金融そして時々山

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最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

さくら小談義

2007年03月30日 | うんちく・小ネタ

昨日送別会の後、茅場町に行き永代通りの少し南の通りを歩いて夜桜を楽しんだ。一昨日もお堀端の夜桜を見たので毎夜桜を見ていることになる。そこで桜小談義。

日本語の「さくら」には樹木の桜以外に次のような意味がある。

  • 「うばざくら」これはさくらが花を咲かせる時「葉がない」ことと年を取って「歯がない」ことをかけたもの。年配であっても艶かしい女性を指す古語である。
  • 馬肉のこと
  • おとり客

日本では「花は桜木、人は武士」という様に桜は潔(いさぎよ)いもののシンボルだった。では英語ではどうだろうか?俗語であるが、英語のcherryには「処女膜」という意味がある。転じて「新品」という意味で使われる。ウエッブ英々辞典には次の様な用例が出ていた。

A three year old car in cherry condition つまり3年経過しているが新品同様の中古車ということだ。逆にボロ車のことはレモン Lemonという。Their new car turned out to be a lemonという用例が出ていた。彼等の新車は欠陥車だったことが分かったという意味だ。

チェリーが新品・・・なんとなく分かるが、レモンがどうして欠陥車なのだろう。今直ぐにその語源は分からないが調べてみたものだ。語源を調べたり考えたりするのは面白いのが分からないことも多い。例えばおとり客のことを「さくら」というのはパッと現れ、パッと消えるので「さくら」というという説があるが、真偽の程は不明だ。

ところでCherry picking というと「処女をつまみ食いする」と誤解する人がいるかもしれないが、これは「バーゲン品だけを選んで買う」という意味だ。また投資の世界でCherry pickingというと他人のポートフォリオの良いところをまねるという意味になる。自分で多くの銘柄を調査せず、パフォーマンスの良い投資信託の保有銘柄を選んで調査し、投資する様な行為だ。

桜を詠んだ有名な俳句に芭蕉の「さまざまのこと思い出す桜かな」という俳句がある。これは芭蕉が若い時仕えた藤堂良忠のことを後年偲んで詠んだものだ。芭蕉と良忠の間には主従の関係を超えた濃密な関係があったことは有名だ。その様な背景まで理解してこの俳句を読むと名句だなぁという気もするが、背景をしらないと「フーン」で終わってしまうかもしれない。

あなたはさくらを見てなにを思い出すのだろうか?

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