金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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QE3でドル安、だが限定的という見方も

2012年09月27日 | 金融

米国の量的緩和QE3発表の後、予想外の国債買い入れを発表して、一時的に円高に歯止めをかけた日銀だったが、またぞろ円高になってきた。

大量のドル資金の市場供給で、いわば最大規模の為替介入を行いドル安を図った米国に対して各国がどのような対応をとるか、為替トレーダーの中に様々な憶測が広がっている。

FTによるとベアリングアセットやAmundiの為替デスクは、ブラジル・レアルを避けてメキシコ・ペソを買う、あるいはシンガポール・ドルやロシア・ルーブルを買う動きに出ているという。

ブラジルではマンテガ金融大臣が、米国が引き起こした通貨戦争に対して対抗すると宣言して以来介入警戒で弱含んで入る。一方メキシコはペソ高を容認して、介入を行わないと投資家が信じているから買われている。またシンガポール・ドルやルーブルは、一定のレンジで管理されていて一方向にブレないので、選好されている。

FTによると、前述のAmundiの為替ヘッドは、日銀は金融緩和により円安誘導を行うことに失敗したけれど、大規模な為替介入(で円安になる)リスクがあるので、円買を避けているということだ。

物議を醸している米国のQE3だが、一部の投資家は今回の量的緩和は前回よりドルに対する影響は少ないと信じている。というのは新興国の中央銀行は、通貨高に苦しむ輸出業者を助けるため自国通貨安政策を取るべきか、輸入食料品の価格上昇を相殺するため通貨高を容認するべきかという難しい選択を迫られているからだ。また欧州圏の不安定さもドル安を緩和する材料だ。

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