今日(21日)の日経新聞朝刊に社会保険庁が年金保険料の納付記録を撮影したマイクロフィルムを光学式文字読取装置(OCR)を使って電子データ化する方針と書いてあった。新聞によるとこれにより10年かかると言われてきた修正が1年で終わる可能性が出てくるそうだ。
もっとも幾つか疑問がある。一つはOCRによる電子化率の問題だ。私の経験ではワープロ作成の文章をOCRにかけても自動的に電子化する割合は9割強だろう。手書きの場合相当自動電子化率は落ちるはずだ。次にマイクロフィルムが歩いてフラットベッドスキャナーの上に乗ってくれる訳ではない。マイクロフィルムを人手で読取装置にかけなければいけない。といった問題があるので、冷静で専門的な分析なくしてOCRを救いの切り札の様に持ち上げるのはどうか?と考えている。一歩譲ってOCRが相当威力を発起するにしても、膨大な手作業で補完しなければならないことはちょっとモノを知っている人なら直ちに分かることだろう。
そこで私の一石三鳥の解決策というのは「年金記録補正にニートやフリーターを優先的に使う」という案だ。例えば「ここ3年以上または学校を卒業して以来定職についたことのない人を優先してこのプロジェクトで採用する」といった募集を行う。ただし一つの条件をつける。それは採用した人が国民年金の保険料の未納がある場合報酬の一部で保険料を支払わせる。
こうすると3つのことが解決する。
- 年金保険記録の修正の内、単純作業的な業務(OCRでの読み取り、読み取れない文字の打鍵入力など)を未熟練作業者に委ねることで、社会保険庁のベテラン職員はもっと高度な問題修復や国民からの相談に時間を割くことが出来る。
- ニート・フリーターにとっては収入の機会が増えるとともに、職業訓練の場が提供される。
- ニート・フリーターから未納保険料が回収されるとともに彼らの年金に対する意識が高まる。
根拠は省略するが年金記録の修復にはざっと試算すると5千人から1万人の単純作業者が必要と思われる。窮すれば通ずという。社会保険庁もこの様なことで雇用創出に貢献でくるのであれば、年金記録不備問題も一利があったと後世言われるかもしれない。
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