特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

手品師

2008-01-15 20:53:06 | カンコクゴ試行錯誤
 晴れ時々曇り.最低気温3.0度.最高気温7.6度.朝方は灰色の雲が低く垂れこめていたが,お昼前には太陽が顔を見せた

 韓国語を勉強していると日本語とのちょっとした語彙の違いに新たな発見があって面白いものです.「宇宙人」の話しは以前書きました.

 さて今回のお題は「マジック(手品)」「マジシャン(手品師)」です.
 お隣の国では「マジック(手品)」のことを「マスル(마술)」と言います.私たちも知っている漢字二文字の単語なのですが….韓国語の発音「マスル」から何となく見当がつくでしょう?韓国語を知らなくとも,中国語を勉強されている方であればピンとくるはず.

 「マスル(마술」とは何とズバリ!「魔術」のことなんです.

 日本語を母語としている私たちが「魔術」という言葉からイメージするのは細長い円錐形をした大きな鍔(つば)付きの帽子を被り,丈の長いのガウンを身に纏(まと)った鉤鼻(かぎはな)のお婆さんではないでしょうか?手には“木のステッキ(杖)”が握られ,目の前の机の上には“水晶玉”も見えます.どれも“魔術稼業”には必須アイテム.薄暗い部屋の中には無数の試験管やフラスコが置いてあり,赤や緑の怪しげな液体がブクブクと音をたてて泡立っています.

 そこからはマジックの定番BGM,♪注意♪音楽が流れます♪ポールモーリアオーケストラ『オリーブの首飾り(El bimbo)』が似合うような“妙にお気楽な雰囲気は微塵(みじん)も感じられません.

 では「マジシャン(手品師)」をお隣の国では何と言うか解かりますか?「マジック(手品)」が「魔術(マスル=마술)」なのですから,簡単ですね.
 そうです「「魔術師(マスルサ=마술사)」なんです!でも私の頭の中では「マジシャン」と「魔術師」を素直に“=(イコール)”に出来ません.

 「マジック(手品)」には“タネ”も“仕掛け”もあって構わないのですが,「魔術」といわれると,それこそ“タネ”や“仕掛け”が存在しないような印象があるからです.

 ちなみに韓国の人に「“マジック(magic)”のことを日本語では“手品(てじな)”と言います.」というと,ほとんどの人が笑います.そのワケは….
 テジナという名前の韓国演歌(テゥロッテゥ=트로트)界に燦然と輝く国民的大歌手がいるからです.

【写真】韓国演歌界の巨匠,テジナ(태진아)氏(手品師じゃないのよ,歌手だからね).ステージではいつもこんなファッションで熱唱しております



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2 コメント

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はじめまして。 (あぶく)
2008-01-22 02:02:31
はじめまして。手品が大好きな、あぶくといいます。
てじなで検索してここにたどり着きましたー。
興味深いですねー。英語でmagic・magicianというと魔術・魔術師という意味と、奇術・奇術師という2通りの意味があります。trickというと日本でいう手品のニュアンスが出てきますねぇ。
日本に奇術が伝来したときは、妖術ではなくてすでに芸として確立した中国の雑技であったために、「魔術・呪術」的な意味合いのイメージがなかったのでしょう。韓国でいうところの、「魔術」にあたる言葉は別にあったりするのでしょうか?
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あぶく様,いらっしゃいませ (特上カルビ)
2008-01-22 11:01:20
>あぶく様

初めまして!私のブログへようこそいらっしゃいました!また,コメントありがとうございます.

>韓国でいうところの、「魔術」にあたる言葉は別にあったりするのでしょうか?

日本語からイメージする「魔術」に近い韓国語を強いて挙げるとすれば,「魔法(マポッ=마법)」もしくは「妖術(ヨスル=요술)」で,「魔法使い」は「魔術師(マポッサ=마법사)」となります.

「呪術(じゅじゅつ)」や「奇術(きじゅつ)」については,韓国式に漢字読みをした「呪術(ジュスル=주술)」や「奇術(キスル=기술)というのがありますが,辞書に載っているだけで,殆ど使われていません.

また,最近では英語読みした「Magic(メジック=매직)」や「Magician(メジション=매지션)」という言葉も耳にするようになりましたが,「魔術」,「魔術師」に比べるとまだまだ一般的ではありません.

お時間があれば,またぜひ遊びにいらして下さい.
お待ちしております!
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