の多摩川園の面影を伝える庭園にあった
 
今日は、カイツブリ2ペアが水浴び・羽繕い・キリキリキリ・・・とよく響く声で鳴いていました
他に、マガモ、カルガモ
 
参考: サントリー日本の鳥百科 ←鳴き声が聞けます
中の池と下の池の堺で

見てこれ・・・見事・・・シダレザクラ
ひときわ目立ち、ひときわ人があつまっていました
人が写らないように撮るのが大変
シダレザクラ 「何々枝垂」となってないのは多くはエドヒガンのようです
これもそうかしら
枝垂桜 下の池に流れ落ちる枝が見事
Cerasus spachiana ‘Pendula’
YList では 枝垂桜はイトザクラが和名となっています
Cerasus itosakura (Siebold) Masam. et S.Suzuki f. itosakura
 
枝垂れ状・高木一重小輪・淡紅・3月下旬
萼片は小型の卵三角 細かい鋸歯多し
萼等は壺形、膨れた部分が直線部分よりも大きく、開いた毛が密
小花柄にやや上向きの毛が多数
最下の苞は脱落し残らない
 
 
下の池の北側、シダレザクラの東側

カンヒザクラ寒緋桜
Cerasus campanulata (Maxim.) Masam. et S.Suzuki
セラスス カンパヌラタ
広卵状・亜高木・一重小輪紫紅・3月上旬
花弁は開かず萼と共に落ちる(子房と雌しべがのこってました)
紅色の萼は三角鋸歯無し尖る、萼筒は太く長い釣鐘形毛(萼筒に縦縞と皺しわ)
小花柄も無毛
最下の苞はごく小さく目立たない
 
沖縄の標準木はカンヒザクラというがこれとはまた別の様です
中国南部、台湾に分布
石垣島・久米島に見られ、日本の野生種と言われることもあるけど
栽培種とされる
寒い時期、濃紫紅色の花を咲かせるのが名前の由来
早咲きのカンザクラ系統や花色の濃い諸品種の交配親となっている(ミヤビ雅・オカメなど)
 
さっきの、ヒマラヤヒザクラに比べるとより開かなくて筒形で、萼筒が長くて雄しべが長いように見える←宿題
 
 
温室前の丸花壇近く 紅白に咲き誇る桜が美しい

オオシマザクラとヨウコウ

陽光

ヨウコウ 陽光

陽光 Cerasus ‘Yoko’
広卵状・高木?・一重・大輪・濃ピンク色・ソメイヨシノと同時期
 
花弁にうねりが目立ち先端に不規則な鋸歯あり
萼片は紅色で鋸歯無し
萼筒は長い筒状・つりがね形、脈状に毛有り
小花柄に短毛が密
最下の苞は扇形で幅広、上部に粗く鋭い鋸歯
 
広義のソメイヨシノの一品種のアマギヨシノ×カンヒザクラの交配で1981年に登録された栽培品種 華やかで各地の公園に植えられる
 
 
おなじ、丸花壇近くで

オオシマザクラ

オオシマザクラ 大島桜

オオシマザクラ大島桜
Cerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba
セラスス スペシオサ
傘状・高木・一重・大輪・白・四月上旬
野生種 伊豆諸島に分布する
伊豆・房総の海沿いに野生するのは薪炭材の栽培由来
葉・花は大きい、多くは花に芳香あり
花期に黄緑の若葉が展開
萼は大型、鋸歯が目立つ
萼筒は細い筒状のつりがね形、大きく無毛、小花柄も無毛
最下の苞は広く大きなくさび形、先端の鋸歯が長く伸び枝分かれするものもあり、縁は巻き込まない
 
