Deep pocket「深いポケット」はアメリカの俗語で、元々は「豊富な資金を持つ」という意味で企業を形容する言葉だが、ビル・ゲーツのような大金持ちにも使われるとオンラインのThe free dictionaryに書いてあった。本来の意味からすると少し大袈裟だが、次の文章がニューヨーク・タイムズに出ていた。
Business that depend on deep-pocketed consumers also rose, as investors hoped that an easing in energy prices would encourage Americans to spend more freely.
「裕福な消費者に依存している業種(の株)も又上昇した。何故なら投資家はエネルギー価格の低下によりアメリカ人がより自由に消費できるようになると希望するからだ」
この記事はクルド・オイルの先物が5ヶ月振りに1バレル105ドルまで低下して、一時株価が大きく上昇した9月2日のニューヨーク市場に関する説明だ。(ダウ平均はその後資源株の下落でマイナスになった)
大金持ちの消費性向は、景気に余り影響されないから、ここでいうDeep pocketは小金持ち程度の意味だろう。景気の悪化で贅沢品の消費が鈍っている例では同じ日のニューヨーク・タイムズにボストンでロブスターの消費が落ちて値段が下がっているという話が出ていた。ロブスターはボストンの夏の名物だが、消費者は財布の紐を締めて今年は余りロブスターを買わないからだ。このためロブスターの漁師は燃料代の上昇とロブスター価格の下落の挟み撃ちにあっている。原油高が経済活動に打撃を与えている一例だ。