要約できない人生のあれこれ

気ままに日々のこと
いきづらさを抱えて。なんでもない日常のこと。ごみ捨て場。届かない。

「ホットケーキの朝」

2017-03-02 21:39:20 | 作詩








「牛乳買ってくるね」


やわらかな声で、目覚めたきのう

わたしは寝ぼけまなこなまま、頷いて

がちゃん。ドアが閉まる音を聴く



まだカーテンをしめた部屋は

どことなく、夢のつづきのにおいがする


トントントン、階段を降りるそれが

とんとんとん、昇ってくる音に変わって


忘れ物かしら?

などと浮かべていると

がちゃん。ドアが開いてあなたが言う



「いい天気だから、一緒に行かない?」


わたしはたまらなくなっって、笑ってしまう

そんなことを言う彼がいとおしい

頷き、急いでコートをはおる



吸いこむと胸までひんやりする空気と

新しいひざしが完璧な、あさ



あるいて数分のコンビニへの道が

まっすぐ、永遠に続けばいいのに



あなたが朝にとけこんで

わたしも一緒にとろけたら



帰ってつくったホットケーキは

苦めのコーヒーによく合って

やさしい朝の味がした