形態や開花期などに多くの変異がみられる
里桜類に含まれる多くの品種のもとになり、他の桜との交雑によって生じたと思われる品種が多数
 
大きくて厚くて毛のない葉は塩漬け(クマリン生成・毒性は低い)にして桜餅を包む
桜餅と言えば隅田川の長命寺さくら餅だよなぁ~ 包んでる葉は3枚! あぁ~食べたい
 
 
ここまで、参考:
日本花の会「桜図鑑」、文一総合出版「サクラハンドブック」

220324 マグノリア モクレンの仲間 いろいろ

2022年03月24日 | 植物・園芸など
今日は、モクレンの仲間、サクラの仲間、そして温室を見に来ました
ここではモクレンの仲間をまとめます
 
Yさんに案内していただいて知った新宿御苑の大木
幹回り2.38m、樹高14m、樹齢は推定150年
都内随一の大きなハクモクレン
江戸時代からここにある。1万本の御苑の木の中でも古い木の一つ
 
正門から振り返ります
 
正門入って右へ

ハクモクレン
ハクモクレン
ハクモクレン 白木蓮
Magnolia denudata Desr.
原産地は中国
マグノリアの仲間の雌しべと雄しべ、らせん状にまとまってついていて、中心が雌しべで下の方が雄しべ このつき方は古いタイプの植物だと習った
花弁6枚、3枚の萼も花弁化していて、全部で9枚
冬芽・花芽はとくに大きい
 
 
ハンカチノキの実がたくさん落ちているその奥

コブシ
コブシ
Magnolia kobus DC.
マグノリア コブス
北海道~九州
コブシもマグノリア独特の雌しべ(紅色)雄しべ(クリーム色)をしている
花の下に葉が一枚 これが目印
花弁は6枚で、萼は早期に落ちている
農作業の基準木とされる
 
日本庭園の北、楽羽亭の東側
シデコブシ
シデコブシ 四手辛夷
Magnolia stellata (Siebold et Zucc.) Maxim.
雌しべと雄しべはマグノリアの特徴をしめしている
それぞれの色は時期によるのか種によるのか・・・宿題
花弁は細くて萼は花弁と同じ、全部で12~18枚と多い
平開してそり返る
花色は白~ピンクと変異がある、これはピンク色の方
自生地の愛知県では絶滅が危惧されている
 
 
冒頭の写真の巨樹ハクモクレン 楽葉亭の東

ハクモクレン樹高14m
ハクモクレン 幹回り2.38mの枝も太い、妖精のようにぽぽぽっと花がなれんでいる

ハクモクレン 樹齢は推定150年
Magnolia denudata Desr.
マグノリア デヌダタ
少し元気がないと聞いていましたが、ぜひにと見に行きました
見事です 今日来たかいがありました
150年以上前というと、慶応3年10月14日(1867年11月9日)が大政奉還
植物ってすごい、激動の日本の歴史を見てきた木
 
 
あと、シモクレンが見たいなとメールしたらYさんが「こども広場・千駄ヶ谷門」にありますよ と教えてくださいました。受付にうかがうと、今年は開花が遅れているとのこと。大木戸門外の駐車場脇に咲いています。とのことで行ってみました

さいていたのは、シュモクレン朱木蓮でした 花弁6枚、小さな3枚が萼

雌しべと雄しべはやはりマグノリアのタイプ

シュモクレン朱木蓮

大きな花芽の冬芽、小さいのは葉芽
朱木蓮の学名はYListにありませんでした
マグノリアの園芸品種はとても多い 
くわしいサイトや図鑑はいまのところ探せないでいる
 
 
振り返って、リリアパークのモクレンの仲間を見てみます

左、ハクモクレン、これも園芸品種かもしれない
右、シモクレンのプレートが付いている、花弁が9枚なので園芸品種・ハクモクレンとシモクレンの交配種かとおもわれる

こちらは、萼3枚が大きいけれどそれとわかるので、モクレンに近い、これも園芸品種か
モクレン
Magnolia liliiflora Desr. 
マグノリア リリフロラ
原産地中国
花は展葉後もしばらく残るというので、見まもりたい


こちらはサラサモクレンとも違う、ハクモクレンとモクレンの交配種と思われる園芸品種
 
 
新宿御苑では、低い位置で花を見ることもできて、よかったよかった
今日は、マグノリアをたくさん見ました