「牛乳買ってくるね」
やわらかな声で、目覚めたきのう
わたしは寝ぼけまなこなまま、頷いて
がちゃん。ドアが閉まる音を聴く
まだカーテンをしめた部屋は
どことなく、夢のつづきのにおいがする
トントントン、階段を降りるそれが
とんとんとん、昇ってくる音に変わって
忘れ物かしら?
などと浮かべていると
がちゃん。ドアが開いてあなたが言う
「いい天気だから、一緒に行かない?」
わたしはたまらなくなっって、笑ってしまう
そんなことを言う彼がいとおしい
頷き、急いでコートをはおる
吸いこむと胸までひんやりする空気と
新しいひざしが完璧な、あさ
あるいて数分のコンビニへの道が
まっすぐ、永遠に続けばいいのに
あなたが朝にとけこんで
わたしも一緒にとろけたら
帰ってつくったホットケーキは
苦めのコーヒーによく合って
やさしい朝の味がした