久しぶりに、映画を見に行ってきました。
第34回モントリオール世界映画祭で主演の深津絵里さんが最優秀女優賞を受賞し、話題の作品です。
原作本を読まずに鑑賞しました。
映画をみて、原作本を読みたくなりました。
ネタバレを含む感想を書きますので、内容を知りたくない人は、後半は読まないようにして下さい。
映画の主題は、「本当の悪人は誰なのか」だったと思います。
殺人を犯した主人公、祐一に同情すべきことが詳しく描かれます。
しかし、人を殺すと言う行為は、どんな言い訳も許されないと思います。
殺人を犯した人だけが悪人ではないということだと思います。
そして、映画では、大事なものを失った二人がクローズアップされていました。
一人は、娘を失った石橋佳男と孫を失った清水房枝です。
石橋佳男役の柄本明さんが、映画中に言っていたことばが、印象的です。「大事な人がいない人が多すぎる。」のような台詞だったと思います。
祐一と光代の逃避行。究極の愛でしょうか。
祐一が警察に捕まる直前、光代を殺そうとした場面、光代を愛していたからこそでしょう。
最終的に、破滅的な結末にならなかったのが良かったと思います。
いろいろなことを考えさせられる映画でした。
映画のできとは無関係ですが、個人的には、妻夫木くんに悪人は演じて欲しくなかったと思っています。
俳優としての幅が、広がったことに間違いないのですが。
妻夫木くんは、大きな俳優さんになりそうです。そういう予感を強くもった作品でした。