しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「眠れぬイヴのために」 ジェフリー・ディーヴァー

2008年05月30日 | 読書
「眠れぬイヴのために」 ジェフリー・ディーヴァー  早川書房
 Praying for Sleep     飛田野裕子・訳

アメリカ・マーズデン州立精神病院から、暴風雨が近づく夕方、一人の男が脱走する。
その男マイケル・ルーベックは妄想型精神分裂病と診断されていた。
マイケルは半年前、インディアン・リープ州立公園で起きた殺人事件の犯人と判決された男で、それはリズボーン(リズ)・アスチンが証言したからだった。
マイケルはその後、監視の目を盗んでリズに脅迫状と思われる手紙を出していた。
それで、マイケルの脱走の目的はリズへの復讐だと思われる。
脱走を公にしたくない病院長のロナルド・アドラーはマイケル発見に賞金を掛ける。
それに応じた元警官のトレントン・へックは追跡犬エイミールを連れて、マイケルの後を追う。
マイケルの主治医リチャード・コーラーはマイケルを助ける為に後を追う。
リズの夫オーエンは、自らが妻を守るために後を追う。



どんな物語になっていくのか、なかなか掴めなく始めは読み進むのに時間が掛かった。
登場人物はひとりひとり丁寧に書いてあるのだが、それがどう繋がるのか分からないから、何となくまどろっこしく感じる。
もっとテンポよく進んで欲しいと思った。
緊迫感が出て、ある登場人物がなんだか変だぞと気が付き始めてから面白くなって来た。それはもう後半も過ぎてから。
途中、読み手を欺くような書き方をしてケムに巻こうとしているので、分かってから読み直すと、なるほどと思える。
マイケルの心も組み立てられている構造も、予測でしかないのかも知れないが、分かるように書かれているのが興味深い。
しかし人間を理解していく上には、外見にとらわれないこと、固定観念にとらわれないことは必要なこと。
それは分かっているが、相手がとてつもなく大男だったりしたら、やはり難しいのかも知れない。
この中にも、突然現れたマイケルの相手をする人物が何人かいるのだが、緊張感が伝わって来る。
自分ならと考えるが、その時になって見ないと分からないだろう。
そんなに冷静に対応出来ないと思う。
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