今月初めから書き始めた「ライフプラン」本、作業量としてはほぼ半分ぐらいのところまで漕ぎつけた。
残っている項目は「心の遺言」と「財産の遺言」だが、「心の遺言」Ethical will(倫理遺言)については、決まったフォームはないし書かないという人が多いかもしれない。私自身文章として改めて何かを書くかどうか決めていない。
「財産の遺言」については、公正証書遺言の作成方法云々について説明するつもりはない。そんなことは実際に作る時専門家に聞けばよい。むしろどのように財産を残すか(あるいは残さないか)というプランニングの問題を重視したい。
もっとも私のライフプラン本は会社員や公務員として長年働いてきた人がシニアライフを基本設計するための手引書と位置付けているので多額の相続財産について論じる予定はない。
ところで最近日経ヴェリタスでコラムニストの大江英樹氏が「定年後の暮らしについて書かれた本は一般論で、実際の事情は一人ひとり異なるので実務的にあまり役に立たない場合が多い。」「そんな時に最も頼りになるのは一足先に定年退職した先輩だ。できれば同じ会社を定年になった2~3年先輩がいい。」と書いていた。
これは傾聴するべき意見である。
ライフプラン本の想定読者を広げ過ぎると焦点がボケてしまう。
再度「組織で長年働いてきた人がこれからの人生設計を行う手引き」という原点に戻って見直しをしていきたいと思った。
もう一つはお金に関する話はある程度共通するが、健康や生き甲斐の話は人それぞれ千差万別で様々な答があるということだ。
ただしそれらの問題を可視化していくツールはある。人の生き方は様々だが「自分はこんな生き方をしたい」という望みは見える形で他の人に分かって貰う方が良さそうだと私は考えている。
また自分で作った基本設計図だけでライフプランが実現できる訳ではない。ライフプランを実現するためには、各方面の専門家のアドバイスや実務的な作業が必要だ。その時効率よく専門家と対話するには自分のやりたいことを明確に定義していくことが必要だろう。そのやりたいこと(あるいはやりたくないこと)を明確にしていく手法について提案できれば本の目的は達成できると再確認した次第である。