昨日(10月3日金曜日)に発表された米国の雇用統計は良い数字だった。市場は米国の景気回復の足取りの確かさを再確認し、ダウは208.64ポイント(1.24%)上昇し、17,000ポイントを回復した。ドル円為替はドルが1円値上がりして再び110円に近づいた。
9月の非農業部門の雇用者増は248千人。8月の雇用者増は142千人から180千人に修正された。過去1年間で見ると毎月220千人の雇用が創造されたことになる。
失業率は5.9%に低下。これは2008年7月以降最低の水準。しかし平均賃金は僅かながら低下した。
このことは労働市場での需給がタイトになる(失業率が低下する)と、賃金が上昇するという「仮説」に疑問を投げかけたようで、幾つかのメディアがこの問題を取り上げていた。
挿入した グラフはニューヨーク・タイムズから借用したもので、横軸が失業率・縦軸が賃金の上昇率を示している。「仮説」が正しければ、失業率が自然失業率に近づいてくるともっと賃金が上昇しても良さそうだが、実際はほぼフラットという状態だ。
その理由については色々な見方がある。一つは失業率というのは、失業者の数をベースに計算されているが、仕事を探すことを放棄した人は失業者から除外されている。仕事探しを止めた人が増えると失業率は低下する。一方雇用市場が改善すると仕事探しを止めた人が再び労働市場に戻ってくるので、新たな労働力が供給され、しばらくの間は労働需給はタイトにならないというものだ。
また9月の雇用者増の1/4はテンポスタッフの増加によるものだった。このあたりも給与が伸びないことの原因なのだろう。
我々中高年にとって明るいニュースは、米国で55歳以上の失業率が過去1年間で5.3%から3.9%に低下したことだ。この低下幅は20-24歳層の12.8%から11.4%と同じだった。
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