しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「天使の約束」 2002米・アイルランド・英

2006年07月21日 | 映画
これはWOWOW放送のタイトル。原題は「エヴリン―EVELYN」
1950年代のアイルランド。
3人の子供を持つ労働者のデズモンド・ドイルはある日、その職を失う。
さらにはクリスマスの後、妻が他の男を選んで家族のもとを去っていく。
国の法律に基づき、仕事もなく片親のデズモンドには子どもを育てる権利はないという、カトリック教会と法廷の判断で長女のエヴリンは教会の寄宿学校へ、弟二人は養護院に預けられることになる。
デズモンドは、子ども達と一緒に住みたいという強い思いから、職を見つけ立ち直ったことを役所に届け出るが、子どもを引き取るには母親の許可も必要だと言われる。母親はオーストラリアに行ってしまったらしく、連絡は不可能。
デズモンドは友人の後押しもあり、子どもを取り戻す為、勝訴の前例のなかった裁判を起こす。


実話に基づいている話で、この頃のアイルランドは、宗教と政治が強く結びついて、親と子が離れて暮らす例は多かったそうだ。
早い内から、国の宗教にしっかり取り込もうという試みがあったのだろうか。
しかし、それが自然な姿だとはやはり思えない。
この物語でも、父親の真っ直ぐな気持ちが伝わってくる。そして、姉弟を別けることも哀しいことだ。
親子は離れて生活してはいけないという物語で、親子のしっかりした繋がりが強く優しく伝わってくる。こんな親子を離れ離れにしてはいけないと思えた。

エヴリンがとにかくしっかりしていて、可愛かった。
雲から差し込むの太陽の光線は、天使が見守っているよ。という合図。手に当たった光を見て、勇気をもらう。
それが、「天使の約束」。
天から大地へ、雲から差し込む光を「ヤコブの梯子」といったりする。
綺麗なものには、宗教的な意味を持たせようとする。宗教って、良い面もあるのだと思う。
でも、寄宿舎の尼僧が、エヴリンに、横を向いて眠ると、悪魔が付け入って来るから、上を向いて手を交差して眠る様に指導するシーンがあるが、そんなことを言う宗教は信じられない。

ただ、現在の親子関係は必ず一緒に居た方がいいとは言えなくなっているのも、現実の問題。親子関係の随分変化してきている。
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