金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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連銀はいつ金融緩和策から転じるか?

2013年01月28日 | 金融

仕事であれ、資産形成目的であれ、トレーディングをやっている人なら注目するのが今週火曜日-水曜日に行われる米連銀公開市場委員会の議論だ。

12月に失業率が6.5%に低下するまで(12月の失業率は7.8%だった)、低金利政策を持続すると宣言し、雇用市場に明確な改善の兆しが見えるまで毎月850億ドルの国債と住宅ローン担保債券を購入すると宣言した連銀が立場を継続することはほとんど間違いがない。

関心事はむしろ連銀が緩和策からいつ方向転換するのか?ということに移りつつある。

ニューヨーク・タイムズによると昨年連銀による資産購入を強く主張したボストン地区連銀のローゼングレン総裁は今月初めの演説で「連銀の金利抑制努力は住宅や車の販売増という明確な経済効果を生んでいる。しかし失業率は受け入れ難いほど高い水準であり一方インフレ率は連銀がターゲットとする2%より低い。連銀は経済活動を助けるため金融緩和策を持続するべきだ」と述べた。

一方カンサス地区連銀のジョージ総裁は、連銀の低金利政策は農地、ジャンクボンドやその他のリスキーな投資対象の値段を押し上げていると述べ、また連銀が大量に抱える金融資産を売り出す時に市場を混乱させる可能性があると警鐘を鳴らした。

連銀の外側の多くの著名な経済学者は連銀は景気刺激のためさらに力強いアクションを取るべきだと主張するが、連銀内部の反応は少ない。むしろ失業率が6.5%まで低下するまで資産購入を続けるべきだ、とする人は少ない。前述のローゼングレン総裁は失業率が最低でも7.25%に達するまでは資産購入を続けるべきだと述べている。

またセントルイス地区連銀のブラード総裁はCNBCに今年年末までには失業率は7%近くまで低下するだろう、その時が資産購入プラグロムの中止を考えるべきタイミングだと述べた。

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早ければ年内に金融政策の方向転換の可能性が見えてきた米国とこれから大きな金融緩和策を打ち出そうという日本。内外の金利差の拡大を視野に入れるとしばらくドル高が続くという判断は間違いがなさそうである。

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